家賃の値上げと相場家賃(Rent increases and market rent)
NZの賃貸の家賃は、入居から12か月、前回の値上げから12か月たつまで上げられません。値上げには60日前までの書面の通知が必要です(ボーディングハウスは28日前)。家賃が相場より大幅に高いときは、Tenancy Tribunalに申し立てられます。賃貸に住む人と家主向けです。
詳細
NZの賃貸の家賃の値上げは、住宅賃貸法(Residential Tenancies Act 1986)で回数と通知の方法が決められています。入居中の権利と義務の全体はテナント法の基本を見てください。
値上げの決まり
2026年10月時点の主な決まりです。
| 項目 | 決まり |
|---|---|
| 値上げできる時期 | 入居から12か月以上たち、かつ前回の値上げから12か月以上たっていること |
| 通知 | 60日前までに書面で通知する |
| ボーディングハウス(boarding house)の通知 | 28日前までに書面で通知する |
| 通知に書くこと | 新しい家賃の額と、値上げが始まる日 |
| 定期契約(fixed-term)の期間中 | 契約書に値上げの定めがある場合だけ値上げできる |
- 60日前の通知は、12か月たつ前に出すことができます。ただし、値上げが始まるのは12か月たってからです。
- 家主は通知の写しを保管しておくよう案内されています。
詳しくはTenancy Servicesのページで確認してください。ボーディングハウスのほかの決まりはボーディングハウスを見てください。
通知が届いたとみなされる日
通知の期間は、通知が届いたとみなされる日の翌日から数えます。届いたとみなされる日は、渡し方によって違います。
| 渡し方 | 届いたとみなされる日 |
|---|---|
| 手渡し | その場で |
| 郵便受けに入れる、ドアに貼る | 2営業日後 |
| 郵送 | 投函から4営業日目 |
| メールなど(17時より前) | 同じ日 |
| メールなど(17時以降) | 翌営業日 |
営業日は月曜日から金曜日で、祝日は除きます。通知の期間(60日など)は土日も含めて数えます。詳しくは通知の渡し方のページで確認してください。
通知に誤りがあったとき
家主の通知が決まりを満たしていなかった場合、家主は次のいずれかをします。
- 正しい通知を出し直す
- テナントに、通知の期間を延ばすことへの同意を求める
- テナントが同意しない場合、Tenancy Tribunalに期間の延長を申し立てる
12か月を待たずに値上げできる場合
家主とテナントが合意すれば、次のような場合は12か月の制限の外で値上げできます。
- 家主が物件を改良し、テナントにとっての価値が上がった場合(例:テナントが使える車庫を作った)
- 設備を良くした場合
- 契約の内容をテナントに有利なように変えた場合
家賃の値下げ
- 家主とテナントは、期間を決めて家賃を一時的に下げることに合意できます。
- 家賃が同じ地域の似た物件より大幅に高いと考える場合、テナントは家主に値下げを相談できます。家主が応じなければ、Tenancy Tribunalに申し立てられます。
- 定期契約の場合、相場家賃の見直しの申立は、入居から3か月以内か、前回の家賃見直しから3か月以内に限られます。
申立の方法はテナンシー審判所と調停を見てください。
相場家賃(market rent)を調べる
Tenancy Servicesのウェブサイトに、相場家賃を調べるツール(Market rent)があります。
- 地域を入力すると、週あたりの家賃が表示されます。
- 物件の種類(アパート、ボーディングハウス、フラット、一戸建て、部屋)と寝室の数で分かれています。
- 下位25%(lower quartile)、中央値(median)、上位25%(upper quartile)と、預けられているボンドの件数が表示されます。
- データは、Tenancy Servicesに預けられたボンドの情報で、直近の月を除く過去6か月分です。毎月更新されます。
- Tenancy Servicesは、このツールだけで物件の相場家賃を決めないよう注意しています。
詳しくは相場家賃のページで確認してください。
値上げとボンド
家賃が上がると、家主はボンドの追加を求めることができます。追加分は23営業日以内にTenancy Servicesに預けます。詳しくはボンドを見てください。
入居時の家賃の決まり
- 賃貸物件の広告には、家賃の額を必ず書きます。
- 家主が、広告の額より高い家賃を出すよう入札(rental bidding)を募ったり、促したりすることは禁止されています。テナント側から自分で高い額を申し出ることはでき、家主はそれを受け入れられます。
- 前払いの家賃として求められるのは、支払いの間隔に応じて1週分か2週分までです。2週分を超えて求めることは違法です。
詳しくは家賃の請求のページで確認してください。
手順
値上げの通知を受け取ったときの一般的な流れです。
- 通知が書面か、新しい家賃と開始日が書かれているかを確認する。
- 入居日と前回の値上げの日から、12か月たっているかを確認する。
- 届いたとみなされる日から60日以上あるかを数える(ボーディングハウスは28日)。
- 定期契約なら、契約書に値上げの定めがあるかを確認する。
- 相場家賃のツールで、同じ地域の似た物件の家賃を調べる。
- 疑問があれば家主と話し合う。解決しなければ、Tenancy Servicesに相談するか、Tenancy Tribunalへの申立を検討する。
費用
2026年10月時点の金額です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| Tenancy Tribunalの申立手数料 | NZ$29 |
家賃の支払いが難しくなったときの支援は家賃の滞納を見てください。
日本との違い・注意点
- 値上げは、法律で12か月に1回まで、60日前の書面の通知が必要と決まっています。口頭だけの通知は決まりを満たしません。
- 通知の期間は、通知が届いたとみなされる日の翌日から数えます。郵送の場合は届くまでの日数も考えます。
- 物件探しで、家主が広告の家賃より高い額を出すよう入札を募ったり促したりすることは禁止されています。
- 値上げが正しいかなど個別の判断は、Tenancy Services、市民相談所(Citizens Advice Bureau)などに相談してください。