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日本との租税条約と二重課税(Japan–New Zealand Double Tax Agreement)

在住駐在
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概要

日本とNZの間では、2012年12月10日に署名され2013年10月25日に発効した租税条約が使われています。両国で居住者になったときの判定ルール、短期の勤務の扱い、二重課税を除く方法などを定めています。NZの居住者が日本で納めた税金は、条件を満たせばNZの税金から差し引けます。

詳細

租税条約(double tax agreement、DTA)は、同じ所得に2つの国で税金がかかること(二重課税)を防ぐための国どうしの取り決めです。ここでは、日本とNZの条約のうち個人に関わりやすい部分を説明します。

いま使われている条約

項目内容
署名2012年12月10日
発効2013年10月25日
NZでの適用開始源泉税は2014年1月1日から。所得税は2014年4月1日以後に始まる所得年度から
日本での適用開始源泉税は2014年1月1日から。所得税は2014年1月1日以後に始まる課税年度から

この条約は、1963年の条約と1967年の議定書に代わるものです。さらに、BEPS防止措置実施条約(MLI)も両国の間で適用されています。条約の英文はIRDの租税条約のページで読めます。日本側の情報は財務省の租税条約の一覧にあります。

両方の国で居住者になった場合の判定(第4条)

日本とNZでは、居住者の基準が違います。そのため、両方の国でそれぞれ居住者になることがあります。NZの基準は税務上の居住者を参照してください。

この場合、条約の第4条第2項により、次の順で条約上どちらの国の居住者とするかを決めます。

  1. 恒久的住居(permanent home)がある国
  2. 両方の国にある場合は、個人的・経済的な関係がより密接な国(重要な利害関係の中心、centre of vital interests)
  3. 上の方法で決まらない場合は、常用の住居(habitual abode)がある国
  4. 両方にある、またはどちらにもない場合は、国籍のある国
  5. 両方の国籍がある、またはどちらの国籍もない場合は、両国の税務当局の協議で決める

IRDは、二重居住者でも、条約以外の目的ではそれぞれの国の居住者のままであると説明しています。

短期の勤務の扱い(第14条)

給料は原則として、住んでいる国(居住地国)で課税されます。ただし、もう一方の国で働いた分は、その国でも課税できます(第14条第1項)。

第14条第2項では、次の3つをすべて満たすと、もう一方の国で働いた分の給料は居住地国だけで課税されると定めています。

  • 働く国での滞在が、その課税年度に始まるか終わる12か月の間で、合計183日を超えない
  • 給料を払う雇用主が、働く国の居住者でない
  • 給料を、雇用主が働く国に持つ恒久的施設(permanent establishment)が負担していない

第14条は、第15条・第17条(年金)・第18条の規定が優先するとしています。これらに当たる所得は別の扱いになります。

学生・事業修習者(第19条)

教育や訓練だけを目的にもう一方の国に滞在する学生・事業修習者が、生活費や学費のために受け取る支払いは、その国の外から支払われる場合、滞在している国では課税されません。事業修習者は、訓練を始めてから1年以内に限られます。

配当・利子・使用料

財務省によると、この条約で源泉税の上限は次のようになりました。

所得源泉税の上限
配当議決権10%以上の場合などは免税、その他は15%
利子政府・銀行などが受け取る場合は免税、その他は10%
使用料5%

細かい条件は財務省の新租税条約のポイントと条約の本文で確認してください。

NZでの二重課税の除き方(第24条第2項)

NZの居住者が日本の所得について日本で税金を納めた場合、条約に沿って納めた日本の税金は、その所得にかかるNZの税金から差し引けます(外国税額控除、foreign tax credit)。NZの国内法の規定に従います。

IRDによると、差し引ける額は次のうち最も低い金額です。

  • 外国で納めた税金
  • 同じ所得にNZでかかる税金
  • 租税条約で認められる額

外国税額控除は確定申告書(IR3)で申請し、外国で税金を納めた証拠が必要です。手続きはIRDの租税条約とNZ居住者のページで確認してください。

日本での二重課税の除き方

日本の居住者が外国の法令で所得税を納めた場合は、一定の限度額まで日本の所得税から差し引ける外国税額控除があります。確定申告書などに「外国税額控除に関する明細書(居住者用)」を添付して申請します(国税庁のページ)。

両国の税務当局の協議(第26条)

条約に合わない課税を受けた、または受けそうなときは、相互協議(mutual agreement procedure)を申し立てられます。財務省によると、この条約では、相互協議で2年以内に解決しない場合、納税者の要請により仲裁で解決する仕組みも設けられています。

手順

  1. 税務上の居住者のページで、NZの居住者になるかどうかを確認する。
  2. 日本側でも居住者になるかを、税務署か日本の税理士に確認する。
  3. 両方で居住者になる場合は、条約第4条の判定を税理士などと確認する。
  4. 日本で税金を納めた所得がある場合は、納税を示す書類を保管する。
  5. NZの確定申告書(IR3)で外国税額控除を申請する。

日本との違い・注意点

  • 日本の所得税では、「国内に住所を有し、または、現在まで引き続き1年以上居所を有する個人」が居住者です(国税庁のページ)。NZとは基準が違うため、両方で居住者になることがあります。
  • 条約の183日の基準(第14条)は、NZの税務上の居住者の183日ルールとは別のものです。数え方や条件が違います。
  • 条約が適用されるかどうかは、個別の事情で変わります。この記事は制度の説明であり、個別の判断には使えません。
  • 具体的な税額や申告方法は、IRDか税理士(tax agent)、日本側は税務署か日本の税理士に確認してください。

関連項目

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