賃貸の探し方と契約(Renting a home / Tenancy agreements)
NZで家や部屋を借りるときの基本です。契約は書面で結び、ボンド(保証金)は家賃4週分まで、前払い家賃は2週分までです。仲介手数料(letting fee)の請求は禁止されています。
詳細
NZの住宅の賃貸は、住宅賃貸法(Residential Tenancies Act 1986)で決められています。政府の窓口はテナンシー・サービス(Tenancy Services)です。
この法律が守るのは、家主(landlord)と契約書に署名したテナント(tenant)です。契約書に名前のないフラットメイトは対象外です(フラットシェア)。学生寮の一部、ホテル・モーテル、ホリデーホームなども対象外です。詳しくはTenancy Servicesのページで確認してください。
物件の申し込み
申し込みでは、次のものを求められることがあります。
- 申込書(pre-tenancy application form)
- 前の家主や勤務先などの推薦者(referee)
- 収入の証明(給与明細など)
- 信用調査(credit check)への同意
- 写真付きの身分証明書
家主は、賃貸に関係のない個人情報(政治的意見、交際の状況、性的指向など)を聞くことはできません。詳しくはConsumer Protectionのページで確認してください。
契約書(tenancy agreement)
- 契約書は書面で作ります。家主は、入居前に署名済みの写しをテナントに渡します。
- 書面がなくても、住宅賃貸法は適用されます。
- 契約書には、家賃、ボンドの額、設備の一覧、断熱の状況の説明(insulation statement)、ヘルシーホーム基準の遵守に関する署名入りの説明(healthy homes compliance statement)などを書く決まりです。
- 契約には期間を決める「定期契約(fixed-term)」と、期間を決めない「期間の定めのない契約(periodic)」があります。
必要な記載事項はTenancy Servicesのページで確認してください。
ボンド(bond、保証金)
2026年10月時点の決まりです。
- 一般のボンドは、最大で家賃4週分です。
- ボンドはお金で支払います。クレジットカード情報や私物を担保にすることはできません。
- 家主はボンドを受け取ってから23営業日以内に、Tenancy Servicesに預ける(lodge)必要があります。家主が自分で持っておくことはできません。
- 退去時に未払いの家賃や損傷がなければ、ボンドは返金されます。もめた場合は、調停やテナンシー審判所(Tenancy Tribunal)で解決します。
詳しくはボンドの上限のページとボンドを預ける期限のページで確認してください。
家賃
2026年10月時点の決まりです。
- 前払い家賃(rent in advance)は、最大で2週分です。それ以上を求めることは違法です。
- 家主は、家賃の競り上げ(rental bidding)を募ることはできません。広告には家賃の額を書く必要があります。
- 家賃の値上げは、入居から12か月後以降で、前回の値上げから12か月以上たっている場合に限られます。
- 値上げには、60日前までの書面での通知が必要です。
- 定期契約の期間中は、契約書に値上げの定めがある場合だけ値上げできます。
- 値上げの額に法律上の上限はありません。
仲介手数料(letting fee)の禁止
2018年12月12日から、不動産業者などがテナントに仲介手数料を請求することは禁止されています。広告、内見、入居者の審査などの費用が対象です。詳しくはTenancy Servicesのページで確認してください。
ヘルシーホーム基準(Healthy Homes Standards)
2025年7月1日から、全ての賃貸住宅がヘルシーホーム基準を満たす必要があります。基準は次の5つです。
- 暖房(heating)
- 断熱(insulation)
- 換気(ventilation)
- 湿気の侵入と排水(moisture ingress and drainage)
- すきま風の防止(draught stopping)
基準を守る責任は家主にあります。詳しくはTenancy Servicesのページで確認してください。
契約の終わり方(通知期間)
2025年1月30日から、契約の終了に関する決まりが変わりました。2026年10月時点の主な内容は次のとおりです。
| 場面 | 必要な通知 |
|---|---|
| テナントが期間の定めのない契約を終える | 21日前 |
| 家主が理由なしで期間の定めのない契約を終える | 90日前 |
| 家主が特定の理由(家主が住む、売却が無条件で成立した など)で終える | 42日前(条件あり) |
| 定期契約を期間満了で終える | 満了日の90日前から21日前までに通知 |
定期契約は、どちらも通知しなければ、満了後に期間の定めのない契約に自動で切り替わります。テナントが権利を主張したことへの報復として家主が終了を通知した場合、テナントはTenancy Tribunalで争うことができます。詳しくはTenancy Servicesのページで確認してください。
ペット
2025年12月1日から、ペットに関する決まりが変わりました。2026年10月時点の主な内容は次のとおりです。
- 家主がペットを認めない場合は、正当な理由が必要です。理由がないと、最大NZ$1,500の罰金の対象になることがあります。
- 家主がペットを認める条件として、ペット用のボンド(pet bond)を求めることがあります。上限は家賃2週分です。
- 介助犬(disability assist dog)には、ペット用のボンドを求められません。
詳しくはペット用ボンドのページとペットを断れる場合のページで確認してください。
トラブルの解決
まずは家主とテナントで話し合います。解決しない場合は、調停(mediation)を利用したり、Tenancy Tribunalに申し立てたりできます。申し立てはオンラインで行います。
手順
- 予算を決め、入居時に必要な金額(ボンド、前払い家賃、引っ越し費用など)を計算する。
- 物件を探し、内見する。申し込みに必要な書類を前もって用意しておく。
- 契約書をよく読んでから署名し、署名済みの写しを受け取る。
- 入居時に家主と一緒に物件の状態を確認し、検査報告書(property inspection report)に記録する。写真も撮っておく。
- ボンドを支払い、Tenancy Servicesから届くボンドの通知を保管する。
- 電気・ガス・インターネットなどを契約する(電気・ガスの契約)。
費用
2026年10月時点の決まりです。
- ボンド:最大で家賃4週分
- 前払い家賃:最大で2週分
- 仲介手数料:請求は禁止
- Tenancy Tribunalの申立手数料:NZ$29(2026年7月1日から)
Tenancy Servicesの例では、家賃が週NZ$500の場合、ボンド4週分(NZ$2,000)と前払い家賃2週分(NZ$1,000)で、入居時にNZ$3,000が必要です。申立手数料はTenancy Servicesのページで確認してください。
日本との違い・注意点
- 日本の礼金や仲介手数料にあたる費用は、テナントに請求できません。
- ボンドは家主ではなくTenancy Servicesが預かります。退去時の返金で、白紙の返金申請書に署名しないでください。家主が後から金額を書き込めるためです。
- 家具や家電(chattels)が付くかどうかは物件によります。契約書の一覧で確認してください。
- 契約書に名前がないと、住宅賃貸法の保護を受けられません。
- 法律は改正が続いています。契約の前にTenancy Servicesで最新の決まりを確認してください。個別の判断が必要な場合は、Tenancy Servicesや市民相談所(Citizens Advice Bureau)などに相談してください。