海外の収入・資産の税金(Foreign income and FIF)
NZの税務上の居住者は、原則として世界中の所得をNZで申告します。NZに送金していない海外の利子や家賃も対象です。海外の株式や投資信託の取得価額の合計がNZ$50,000を超えるとFIF(外国投資ファンド)のルールがかかります。新しく来た人は約4年間、海外の利子・配当・FIF所得などが免税になる場合があります。
詳細
NZの税務上の居住者かどうかで、課税される所得の範囲が変わります。居住者の判定は税務上の居住者を参照してください。以下は2026年10月時点のIRD(Inland Revenue、内国歳入庁)の説明です。
居住者は世界中の所得を申告する
NZの税務上の居住者は、原則として世界中の所得にNZで税金がかかります。海外の所得は、NZに持ち込んでいなくても申告が必要です。申告には個人の確定申告書(IR3)を使います。
| 海外の所得 | IRDの説明 |
|---|---|
| 給料・自営業の所得 | IR3に含める。下の一時的な免税の対象にはならない |
| 利子 | NZに持ち込んでいなくても申告する |
| 配当・株式など | 一定の額を超えるとFIFのルールがかかる(下記) |
| 家賃(海外の不動産) | 課税される。外貨建ての借入れなどには特別な扱いがある |
| 年金・退職積立金 | 多くの場合、受け取った年度に課税される(下記) |
新しく来た人の一時的な免税(transitional resident)
次の条件をすべて満たす人は、transitional residentとして、海外の所得の多くが一時的に免税になります。
- 新しい移住者か、帰国したNZ人である
- 2006年4月1日以降にNZの税務上の居住者になった
- 居住者になる前の10年間、一度もNZの税務上の居住者でなかった
免税の期間は、居住者になった月の末日から4年後までです。
| 区分 | 主な所得 |
|---|---|
| 免税になる | 海外の利子、配当、FIF所得、家賃など、海外源泉の所得の多く |
| 免税にならない | 海外で働いたことや、個人のサービスを提供したことによる所得 |
本人または(transitional residentである)パートナーがWorking for Families(Best Startを含む)を申請すると、免税は終わります。免税の所得を申告書に含めた場合なども終わり、一度終わらせると元に戻せません。詳しくはIRDの一時的な免税のページで確認してください。
FIF(外国投資ファンド、Foreign investment fund)
FIFは、海外の投資の一種です。次のようなものが含まれます。
- 外国の会社の株式
- 外国のユニット・トラスト(投資信託)
- 外国の退職積立制度(superannuation scheme)
- 外国の生命保険
FIFのルールでは、所得が投資家に割り当てられます(attributed)。そのため、実際にお金を受け取る前でもFIF所得が発生することがあります。transitional residentの間は、FIFのルールはかかりません。
NZ$50,000の基準
個人(または一定の条件を満たす信託の受託者)が持つFIFの取得価額(cost)の合計が、その年度中のどの時点でもNZ$50,000を超えなければ、FIF所得を計算する必要はありません。1日でも超えると、FIFのルールがかかります。
この場合でも、配当は所得として申告が必要です。基準を下回っていても自分でFIF所得を申告することを選べますが、その場合は次の年度以降もFIFのルールを使う必要があります。また、以前の申告書でFIF所得を申告していた人には、この基準は使えません。
主な計算方法
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 公正配当率法(FDR、fair dividend rate) | 年度初めの時価の5%に、年度中の売買の調整(quick sale adjustment)を加えた額 |
| 比較価値法(CV、comparative value) | 年度末の時価と受け取った額の合計から、年度初めの時価と取得にかかった費用の合計を引いた額 |
| 原価法(cost) | 時価がわからず、独立した評価が必要な場合に使う |
個人は、その年度のCV法の結果がFDR法より低い場合、CV法を選べます。この場合、結果がマイナスでもゼロとして扱い、ほかの所得と相殺できません。計算方法はほかにもあります。IRDには計算ツールもあります(IRDのFIF所得の計算のページ)。
主な免除
- オーストラリア証券取引所(ASX)に上場している、一定の条件を満たすオーストラリアの会社の株式。IRDに判定ツールがあります。
- 外国の退職積立制度は、2014年4月1日以降、原則としてNZの居住者である間に取得したものなどに限ってFIFのルールがかかります。
詳しくはIRDのFIFの免除のページとIRDの手引きIR461で確認してください。
海外の年金・退職積立金
| 種類 | 扱い |
|---|---|
| 定期的な年金 | 多くの租税条約では課税権がNZにあるため、多くの人は確定申告で税金を納める |
| 一時金の引き出し・移管 | 居住者になってから約4年間は課税されない。その後は、居住年数に応じた割合に課税する方法(schedule method)が基本 |
| オーストラリアの退職積立金(superannuation)の引き出し | NZでは課税されない |
詳しくはIRDの海外の退職積立金のページで確認してください。
外国税額控除(foreign tax credit)
同じ所得に2つの国で税金がかかった場合、多くの場合、外国税額控除を受けられます。確定申告書で申請し、控除できる額は次のうち最も低い金額です。
- 外国で納めた税金
- 同じ所得にNZでかかる税金
- 租税条約(DTA)で認められる額
外国で税金を納めた証拠が必要です。租税条約のない国でも、その国の税金がNZの所得税と実質的に同じ性質のものであれば、通常は控除を受けられます。日本との条約は日本との租税条約と二重課税を参照してください。
手順
- 税務上の居住者のページで、NZの居住者になった日を確認する。
- transitional residentの免税の対象か、いつまで続くかを確認する。
- 海外の預金、株式、投資信託、不動産、年金を一覧にし、取得価額と年度初めの時価を記録する。
- FIFの取得価額の合計がNZ$50,000を超えるかどうかを、年度を通して確認する。
- 申告が必要な場合は、myIRで個人の確定申告書(IR3)を出す。外国で納めた税金の証拠を保管しておく。
日本との違い・注意点
- NZでは、海外の株式などを売らずに持っているだけでも、FIF所得として課税されることがあります。
- NZ$50,000の基準は時価ではなく取得価額の合計で、年度中に1日でも超えると対象になります。
- Working for Familiesを申請すると、transitional residentの免税が終わります。申請の前に影響を確認してください。
- 日本を離れるときの日本側の手続きは日本を離れるときの税金を参照してください。
- FIFの計算や申告の要否は個別の事情で変わります。IRDか税理士(tax agent)に確認してください。