本文へ移動
医療・保険 / 医療制度

高齢者の介護(Aged care)

在住駐在
概要

NZで公費の介護(自宅での支援や老人ホーム)を受けるには、まずNASC(ニーズ評価の窓口)でニーズ評価を受けます。対象は公的医療を受けられる人です。老人ホームの費用には、資産と収入の審査があるResidential Care Subsidyがあり、65歳以上の単身者の資産の上限はNZ$300,811です(2026年7月1日から)。

詳細

ニーズ評価(needs assessment)から始まる

公費の介護サービスを受けるには、まずニーズ評価を受けます。日常生活でどんな助けが必要かを話し合う面談です。評価するのは、各地域のNASC(Needs Assessment and Service Coordination)で、看護師、ソーシャルワーカー、作業療法士などが担当します(govt.nzのページ)。

ニーズ評価の対象は、次のような人です。

  • 6か月以上続く見込みの身体・知的な障害がある人
  • 65歳以上で、健康上の理由で日常の支援が必要な人
  • ACCの対象となるけがから回復中の人

いずれの場合も、NZで公的医療を受けられることが条件です。公的医療の対象は公的医療を受けられる人を見てください。

項目内容
紹介の方法GPからの紹介、入院中の病院からの紹介、自分でNASCに電話(GPを通すよう言われることもある)
連絡までの目安通常2週間以内。緊急なら2営業日以内
地域のNASCを探すNASCの一覧

自宅での支援(home support)

ニーズ評価の結果に応じて、自宅で次のような支援を受けられます(govt.nzのページ)。

支援費用
身の回りの介助(シャワー、着替えなど)評価を受ければ無料
家事の支援(掃除、洗濯、芝刈り、草取りなど)収入による審査あり
看護師などの訪問(薬の管理など)評価で案内される
食事の準備・買い物の支援、手すりやスロープの設置、緊急通報装置、暖房費の支援評価で案内される

評価のときに、どのサービスが無料で、どれが自己負担かを担当者が説明します。家族の休息のためのレスパイトケア(respite care)も、評価で利用できることがあります。

老人ホーム(residential care)

自宅での生活が難しくなったときは、レストホーム(rest home)や病院(hospital)レベルの施設に入ります。公費の補助を受けるには、ニーズ評価で長期の施設介護が必要と判断される必要があります。

施設が契約サービスに対して請求できる金額には、政府が決める上限(maximum contribution)があります。上限は地域で違い、毎年7月1日に見直されます。介護の重さでは変わりません。個室の追加料金(premium room)や美容院などの契約外のサービスは、別料金です(govt.nzのページ)。

費用の支援の種類

制度内容
Residential Care Subsidy資産と収入の審査を通った人の施設費用を補助する。返済は不要。施設に直接支払われる
Residential Care Loan家を持っていて補助の対象にならない人向けの無利子のローン。家に担保(caveat)を付ける
Top-up subsidy必要な介護のレベルが高く、費用が上限を超える場合に差額を補助する

Residential Care Subsidyの条件

Work and Incomeのページによると、次の条件があります。

  • 65歳以上、または50〜64歳で単身かつ扶養する子どもがいない
  • ニーズ評価で、病院かレストホームでの長期(期限なし)の介護が必要と判断されている
  • 契約された施設で介護を受けている

50〜64歳の単身者は、資産の審査を自動的に通ります。65歳以上は、資産の審査のあと収入の審査があります。収入にはNZ Super(老齢年金)、手当、民間の年金の50%などが含まれ、収入から本人の負担額が決まります。補助は、本人の負担額と実際の費用の差額です。

資産の上限(2026年7月1日から)

状況資産の上限
65歳以上の単身者NZ$300,811
夫婦の両方が施設に入っているNZ$300,811(夫婦の合計)
夫婦の一方が施設、もう一方が自宅(家と車を含めない)NZ$164,731
夫婦の一方が施設、もう一方が自宅(家と車を含める)NZ$300,811

夫婦の一方が自宅に残る場合は、どちらの上限を使うか選べます(Work and Income MAPのページ)。どの資産が審査から除かれるかは、Work and Incomeに確認してください。

Residential Care Loanの条件

Work and Incomeのページによると、主な条件は次のとおりです。

  • 施設に入る前の家をまだ持っている
  • 家の正味の価値(equity)がNZ$300,811を超えている
  • ほかの資産が、単身でNZ$15,000未満、夫婦でNZ$30,000未満

返済は、家を売ったとき、または亡くなってから12か月以内です。遅れると年10%の利息がかかることがあります。担保の登録費用はローンに含まれません。処理には6〜8週間かかります。

自宅に残る配偶者への支援

配偶者が施設に入ると、自宅に残る人のNZ Superは、夫婦の金額ではなく単身・一人暮らしの金額になります。住宅の手当、障害手当(Disability Allowance)、施設への面会の費用の手当などを受けられることがあります(govt.nzのページ)。

手順

  1. GPに相談するか、地域のNASCに連絡して、ニーズ評価を申し込む。
  2. ニーズ評価を受ける。
  3. 自宅での支援が決まったら、ケアプランに沿ってサービスを受ける。
  4. 施設に入る場合は、Work and IncomeにResidential Care Subsidyを申請する。65歳以上は、必要な書類を90日以内に出す。
  5. 補助の対象にならず家を持っている場合は、Residential Care Loanを検討する。
  6. 審査の間も、施設の費用は払い続ける。

費用

2026年10月時点の主な金額です。

項目金額
ニーズ評価後の身の回りの介助無料
家事の支援収入による審査あり
Residential Care Subsidyの資産の上限(単身、65歳以上)NZ$300,811
NZ Superを受けている人の施設費用の負担額(Residential Care Loanのページの例)週約NZ$454.11
手元に残る生活費(personal allowance)週NZ$58.34

施設費用の上限(maximum contribution)は地域ごとに違います。施設かNASCに確認してください。

日本との違い・注意点

  • NZには、日本のように保険料を払って加入する介護保険の仕組みはありません。公費の介護は、公的医療の対象者がニーズ評価を受けて利用します。一時的なビザの人は原則として対象外です。
  • 施設の費用の補助には資産の審査があります。家を持っていると、補助ではなくローンになる場合があります。
  • 資産の上限や負担額は毎年見直されます。
  • 相談の窓口は、Seniorline(0800 725 463)、Work and Income(0800 999 727、msd_rcs@msd.govt.nz)です。自分が対象になるか、資産をどう扱うかは、Work and Incomeや弁護士などの専門家に相談してください。この記事は制度の説明です。

関連項目

内容の誤りや古い情報に気づいたら、教えてください。公式の情報と照らし合わせて修正します。 誤りを報告する