リタイアメント・ビレッジ(Retirement villages)
ひとことで言うと…
リタイアメント・ビレッジは、主に高齢者が暮らす住宅の集まりで、Retirement Villages Act 2003で規制されています。入居者は運営者と居住権契約(ORA)を結び、署名の前に独立した弁護士の助言を受けることが義務です。登録されたビレッジには原則として法定監督人(statutory supervisor)が置かれます。
詳細
リタイアメント・ビレッジ(retirement village)は、主に高齢者が暮らす住宅の集まりです。法律はRetirement Villages Act 2003(リタイアメント・ビレッジ法)で、登録されたビレッジはすべてこの法律に従う必要があります。
制度を見守っているのは、政府機関のリタイアメント委員会(Te Ara Ahunga Ora Retirement Commission)です。法律や規則、行動規範(Code of Practice)の運用を監視し、大臣への助言や一般向けの情報提供をしています。
介護が必要になったときの老人ホームなどは別の制度です。高齢者の介護を見てください。
法律と規則
| 名前 | 内容 |
|---|---|
| Retirement Villages Act 2003 | ビレッジの登録、居住権契約、苦情・紛争の解決、法定監督人などを定める法律 |
| Retirement Villages (General) Regulations 2006 | 開示書類や居住権契約の内容、登録、法定監督人について定める |
| Retirement Villages (Disputes Panel) Regulations 2006 | 紛争パネルの手続きを定める |
| Code of Practice(行動規範) | 運営者が守るべき最低限の運営基準と手続き |
| Code of Residents’ Rights(入居者の権利の規範) | 入居者の基本的な権利をまとめたもの。法律の別表4(Schedule 4) |
居住権契約(ORA)
入居するときは、運営者と居住権契約(occupation right agreement、ORA)を結びます。リタイアメント委員会によると、署名の前に、入居予定者全員が独立した弁護士の助言を受けることが義務です。弁護士と確認する書類は次の4つです。
- 開示書類(disclosure statement)
- 居住権契約(ORA)
- 行動規範(Code of Practice)
- 入居者の権利の規範(Code of Residents’ Rights)
ORAには、週ごとの費用(weekly fees)、値上がり益(capital gain)を入居者が受け取るかどうか、退去時の繰延管理費(deferred management fee)などの条件が書かれます。退去したときにお金が返される時期も、ビレッジとの契約によって違います。ORAにはクーリングオフ期間(cooling-off period)もあります。
入居者の権利の規範(Code of Residents’ Rights)
運営者は、入居予定者に開示書類と一緒にこの規範を渡す必要があります。主な権利は次の8つです。
| 権利 | 内容 |
|---|---|
| 搾取されない権利 | 運営者や職員、サービス提供者に搾取されない |
| 支援者・代理人 | 運営者や他の入居者とのやり取りに、支援者や代理人を同席させられる(費用は本人負担) |
| 紛争の解決 | 速やかで効率的な紛争解決の手続きを使える |
| 情報 | 居住の条件に影響する事柄の情報を受け取れる |
| 苦情 | 運営者に苦情を言い、妥当な期間内に回答を受けられる |
| 協議 | 居住や支払い能力に影響する変更について、運営者から協議を受けられる |
| サービス | ORAで約束されたサービスを受けられる |
| 礼儀と尊重 | 運営者や職員から礼儀正しく扱われ、権利を尊重される |
全文はリタイアメント委員会の規範のPDFで読めます。
登録と法定監督人
- ビレッジは登録が義務です。ビレッジの土地の権利証には覚書(memorial)が登録され、入居者の同意なしにビレッジを廃止できないようになっています。
- 登録されたビレッジには、運営を見守る法定監督人(statutory supervisor)が置かれます。入居者の利益を守るための法律上の義務ですが、運営者は免除を申請することもできます。
- 法定監督人の免許は、金融市場庁(Financial Markets Authority、FMA)が記録しています。
ビレッジの登録情報は、Companies Officeのリタイアメント・ビレッジの登録簿で検索できます。
手順
入居を考えるとき
- Companies Officeの登録簿で、ビレッジが登録されているかを確認する。
- 運営者から開示書類、ORA、行動規範、入居者の権利の規範を受け取る。
- 独立した弁護士に4つの書類を説明してもらう。費用、値上がり益、繰延管理費、退去時の返金の時期を確認する。
- 納得してからORAに署名する。
苦情があるとき
リタイアメント委員会の案内による流れです。
- まず運営者に非公式に相談する。
- 解決しなければ、書面で正式な苦情を出す。最初から正式な苦情を出すこともできます。運営者は20営業日以内に回答し、解決に努める必要があります。
- 20営業日たっても解決しない場合は、法定監督人や調停人(mediator)に進むことができます。
- 正式な苦情から20営業日たっても解決しない場合、入居者はいつでも紛争通知(dispute notice)を出して、紛争パネルに申し立てられます。
運営者は苦情の手続きを書面にして、共用部分とウェブサイトに掲示する必要があります。詳しくはリタイアメント委員会の苦情と紛争のページで確認してください。
日本との違い・注意点
ここが日本とちがうよ!
- 入居者が結ぶのは居住権契約(occupation right agreement)で、費用や返金などの条件は契約ごとに違います。
- 賃貸住宅のテナント法(テナント法)とは別の法律で規制されています。
- 退去時の返金の時期や繰延管理費は契約によって違うため、署名の前に弁護士とよく確認してください。
- 問い合わせは、リタイアメント委員会(09 356 0052、office@retirement.govt.nz)にできます。
- 入居の判断は、弁護士やリタイアメント委員会に相談してください。
ここは大事だよ
ビザ・税・医療・法律などの制度は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の内容を確認してください。このページは一般的な情報で、個別の助言ではありません。