公営住宅と住宅手当(Public housing / Accommodation Supplement)
ひとことで言うと…
NZの公営住宅(public housing)は、Kāinga Oraやコミュニティ住宅事業者が提供し、申込みはWork and Incomeで行います。対象はNZ市民や、居住ビザ取得後2年以上NZに住んでいる人などで、収入・資産と住まいの必要性で審査されます。民間の賃貸に住む人向けの住宅手当(Accommodation Supplement)もあわせて説明します。
詳細
公営住宅(public housing、social housing とも呼ばれる)は、民間の賃貸を借りるのが難しい人のための、政府の補助がある賃貸住宅です。家主になるのは、カインガ・オラ(Kāinga Ora – Homes and Communities、旧Housing New Zealand)と、ほかのコミュニティ住宅事業者(Community Housing Providers)です。
申込みと審査は、社会開発省(MSD)のWork and Incomeが行います。対象と認められると、住宅の登録簿(social housing register)に載り、事業者から物件の案内が届きます。Kāinga Oraは、入居が決まった人の賃貸を管理します(Kāinga Oraのページ)。
公営住宅の対象
2026年10月時点の主な条件です。
年齢:16歳以上
居住の条件(次のいずれか)
- NZ市民
- 居住ビザ(resident visa)または永住ビザ(permanent resident visa)を持ち、取得後2年以上続けてNZに住んでいる
- Immigration NZに難民(refugee)または保護対象者(protected person)と認められている
- そのほか、Christchurch Response Visaを持つ人、家庭内暴力に関する特別な補助(Special Needs Grant)を受けている人など
主な給付金(main benefit)を受けている人は、居住の条件を満たしているとされます。
収入と資産の目安(税引き後の週収)
| 世帯 | 収入 | 現金などの資産 |
|---|---|---|
| 単身(子どもなし) | 週NZ$832.72未満 | NZ$42,700未満 |
| パートナーまたは子どもがいる | 週NZ$1,281.12未満 | NZ$42,700未満 |
上限を超えていても、状況によって対象になることがあります。
住まいの必要性(serious housing need)
今の住まいの状態(基本的な設備、過密、契約の安定性)、安全や健康上の必要に合っているか、民間の賃貸を払えるか、民間で合う住まいを見つけられるか、などで判断されます。
詳しくはWork and Incomeのページで確認してください。
申込みと面談
- Work and Income(0800 559 009)に電話します。NZ SuperやVeteran’s Pensionを受けている人は、Senior Services(0800 552 002)に連絡します。
- 住まいの審査の面談(約1時間)があります。多くは電話で、対面も選べます。
- 面談では、住める地域を3つ以上挙げます。
- 本人確認の書類(出生証明書、パスポート、運転免許証など)、過去52週分の収入の書類、資産の評価、自営業の決算書、信託の書類、扶養する子どもの出生証明書などが必要です。
詳しくは申込みのページで確認してください。
待っている間
- 必要性が高い人から優先されます。待つ期間は決まっておらず、緊急性、物件の空き、必要な条件、ほかの申込者の状況によって変わります。
- 住所、電話番号、収入、家族の状況が変わったら、すぐに0800 673 468に連絡します。
- MSDから電話やMyMSDで状況の確認があった場合、返事をしないと申込みが取り消されることがあります。
- 待っている間も、民間の賃貸を探し続けるよう案内されています。
詳しくは待機中のページにあります。
物件の案内と入居
- 事業者から物件の案内があり、内見の日程を決めます。合えば賃貸契約に署名して入居します。
- 体が不自由で使えないなど、正当な理由があれば案内を断れます。正当な理由なく断ると、対象かどうかが見直されます。
- 対象である間は住み続けられます。住んでいる間も、状況が変わったらすぐに知らせる必要があり、契約が見直されることがあります。
入居のページと公営住宅での暮らしのページが詳しいです。
公営住宅の家賃(Income Related Rent)
