ボーディングハウス(Boarding house tenancies)
ボーディングハウスは、6人以上のテナントが部屋を借り、台所や浴室などを共用する住まいです。28日以上の滞在には住宅賃貸法が適用されますが、退去の通知(テナントは48時間)や値上げの通知(28日)など、一般の賃貸と違う決まりがあります。部屋を借りて暮らす人向けです。
詳細
ボーディングハウスとは
住宅賃貸法(Residential Tenancies Act 1986)では、次の条件にあてはまる住まいをボーディングハウス(boarding house)としています(Tenancy Servicesのページ)。
- テナントが部屋(または寝る場所)を個別に借りる
- 台所、浴室、ランドリーなどを共用する
- 同時に6人以上のテナントがいる
- 滞在が28日以上続く(または続く予定である)
一般の賃貸では1つの契約で家全体を借りますが、ボーディングハウスでは部屋ごとに契約します。28日未満の滞在は住宅賃貸法の対象外です。その場合は、地域の法律相談所(Community Law Centre)や市民相談所(Citizens Advice Bureau)に相談できます(Tenancy ServicesのPDF)。
家主が自分の物件がボーディングハウスにあたるか確かめられるよう、Tenancy Servicesは質問形式の確認ツールを用意しています(確認のページ)。
一般の賃貸との主な違い
2026年10月時点の主な決まりです。一般の賃貸の決まりはテナント法の基本を見てください。
| 項目 | ボーディングハウス | 一般の賃貸 |
|---|---|---|
| 部屋への立ち入りの通知 | 24時間以上前 | 点検は48時間以上前、修理は24時間以上前 |
| 点検の時間 | 8時から18時(双方の合意があれば別) | 8時から19時 |
| 家賃の値上げの通知 | 28日以上前 | 60日以上前 |
| テナントが契約を終える | 48時間前 | 期間の定めのない契約は21日前 |
| 家主が契約を終える | 原則28日前(書面) | 理由なしは90日前など |
契約とハウスルール
契約は書面で結びます。ボーディングハウス用の契約書の様式があり、次のことなどを書きます(開始のページ)。
- 期間(28日以上の予定であること)
- 家主の電話番号、管理人の連絡先(家主と違う場合)
- 部屋番号と、その部屋に住む人数
- 家主が提供するサービス(ある場合)
- 火災のときの避難の方法
家主は、共用部分の片付け、家具の扱い、騒音などのハウスルール(house rules)を決められます。ルールを変えるときは、7日以上前に書面で知らせます。ルールは住宅賃貸法やほかの法律に反してはいけません。
ボンドと前払い家賃
| 項目 | 決まり(2026年10月時点) |
|---|---|
| ボンド(bond) | 最大で家賃4週分 |
| ボンドの預け入れ | 家賃1週分を超える場合、受け取ってから23営業日以内にTenancy Servicesに預ける |
| 前払い家賃 | 1週分か2週分まで。前に払った分を使い切るまで、次の支払いを求められない |
| 仲介手数料・キーマネー | テナントに請求できない |
現金で家賃やボンドを払ったときは、領収書をもらえます。ボンドの返し方はボンドを見てください。
入居中の決まり
立ち入りと点検
- 家主が部屋に入るには、24時間以上前の通知が必要です。
- 点検は4週間に1回までです。
- 通知なしで入れるのは、テナントがその場で同意したとき、命や財産に重大な危険があるとき、ハウスルールで決めたサービス(清掃など)を行うとき、Tenancy Tribunalの命令があるときです。
- 家主は共用部分にはいつでも入れますが、テナントの静かな生活(quiet enjoyment)を妨げてはいけません。
鍵と安全
- 家と部屋は「それなりに安全」である必要があり、家主は十分な鍵を用意します。
- テナントはいつでも自分の部屋と浴室を使えます。
- 家主は鍵を替える前に、影響を受けるテナント全員に知らせます。テナントは鍵を変えたり、付けたり、外したりできません。
- 煙感知器(smoke alarm)は、各寝室の中か寝室のドアから3m以内と、各階に必要です。
(入居中のページ)
ヘルシーホーム基準
ボーディングハウスは、2021年7月1日までにヘルシーホーム基準(暖房、断熱、換気、湿気、すきま風)を満たす必要がありました(Tenancy Servicesのページ)。基準の内容はヘルシーホーム基準を見てください。
契約の終わり方
テナントは48時間前の通知で契約を終えられます。書面で伝えることが勧められています。家主は原則として28日前に書面で通知します。ただし、次の場合はもっと短くなります(終了のページ)。
| 場面 | 家主の通知 |
|---|---|
| テナントが重大な損害を与えた・与えると脅した、人や物を危険にさらした、ほかのテナントに重大な迷惑をかけた | 通知なしで直ちに終了できる |
| 書面で求めてから10日たっても家賃が払われない | 48時間前の書面 |
| 部屋を違法な目的に使った | 48時間前の書面 |
| 家賃が遅れていて、部屋を放棄したと家主が考える | 手続き(24時間前の張り紙と緊急連絡先への連絡)の後、48時間前の書面 |
退去するときは、部屋を片付けてごみを出し、鍵などを返します。家主が用意した家具は置いていきます。
手順
- 住まいがボーディングハウスにあたるか(6人以上、共用設備、28日以上)を確認する。
- ボーディングハウス用の書面の契約書と、ハウスルールを受け取って読む。
- ボンドを払ったら、Tenancy Servicesに預けられたかを確認する。
- 入居中に問題があれば、まず家主や管理人と話す。解決しなければ、調停(mediation)やTenancy Tribunalを使う。
- 退去するときは48時間前までに(できれば書面で)伝え、部屋を片付けて鍵を返す。
費用
- ボンド:最大で家賃4週分
- 前払い家賃:1週分か2週分まで
- 仲介手数料・キーマネー:請求できない
いずれも2026年10月時点の決まりです。
日本との違い・注意点
- 「6人以上」「28日以上」の条件によって、適用される決まりが変わります。家を何人かで借りて住む形についてはフラットシェアを見てください。
- 家主は24時間前の通知で部屋に入れます。一般の賃貸より短い点に注意してください。
- 家主が鍵を勝手に替えたり、テナントが鍵を付け替えたりすることはできません。
- 自分の住まいにどの決まりが適用されるか迷うときは、Tenancy Services(0800 836 262)や市民相談所に相談してください。