海外移住後の日本の銀行・証券口座とNISA(Japanese bank and securities accounts after moving abroad)
ひとことで言うと…
NZに移り住んだ後も、日本の銀行口座を使い続けられる場合がありますが、金融機関への住所変更や居住地国の届出が必要です。海外に住むと使えなくなるサービスもあります。NISAは、転勤などで一時的に出国する場合に限り、手続きをすれば一定期間非課税を続けられます。
詳細
日本からNZへ移り住むと、日本の税法上は一般に「非居住者」になります(日本を出国するときの税金と手続き)。日本の銀行や証券会社の口座は、非居住者になった後の扱いが金融機関ごとに違います。出国の前に、口座のある金融機関に必ず確認してください。
銀行口座
日本国籍の人が海外に移った後も、口座を使い続けられる銀行があります。たとえばソニー銀行のページでは、海外への転勤や留学で国外に住所を移した後も、引き続き口座を使えると案内しています。その場合も、次のような手続きが求められます。
- 国外への住所変更の届出
- 日本国内の連絡先の登録
海外に住むと使えなくなるサービスもあります。ソニー銀行の案内では、主に次のとおりです。
| サービス | 海外に住む間の扱い(ソニー銀行の例) |
|---|---|
| 外貨送金(ソニー銀行からの送金) | 使えない |
| ローン | 新しい申込みはできない。契約中のものは返済を続ける |
| 投資信託 | 新しい購入・売却はできない |
| NISA | 原則として終わる(条件を満たせば継続できる場合がある) |
海外勤務や留学中の人向けのサービスを用意している銀行もあります。たとえば三井住友銀行の「SMBCダイレクト・グローバルサービス」は、海外勤務の人や留学生を対象に、残高照会や振込、海外の自分の口座への送金などを案内しています。手続きは出国の3週間以上前にするよう求めています(三井住友銀行のページ)。
居住地国の届出(CRS)
日本の金融機関は、国際的な仕組み(CRS:共通報告基準)に基づいて、外国に住む口座保有者の口座情報を年に1回国税庁に報告します。国税庁は、租税条約などの情報交換の規定に基づいて、その人が住む国の税務当局に情報を提供します(国税庁のCRSのページ)。
2017年1月1日以後に口座を開いた人は、開設時に居住地国を届け出ています。居住地国が変わる住所変更をするときは、異動届出書の提出が必要です(三井住友銀行のCRSのページ)。証券会社でも同じような届出が求められます。たとえば松井証券のページでは、口座を残したまま出国する場合、「特定取引を行う者の任意届出書 兼 異動届出書」の提出が必要としています。
証券口座
証券口座を海外に住みながら持ち続けられるかどうかは、証券会社によって違います。松井証券の場合、出国前に顧客サポートへ連絡するよう求めています。連絡から90日以内に書面が届かないと、資産の売却や口座の解約をすることがあると案内しています(松井証券のページ)。
NISA(少額投資非課税制度)
NISA口座は、日本国内に住む18歳以上の人が開ける口座です(金融庁の新しいNISAのページ)。
金融庁のよくある質問によると、転任の命令などのやむを得ない理由で一時的に出国する場合は、あらかじめ手続きをすれば、NISA口座の上場株式などについて、一定の期間、非課税を続けられます。ただし、出国中に新しく買うことはできません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 転任の命令などで一時的に出国する人(金融庁) |
| 出国前の手続き | 金融機関に「継続適用届出書」を出す(松井証券) |
| 続けられる期間 | 出国の届出から5年後の日が属する年の年末まで(三菱UFJ銀行) |
| 出国中の買付け | できない(金融庁) |
| 期間内に帰国したら | 期限までに帰国届を出すと、NISA口座を引き続き使える(三菱UFJ銀行) |
| 期間内に帰国しなかったら | NISA口座は廃止され、残高は一般口座に移る(三菱UFJ銀行) |
三菱UFJ銀行のページでは、期限までに帰国届が出ない場合の扱いを説明しています。マネックス証券のページでは、継続の対象を海外転勤による出国と、同行する配偶者などとしています。自分の意思での留学やボランティアなどは対象外としています。
NZに移住するなど、転勤以外の理由で出国する場合は、この仕組みを使えないことがあります。出国の日までの手続きの期限も金融機関ごとに決まっています。早めに確認してください。
長く使わない口座(休眠預金)
10年以上入出金などの取引がない預金は「休眠預金等」になります。2009年1月以降に最後の取引があった預金が対象です。休眠預金になった後も、取引のあった金融機関で引き出せます(金融庁の休眠預金のページ)。外貨預金など、対象にならない預金もあります。
手順
- 口座のある銀行・証券会社ごとに、海外に住む間も口座を持てるか、使えなくなるサービスは何かを確認する。
- NISA口座がある人は、継続の対象になるか、出国前の届出の期限はいつかを確認する。
- 国外の住所への変更、日本国内の連絡先、居住地国の異動届出書など、求められる手続きをする。
- 使わない口座は、解約するかどうかを決める。
- 日本の口座から生じる利子や配当の申告は、日本とNZの両方の扱いを確認する(海外の所得の申告)。
日本との違い・注意点
ここが日本とちがうよ!
日本の金融機関は、外国に住む口座保有者の口座情報を国税庁に報告し、その人が住む国の税務当局に提供されます(国税庁のページ)。NZの税務上の居住者になると、日本の口座の利子や配当などもNZで申告が必要になることがあります。海外の所得の申告、NZの税務上の居住者、日本とNZの租税条約を見てください。
NISAの非課税が続けられるのは、転任の命令などで一時的に出国する場合です(金融庁のよくある質問)。日本の口座からNZへお金を移す方法は海外送金を見てください。
個別の判断は口座のある金融機関、税務署、または税理士へ。
ここは大事だよ
ビザ・税・医療・法律などの制度は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の内容を確認してください。このページは一般的な情報で、個別の助言ではありません。