日本を出国するときの税金と手続き(Tax and procedures when leaving Japan)
日本からNZへ1年以上移り住む人は、市区町村に国外転出届を出します。住民税はその年の1月1日に住所があった市区町村でかかるため、出国後も納める必要があります。日本に不動産収入などが残る人は、税務署に納税管理人を届け出ます。国民年金と国民健康保険の扱いも変わります。
詳細
日本からNZへ移り住むときは、出国の前に市区町村と税務署での手続きが必要になることがあります。ここでは、住民票、住民税、所得税、国民年金、国民健康保険について、日本の公的機関の案内をまとめます。
手続きの細かい方法や期限は市区町村によって違います。必ず住んでいる市区町村の窓口やページで確認してください。
国外転出届(住民票)
海外に1年以上住む予定の人は、住んでいる市区町村に国外転出届を出します。たとえば目黒区のページでは、出国予定日の14日前から届け出られると案内しています。
日本国籍の人がマイナンバーカードを国外転出後も使うには、転出前に継続利用の手続きが必要です。詳しくはマイナンバーカードと海外在住を見てください。
住民税
総務省のページによると、個人住民税は、その年の1月1日に住所がある市区町村(都道府県)でかかります。税額は前の年(1月〜12月)の所得をもとに計算されます。
そのため、たとえば1月2日以降に出国しても、その年度の住民税は納める必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| かかる人 | その年の1月1日に市区町村に住所がある人 |
| もとになる所得 | 前の年の1月〜12月の所得 |
| 所得割の標準税率 | 10%(都道府県4%、市町村6%) |
| 納め方 | 普通徴収(自分で納める)、特別徴収(給料から差し引く) |
出国後は、市区町村から海外の住所に納税通知書を送れないことがあります。たとえば横浜市のページでは、次のように案内しています。
- 海外へ転出する前に、住民税の納税管理人を届け出る。
- 届出は出国日の10日前までに出す。
- 納税管理人は家族でなくてもよく、友人や法人でもよい。
- 納税管理人は、納税通知書を受け取り、代わりに納付し、還付金を受け取る。
届出の期限や方法、一括で納めるかどうかなどの扱いは市区町村によって違います。
所得税(納税管理人と準確定申告)
日本の所得税では、国内に住所がある人、または1年以上続けて居所がある人が「居住者」です(国税庁のNo.2875)。出国して日本に住所がなくなると、一般に「非居住者」になります。
国税庁のNo.1926によると、出国後も日本に不動産の賃貸収入など国内源泉所得がある人は、次のどちらかになります。
| 方法 | 申告の時期 |
|---|---|
| 納税管理人を定めて届け出る | 翌年2月16日〜3月15日に、納税管理人を通じて確定申告と納税をする |
| 納税管理人を定めない | 出国の時までに確定申告(準確定申告)をする。その後も国内源泉所得があれば、翌年2月16日〜3月15日に申告する |
- 納税管理人は、非居住者に代わって確定申告書の提出や納税をする人です。法人でも個人でもかまいません。
- 届け出るときは、「所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書」を納税地を所轄する税務署長に出します。
- 国内源泉所得の例として、国内の不動産の貸付けによる収入(不動産所得)や、国内の資産の譲渡があります。
申告書の提出先(納税地)は、国税庁のNo.2029で確認できます。
株式などが多い人(国外転出時課税)
国税庁のNo.1478によると、次の両方に当たる人は、出国のときに有価証券などの含み益に所得税がかかります(国外転出時課税制度)。
- 株式・投資信託などの対象資産が合計1億円以上
- 出国の日の前10年以内に、日本に住所か居所があった期間が5年を超える
条件を満たせば、最長10年間の納税猶予を受けられます(担保の提供などが必要)。
国民年金
日本国籍の人が海外に移ると、国民年金の加入は義務ではなくなります。20歳以上65歳未満であれば、任意加入できます(日本年金機構の任意加入制度のページ)。
日本年金機構の海外居住者のページによると、出国前に任意加入する場合は、住んでいる市区町村の窓口で申し込みます。保険料は、日本の親族などの協力者が代わりに納めるか、日本の口座から引き落とします。
詳しくは日本の年金と海外在住を見てください。
国民健康保険
国外転出をしてその市区町村に住所がなくなると、その市区町村の国民健康保険の資格はなくなります(江東区のページ)。転出届と別に国民健康保険の窓口での手続きが必要かどうか、保険料の精算や資格確認書などの返却の方法は、市区町村によって案内が違います(例:目黒区のページ)。住んでいる市区町村で確認してください。
NZでの医療については、GP(かかりつけ医)への登録を見てください。
手順
- 出国日と、NZにどのくらい住むか(1年以上か)を決める。
- 日本に不動産収入などが残るかを確認し、残る場合は納税管理人になってくれる人を決める。
- 市区町村に住民税の納税管理人を届け出る(期限は市区町村ごとに確認する)。
- 税務署に「所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書」を出すか、出国までに準確定申告をする。
- 市区町村に国外転出届を出す。同時に、マイナンバーカードの継続利用、国民年金の任意加入、国民健康保険の手続きを確認する。
- NZに着いたら、在留届を出す。
費用
届出そのものに手数料がかかるかどうかは、市区町村の窓口で確認してください。国民年金の保険料は日本の年金と海外在住を見てください。
日本との違い・注意点
- 住民税は1月1日の住所でかかり、前の年の所得がもとになります(総務省のページ)。出国した年も、その年度の住民税を納める必要があります。
- 納税管理人を定めずに出国する場合、所得税の準確定申告は出国の時までに済ませる必要があります(国税庁のNo.1926)。
- NZでは、日本とは別の基準で税務上の居住者かどうかが決まります。税務上の居住者と日本との租税条約も確認してください。
- 日本の所得をNZでどう申告するかは海外の所得の申告を見てください。
- この記事は制度の説明です。個別の判断は、市区町村、税務署、日本年金機構、または税理士に相談してください。