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政治・選挙 / 政治の仕組み

NZの裁判所の仕組み(New Zealand court system)

概要

NZの裁判所は、下から地方裁判所(District Court)、高等裁判所(High Court)、控訴裁判所(Court of Appeal)、最高裁判所(Supreme Court)の4段階です。ほかに雇用や環境などの専門裁判所と、少額の争いや賃貸トラブルを扱う審判所(tribunal)があります。NZに住む人向けの全体像です。

詳細

NZの裁判所は、政府の3部門のうちの司法にあたり、国会や内閣から独立しています。政府全体の仕組みはNZの政府の仕組みを読んでください。

4段階の裁判所

NZの裁判所の公式サイトによると、一般の裁判所は次の4段階です。

裁判所マオリ語名主な役割
最高裁判所(Supreme Court)Te Kōti Mana Nui最上級で最終の裁判所。上訴には許可(leave)が必要
控訴裁判所(Court of Appeal)Te Kōti Pīra高等裁判所の判決に対する民事・刑事の上訴を扱う
高等裁判所(High Court)Te Kōti Matua重大な刑事事件と、NZ$350,000を超える民事の争い。下級審からの上訴も扱う
地方裁判所(District Court)Te Kōti ā Rohe大半の刑事事件と、NZ$350,000以下の民事の争い。最も忙しい裁判所

地方裁判所(District Court)

大きな町や都市のほとんどに地方裁判所があります。刑事事件の大半はここで扱われます。地方裁判所の中には、家庭裁判所(Family Court)と少年裁判所(Youth Court)があります。

  • 家庭裁判所:子どもの養育、離婚、人を保護する命令などを扱います(法務省のページ)。
  • 少年裁判所:子どもや若者の犯罪を扱います。

高等裁判所(High Court)

事件を最初に審理できる裁判所のうち、最も上の裁判所です。高等裁判所の刑事事件の多くは、陪審(jury)が判断します。陪審については陪審員制度を読んでください。

控訴裁判所(Court of Appeal)

控訴裁判所の公式ページによると、所在地はウェリントンで、オークランドとクライストチャーチでも定期的に開かれます。

  • 1862年からある裁判所です。1957年に、専任の裁判官を置く常設の控訴裁判所がウェリントンにできました。
  • 裁判官は、長官(President)を含めて10人です。
  • ふだんの上訴は、控訴裁判所の裁判官1人と高等裁判所の裁判官2人の部(division)で審理します。重要な事件は、控訴裁判所の常任裁判官5人の大法廷(full court)で審理します。

最高裁判所(Supreme Court)

最高裁判所は2004年1月1日に設けられ、2004年7月1日から上訴を審理しています。それまでNZの最終の上訴先は、イギリスの枢密院司法委員会(Judicial Committee of the Privy Council)でした(最高裁判所の公式ページ)。

  • 本格的な上訴は、5人の裁判官で審理します。
  • 上訴の許可の基準には、「一般的に重要な問題であること」や「ワイタンギ条約に関わる重要な問題であること」などがあります。

専門の裁判所

裁判所扱うこと
雇用裁判所(Employment Court)雇用の争い
環境裁判所(Environment Court)地域計画や資源利用の許可(resource consent)に関する不服
マオリ土地裁判所(Māori Land Court)マオリの土地の所有と管理
検視官裁判所(Coroners Court)予期しない死、暴力による死、不審な死の調査

一覧は法務省の裁判所のページで確認できます。

審判所(tribunal)

裁判所よりも手軽に争いを解決するための機関が、審判所です。法務省の審判所の一覧には20以上の審判所が載っています。暮らしに関わる主なものは次のとおりです。

審判所扱うこと
紛争審判所(Disputes Tribunal)NZ$60,000までの少額の争い(2026年10月時点)
賃貸審判所(Tenancy Tribunal)借主と貸主の争い
自動車紛争審判所(Motor Vehicle Disputes Tribunal)自動車販売業者に対する消費者の苦情
人権審査審判所(Human Rights Review Tribunal)人権委員会やプライバシー委員などが扱った件の審査
移民・難民保護審判所(Immigration and Protection Tribunal)ビザ、国外退去、難民保護に関する不服
ワイタンギ審判所(Waitangi Tribunal)ワイタンギ条約違反の申立てについての勧告

紛争審判所では、ふつうは本人が自分で説明します。弁護士は代理人になれず、裁判官もいません(紛争審判所のページ)。申立ての手数料は、請求額によって変わります。

賃貸の争いは賃貸審判所(Tenancy Tribunal)、ワイタンギ審判所はワイタンギ審判所を読んでください。

通訳と法律の支援

  • 通訳:英語が得意でない人は、裁判所に通訳を手配してもらえます。裁判所が手配した通訳は無料です。裁判の日の10営業日前までに、申請書を出すか、0800 COURTS(0800 268 787)に電話するか、裁判所の窓口で伝えます(法務省の通訳のページ)。
  • 法律扶助(legal aid):弁護士費用を払えない人のために、政府が法律の支援の費用を出す制度です。条件と返済の有無は法務省の法律扶助のページで確認してください。
  • 無料の相談先は市民相談所(Citizens Advice Bureau)も読んでください。

日本との違い・注意点

  • 最上級の裁判所である最高裁判所は2004年にできた新しい裁判所です。それ以前の判例を読むと、イギリスの枢密院が最終判断をしていることがあります。
  • 少額の争いや賃貸の争いは、裁判所ではなく審判所で扱うことが多いです。紛争審判所では弁護士が代理人になれません。
  • 金額の基準(地方裁判所はNZ$350,000以下、紛争審判所はNZ$60,000まで)は変わることがあります。手続きの前に公式ページで確認してください。
  • 自分の事件でどの裁判所や審判所を使うべきかは、事情によって違います。弁護士や市民相談所などの専門の窓口に相談してください。

関連項目

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