保険金の請求と紛争の相談(Making an insurance claim)
ひとことで言うと…
NZで保険金を請求するときは、保険会社に正直で正確な情報を伝え、写真などの証拠を用意します。結果に納得できなければ、まず保険会社に苦情を申し立て、解決しなければ無料の紛争解決制度(IFSOやFSCLなど)に相談できます。保険に入っている人向けです。
詳細
保険の種類や選び方はNZの保険の基本にまとめています。この記事では、保険金を請求するときと、結果に納得できないときの流れを説明します。
正直に伝える義務(告知)
消費者保護(Consumer Protection)のページでは、次のときに正直で、完全で、最新の関係する情報を伝える必要があるとしています(Consumer Protectionのページ)。
- 保険に申し込むとき
- 契約を更新するとき
- 保険金を請求するとき
- 状況が変わったとき(仕事、病気、犯罪歴、交通違反など)
申し込みで書き忘れたことがあれば、保険会社に連絡します。重要な情報で、保険会社が引き受けるかどうかや保険料の判断に影響するものを伝えていなかった場合、請求を断られたり、契約を解除されたりすることがあります。
請求するとき
- 保険の対象は、多くの場合「突然の偶然の出来事(sudden and accidental events)」です。
- 証拠を用意します。領収書がなくても、写真、銀行の明細、書類などが証拠になることがあります。
- どう対応するかは保険会社が判断します。修理できる場合は、買い替えの費用を払う代わりに修理することがあります。
請求が断られる主な理由
Consumer Protectionのページでは、補償の範囲外、証拠が足りない、保険料の未払い、関係する情報を伝えていなかった、などを挙げています。
保険を乗り換えた場合、もともとの病気が新しい保険で「既往症(pre-existing condition)」として対象外になり、前の保険なら認められた請求が断られることがあります(FMAのページ)。
自然災害による住宅の被害
地震や水害などで家が被害を受けたときは、多くの場合、自分が入っている保険会社を通じて請求します。自然災害委員会(Natural Hazards Commission Toka Tū Ake、旧EQC)の仕組みは自然災害委員会を見てください(Natural Hazards Commissionのページ)。
結果に納得できないとき
- まず保険会社に苦情(complaint)を申し立てます。Consumer Protectionのページでは、別の査定担当者が請求を見直す必要があるとしています。
- 解決しなければ、保険会社が加入している無料の紛争解決制度に申し立てます。
紛争解決制度は次の4つです(Consumer Protectionのページ)。
- Banking Ombudsman Scheme
- Financial Dispute Resolution Service
- Financial Services Complaints Limited(FSCL)
- Insurance & Financial Services Ombudsman Scheme(IFSO)
保険会社がどの制度に入っているかは、保険会社のウェブサイト、契約書の「Dispute resolution」の欄、金融サービス業者登録簿(Financial Service Providers Register)などで確認できます。
IFSOとFSCLの主な内容
どちらも消費者は無料で使えます。2026年10月時点の各制度の説明は次のとおりです。
| 項目 | IFSO | FSCL |
|---|---|---|
| 対象 | 保険会社、金融会社、ファイナンシャル・アドバイザー、KiwiSaverの運用会社など(IFSOの参加事業者) | 保険、ローン、送金、投資、ファイナンシャル・アドバイス、KiwiSaverなど(FSCLの参加事業者) |
| 申し立ての前に | 事業者に苦情を出す。事業者には解決のために2か月ある | 事業者に苦情を出す。2か月たっても解決しなければFSCLが調査を始める |
| 申し立ての期限 | 事業者との話し合いが行き詰まった(deadlock)と伝えられてから、通常3か月以内 | (確認できた範囲では記載なし) |
| 補償の上限 | 一時金はNZ$500,000+GST、定期的な支払いは週NZ$2,798+GST、精神的な損害などはNZ$10,000+GST(2024年7月18日以降に行き詰まったもの) | 金銭的な損害はNZ$500,000、精神的な損害などはNZ$10,000 |
| 決定の効力 | 消費者が受け入れると、消費者と事業者の両方を拘束する | 消費者が受け入れると、事業者は従う必要がある |
| 電話 | 0800 888 202 | 0800 347 257 |
どちらの決定も、消費者は受け入れなくてかまいません。その場合は、紛争審判所(Disputes Tribunal)や裁判所に進むことができます。IFSOは、契約にない補償を加えたり、契約の条件を後から変えたりはできないとしています(IFSOのページ)。詳しくはIFSOのページやFSCLのページで確認してください。
保険契約の法律が変わります
ビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)によると、保険契約法(Contracts of Insurance Act 2024)が2024年11月15日に成立し、2027年11月15日に施行される予定です(MBIEのページ)。主な変更点は次のとおりです。
- 何を伝えるべきかを消費者が判断するのではなく、保険会社が正しい質問をする責任を負う。
- 消費者が伝えるべきことを伝えなかった場合、保険会社は程度に応じた対応をする。
- 保険会社は、請求に妥当な期間内に支払う。
手順
- 被害の写真を撮り、領収書や明細などの証拠を集める。
- できるだけ早く保険会社に連絡し、正直で正確な情報を伝える。
- 結果に納得できなければ、保険会社に正式な苦情を出す。
- 解決しなければ、保険会社が加入している紛争解決制度(IFSO、FSCLなど)に申し立てる。
- 制度の決定に納得できなければ、紛争審判所や裁判所を検討する。
費用
紛争解決制度は、消費者は無料で使えます。保険金の請求では、契約で決まった免責額(excess)を自分で払うことがあります。
日本との違い・注意点
ここが日本とちがうよ!
- 申し込みや更新のときに大事な情報を伝えていないと、請求を断られたり契約を解除されたりすることがあります。
- 紛争解決制度は、まず保険会社に苦情を出してからでないと使えません。
- IFSOに申し立てる期限は、行き詰まったと伝えられてから通常3か月です。早めに動いてください。
- IFSOは、消費者の代理人ではなく、法的な助言もしないとしています。法律の判断が必要なときは、弁護士などの専門家に相談してください。
- 自動車事故の請求には、警察の事件番号が必要になることがあります。交通事故にあったらを見てください。
ここは大事だよ
ビザ・税・医療・法律などの制度は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の内容を確認してください。このページは一般的な情報で、個別の助言ではありません。