NZの元首と総督(Head of State and Governor-General)
ひとことで言うと…
NZの元首(Head of State)は、NZ国王(King of New Zealand)のチャールズ3世です。NZでは総督(Governor-General)が国王の代理を務めます。総督は首相の助言で国王が任命し、任期は5年です。法案への裁可や選挙後の政府の任命などを行いますが、政治には関わりません。
目次
詳細
国王(King of New Zealand)
NZは立憲君主制(constitutional monarchy)の国で、国王(Sovereign)が元首(Head of State)です(内閣マニュアルの国王の章)。国王の称号は、1974年王室称号法(Royal Titles Act 1974)で決められています。
現在の国王はチャールズ3世(King Charles III)です。NZでは2022年9月11日、国会議事堂の前で即位の布告式(Proclamation of Accession)が行われ、英語とマオリ語で布告が読み上げられました(総督府のページ、官報の布告)。国王はNZのほかに14の国の国王でもあります(総督府の解説冊子)。
国王が亡くなると、次の国王への引き継ぎは「すぐに、自動的に」行われます。
国王が自ら行う主な仕事は、総督の任命と、NZの栄典(Royal Honours)の授与です。どちらも、首相をはじめとするNZの大臣の助言に従って行います。
総督(Governor-General)
総督は、NZで国王の代理を務めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 任命 | 首相が候補を選んで国王と話し、国王が正式に任命する |
| 任期 | 5年 |
| 立場 | 政治に関わらない(apolitical)。政策は決めない |
| 公邸 | ウェリントンのニュータウン(Newtown)にある総督公邸(Government House)。オークランドにも小さな公邸がある |
総督が国外にいるときや職務を行えないときは、「政府の執行者(Administrator of the Government)」が代わりを務めます。最初の順位は首席裁判官(Chief Justice)です(総督府の任命条件のページ)。
総督の4つの役割
総督府のページでは、総督の役割を4つに分けています。
| 役割 | 主な内容 |
|---|---|
| 憲法上の役割 | 選挙後の政府の任命、法案への裁可(Royal Assent)、行政評議会(Executive Council)の議長 |
| 儀式の役割 | 叙勲式、栄典の授与、外国の元首の歓迎 |
| 地域社会の役割 | 団体の後援、行事への出席、各地の訪問 |
| 国際的な役割 | 重要な国際的な式典への出席、国の代表としての公式訪問 |
憲法上の役割のくわしい内容
総督は次のようなことを行います(総督府の憲法上の役割のページ)。
- 選挙の前に、国会を解散する令状に署名する
- 選挙の後に、政府を任命する
- 国会の開会式で、施政方針演説(Speech from the Throne)を読む
- 国会で可決された法案に裁可を与える。裁可を受けて法律になる
- 大臣の助言で、裁判官や治安判事(Justice of the Peace)などを任命する
- 恩赦(prerogative of mercy)を行う
国会は、国王と代議院(House of Representatives)でできています。総督は、代議院の信任を得ている大臣の助言に従って行動するのが慣行(convention)です。個人の判断で権限を使えるのは、「留保権限(reserve powers)」と呼ばれるごく限られた場合だけです(内閣マニュアルの総督の章)。
総督は軍の最高司令官(Commander-in-Chief)の称号も持っていますが、軍の活動には実際には関わりません。
総督と首相の違い
| 総督 | 首相 | |
|---|---|---|
| 代表するもの | 国王 | 選挙で選ばれた政府 |
| 政治との関係 | 政治に関わらない | 政府を率い、政策を決める |
政府全体の仕組みはNZの政府の仕組みを、法律の成り立ちは法律ができるまでを読んでください。現在の総督の名前と活動は総督府のウェブサイトで確認してください。
日本との違い・注意点
ここが日本とちがうよ!
- NZの元首は国王で、ほかの14の国と同じ人が国王を務めています。ただし、NZでは「NZ国王」として、NZの大臣の助言に従って行動します。
- 総督は、選挙で選ばれる職ではありません。首相が選んだ候補を国王が任命します。
- 法案は、国会で可決された後、総督の裁可を受けて法律になります。
- 国王や総督は政治に関わらないのが原則です。政策の責任は首相と大臣が負います。