マオリ文化 / ティカンガ(作法)
タプとノア(Tapu and noa)
概要
タプ(tapu)は神聖さや制限、ノア(noa)は日常的で制限のない状態を表す、マオリ文化の基本的な考え方です。食べ物の上に人の頭を通さない、テーブルに座らないといった作法は、マラエや医療・介護の場でも大切にされています。マラエ訪問や職場・学校でマオリ文化に触れる人向けです。
詳細
タプとノアとは
Te Ara(NZ百科事典)のページによると、タプとノアはマオリの伝統的な精神文化の考え方です。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| タプ(tapu) | 神聖さ、制限。タプのある人・生き物・物に対しては、人の行動が制限される |
| ノア(noa) | 日常的、ふつう、タプの決まりから自由な状態 |
- 人のタプは、両親や祖先、さらには神々(atua)から受け継がれます。身分の高い人ほどタプも高いとされました。
- 植物、動物、物もタプの影響を受けることがあります。
- タプは、権威や威信を表すマナ(mana)という考え方と深く結びついています。
医療・介護の現場向けに医療の質と安全委員会(Health Quality & Safety Commission)が作った手引きでは、タプとノアは対になる考え方で、分けて釣り合いを保つ必要があると説明しています。
タプを解く
Te Araによると、物や人からタプの影響を取り除き、制限なく行動できるようにするための儀式が行われてきました。たとえば、水を使って人のタプを解く儀式(whakahoro)があります。
歓迎の儀式ポーフィリ(pōwhiri)の最後の食事(hākari)にも、儀式のタプを解く役割があります。詳しくは歓迎の儀式ポーフィリとホンギを見てください。
タプとされる場所
Te Araは、墓地や人が亡くなった場所などを、タプ(立ち入りなどが制限される場所)の例として挙げています。
頭と体
上の手引きでは、人の体はタプとされ、なかでも頭は特にタプが高いと説明しています。そのため、医療・介護の場では次のようなことに気をつけるよう案内しています。
- 人の頭の上を通して、物、特に食べ物を渡さない。
- 枕、帽子、ヘアブラシなど頭に触れた物を、椅子などベッドの頭側以外の場所に置かない。
- 頭や体に触れた物や掃除に使った物を、食べ物・飲み物・薬を置く場所に置かない。
手順
マラエを訪問するときに基本とされる作法のうち、食べ物や体に関わるものです(Te Araの「Basic marae etiquette」)。
- 歓迎の儀式の間は飲食をしない。
- 集会所(wharenui)の中では飲食をしない。
- 食事の前の祈り(karakia)が終わるまで食べ始めない。
- 食堂(wharekai)で、人の頭の上を通して食べ物を渡さない。
- テーブルの上に座らない。枕の上に座らない。
- ポーフィリの後や、墓地(urupā)を出た後は手を洗う(水が用意されています)。
作法はマラエや部族(iwi)ごとに違います。マラエ全般の作法はマラエ訪問のマナーを見てください。
日本との違い・注意点
- マオリ文化では、頭は特にタプが高いとされます。相手の頭に気軽に触れないようにしましょう。
- 食べ物を置く場所と、頭や体に触れた物を分けるという考え方は、マラエだけでなく医療・介護の場でも大切にされています。
- タプとノアの考え方や作法の細かい点は、部族や家族、個人によって違います。わからないときは、受け入れ側や相手に尋ねてください。
- 介護の手引きでも、ケアの方法は本人(kaumātua)と話し合って決めるよう案内しています。
関連項目
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