家賃の滞納(Rent arrears)
期日に払われていない家賃を滞納(rent arrears)といい、契約と住宅賃貸法の違反になります。滞納が21日以上になったときや、90日間に3回、5営業日以上の遅れがあったときは、家主がTenancy Tribunalに契約の終了を申し立てられます。払えないときは早めに家主に連絡し、Work and Incomeの支援も確認してください。賃貸に住む人向けです。
詳細
期日に払うはずの家賃が払われていない状態を、家賃の滞納(rent arrears)といいます。滞納は、賃貸契約と住宅賃貸法(Residential Tenancies Act 1986)の両方に違反します。入居中の権利と義務の全体はテナント法の基本を見てください。
誰が払う責任を負うか
- 家賃を払う法的な責任は、契約書にテナントとして名前のある人にあります。
- テナントが複数いる場合、1人が払わなかったときでも、滞納分は全員の連帯責任になります。
フラットシェアでの立場の違いはフラットシェアを見てください。
家主がとれる手続き
2026年10月時点の主な決まりです。
| 状況 | 家主がとれる手続き |
|---|---|
| 滞納が21日未満 | 14日間の是正通知(14-day notice to remedy)を出せる |
| 滞納が21日以上 | Tenancy Tribunalに契約の終了を申し立てられる(法律第55条1項(a)) |
| 90日間に3回、家賃が5営業日以上払われなかった(毎回書面で通知) | 期間の定めのない契約(periodic tenancy)の終了をTribunalに申し立てられる(法律第55条1項(aa)) |
まずは話し合いが基本です。家主は、テナントに連絡して支払いの計画(payment plan)を相談できます。たとえば、毎回の家賃に少しずつ上乗せして、滞納分を返していく方法です。合意した内容は書面に残します。詳しくはTenancy Servicesのページで確認してください。
「90日間に3回」の決まり
2021年2月11日から始まった決まりです。
- 家賃が5営業日以上払われないたびに、家主は書面の通知(notice of overdue rent)を出す必要があります。
- 通知には、滞納額、滞納している期間、テナントがTribunalに異議を申し立てられること、同じ90日間に出したほかの通知の数を書きます。
- 家主は、3回目の通知から28日以内にTribunalに申し立てます。
- テナントは、通知に異議があればTribunalに申し立てられます。家賃の遅れが5営業日に満たなかったことや、通知の内容が決まりを満たしていないことを示します。
詳しくはTenancy Servicesのファクトシートで確認してください。
調停の命令を守らなかった場合
調停(mediation)で決めた支払いの約束が、Tribunalの封印(seal)付きの命令になることがあります。この命令をテナントが守らないと、通常は契約が終わり、滞納分はすぐに払う必要があります。詳しくはTribunalの決定のページで確認してください。
Work and Incomeの支援
払えなくなったときに、Work and Incomeで次の支援を受けられることがあります。2026年10月時点の内容です。
| 支援 | 内容 |
|---|---|
| 住宅手当(Accommodation Supplement) | 家賃などの住宅費を続けて補助する。給付金を受けていない人も申し込める。返済は不要。公営住宅に住む人は対象外 |
| 住居費滞納の補助(Accommodation Costs Arrears Grant) | 滞納で住まいを失うおそれがある人向け。賃貸の場合は Rent Arrears Grant とも呼ばれる。最大で住居費4週分。返済が必要 |
| 急な出費の支援 | 食費や電気代などの必要な支払いに家賃のお金を使ってしまった場合の支援 |
住宅手当の主な条件は、16歳以上で、NZ市民か永住者としてNZに住んでいることです。収入と資産の審査があり、資産の上限は単身NZ$8,100、夫婦またはひとり親NZ$16,200です。詳しくは住宅手当のページで確認してください。
住居費滞納の補助の主な条件は次のとおりです。
- 主な給付金・NZ Super・退役軍人年金を受けているか、NZ市民・居住クラスのビザを持つ人などとしてNZに普段住んでいること
- 先に家主と支払いの計画を相談していること
- 収入(税引き前の週収)と資産が上限より少ないこと。たとえば単身は週NZ$1,353未満、資産NZ$8,100未満
- 12か月に2回まで(重い病気・けが・家庭内暴力などの例外あり)
申し込みは0800 559 009(NZ SuperやVeteran’s Pensionを受けている人は0800 552 002)に電話します。家主やTenancy Servicesなどからの、滞納を示す書類が必要です。詳しくはWork and Incomeのページで確認してください。
手順
家賃が払えない、または払えなくなりそうなときの一般的な流れです。
- すぐに家主(または管理会社)に連絡し、事情を正直に伝える。
- 全額が無理でも、払える分だけ払う。払わないよりも一部でも払う方がよいと、Tenancy Servicesは案内しています。
- 支払いの計画を家主と相談し、合意した内容を書面に残す。
- Work and Incomeの住宅手当や滞納の補助を受けられるか確認する。家計の相談サービス(budgeting services)を使うこともできます。
- 今の家賃を払い続けられるか見直す。
- 話し合いで解決しなければ、調停やTenancy Tribunalの手続きを使う。
日本との違い・注意点
- 滞納が21日以上になると、家主はTribunalに契約の終了を申し立てられます。遅れそうなときは、期日の前に連絡してください。
- 少額でも、5営業日以上の遅れを90日間に3回くり返すと、契約の終了を申し立てられることがあります。自動振替(automatic payment)の設定や口座残高を確認してください。
- テナントが複数いる契約では、ほかのテナントの滞納分も責任を負います。
- 家主が修理をしないことを理由に、家賃の支払いを止めることはできません。是正通知やTribunalの手続きを使います。
- 支援を受けられるかは、ビザや収入によって違います。個別の判断はWork and Income、Tenancy Services(0800 836 262)、市民相談所(Citizens Advice Bureau)に相談してください。