公営住宅の家賃は、本人と同居する人の収入に基づいて決まります。これを所得連動家賃(Income Related Rent)といい、残りは政府が払います。2026年10月時点の計算方法は次のとおりです。
| 世帯 | 週収の基準額(税引き後) |
|---|---|
| 単身・子どもなし・一人暮らし | NZ$555.15 |
| 単身で子どもあり、またはパートナーあり | NZ$854.08 |
| パートナーではない大人が複数 | NZ$854.08 |
- 世帯の週収が基準額以下:週収の25%
- 世帯の週収が基準額を超える:基準額の25%に、超えた分の50%を足した額
- 計算した額が物件の相場家賃より高い場合は、相場家賃だけを払います。
- 世帯の状況に応じた最低額があります。
収入には、給与、給付金、NZ Super、Student Allowance、育児休業の手当、養育費、資産からの収入(貸している不動産の収入や預金の利息など)が含まれます。詳しくは家賃の計算のページを参照してください。
住宅手当(Accommodation Supplement)
住宅費を補助する手当です。公営住宅に住んでいない人が対象です。2026年10月時点の主な条件です。
- 一定額以上の住宅費を払っている
- 16歳以上
- NZ市民か永住者(permanent residency)で、普段NZに住み、住み続けるつもりである
- 公営住宅(Kāinga Oraや認定されたコミュニティ住宅事業者の物件)を借りていない
- 収入、資産、下宿人などから受け取るお金によって決まる
| 世帯 | 資産の上限 |
|---|---|
| 単身 | NZ$8,100 |
| 夫婦・パートナー、またはひとり親 | NZ$16,200 |
週あたりの最大額は、世帯と地域(Area 1から4)によって違います。
| 世帯 | Area 1 | Area 2 | Area 3 | Area 4 |
|---|---|---|---|---|
| 単身(16歳以上) | NZ$165 | NZ$105 | NZ$80 | NZ$70 |
| 夫婦・パートナー(子どもなし) | NZ$235 | NZ$155 | NZ$105 | NZ$80 |
| 夫婦・パートナー(子どもあり) | NZ$305 | NZ$220 | NZ$160 | NZ$120 |
| ひとり親(子ども1人) | NZ$235 | NZ$155 | NZ$105 | NZ$80 |
| ひとり親(子ども2人以上) | NZ$305 | NZ$220 | NZ$160 | NZ$120 |
申込みは、MyMSD(オンライン)、紙の申込書(Extra Help application form)、サービスセンターでできます。最初に連絡した日から20営業日以内に申込みを終えると、その連絡日から支給の対象になります。詳しくは住宅手当のページにあります。
家賃が払えなくなったときの補助は家賃の滞納を見てください。
手順
- Work and Income(0800 559 009)に電話し、住まいの状況を相談する。
- 住まいの審査の面談を受ける。住める地域を3つ以上考えておく。
- 本人確認、収入、資産などの書類を用意する。
- 対象と認められたら、登録簿に載り、物件の案内を待つ。状況が変わったら連絡する。
- 案内された物件を内見し、合えば賃貸契約に署名する。
費用
公営住宅の家賃は、上の所得連動家賃の計算で決まります(2026年10月時点)。計算した額が相場家賃より高い場合は、相場家賃が上限です。
日本との違い・注意点
ここが日本とちがうよ!
- 公営住宅の申込み窓口は、Kāinga Oraではなく、Work and Incomeです。
- 居住ビザや永住ビザの人は、取得後2年以上続けてNZに住んでいることが条件の1つです。一時的なビザ(就労ビザ、学生ビザ、ワーキングホリデーなど)は、居住の条件の一覧に含まれていません。
- 住宅手当の居住の条件は、NZ市民か永住者です。公営住宅に住んでいる人は住宅手当の対象外です。
- 登録簿に載っても、待つ期間は決まっていません。民間の賃貸も探し続けるよう案内されています。
- 住む場所がなく緊急の場合の住まいは、Kāinga OraではなくMSDが手配します。
- 対象になるかどうかは個人の状況で決まります。判断はWork and Income、市民相談所(Citizens Advice Bureau)に相談してください。
ここは大事だよ
ビザ・税・医療・法律などの制度は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の内容を確認してください。このページは一般的な情報で、個別の助言ではありません。