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マオリ文化 / ティカンガ(作法)

ハカとカ・マテ(Haka and Ka Mate)

概要

ハカ(haka)は、全身を使い、声を合わせて行うマオリの伝統的な表現です。戦いの踊りだけでなく、歓迎、追悼、祝いなど多くの場面で行われ、種類もたくさんあります。代表的なハカ「カ・マテ(Ka Mate)」は1820年ごろにテ・ラウパラハが作ったもので、商業利用などでは作者の表示が法律で求められます。NZに住む人、学校や職場でハカに触れる人向けです。

詳細

ハカとは

ハカ(haka)は、マオリの伝統的な表現の一つです。列になって並び、歌や詠唱に合わせて踊る集団の芸能をカパ・ハカ(kapa haka)と呼び、ハカはその中心的な演目です。「カパ」は列に並ぶこと、「ハカ」は踊りを意味します。

ハカは戦いの踊りとして知られていますが、それだけではありません。Te Araは、ハカが次のような場面で行われてきたと説明しています。

  • 怒りや不満を表す
  • 人をたたえる
  • 客を歓迎する
  • 新しい集会所や食堂を開く
  • 亡くなった人に敬意を表す
  • 祖先をたたえる
  • 伝統を伝える

男性も女性もハカを行います。マラエでの歓迎の儀式で行われるハカ・ポーフィリ(haka pōwhiri)については、歓迎の儀式ポーフィリとホンギで説明しています。カパ・ハカ全体や全国大会テ・マタティニ(Te Matatini)はマオリの伝統芸術を参照してください。

ハカの種類

ハカには多くの種類があります。NZQA(NZ資格庁)のハカの単元基準(unit standard 13371)では、次の種類が挙げられています。

  • カイオラオラ(kaioraora)
  • ポーケカ(pōkeka)
  • マナワ・ウェラ(manawa wera)
  • ンゲリ(ngeri)
  • タパラヒ(taparahi)
  • トゥートゥー・ンガーラフ(tūtū ngārahu)
  • ペルペル(peruperu)
  • ファカトゥー・ワエワエ(whakatū waewae)

たとえば、ハカ・タパラヒ(haka taparahi)は、東海岸(East Coast)に特徴的な形で、武器を持たず、左足を地面につけたまま行います(Te Araの映像ページ)。また、ポイ(poi)を使うハカ・ポイ(haka poi)は、女性が行う演目として紹介されています。

それぞれの由来や演じ方は、部族(iwi)、準部族(hapū)、家族(whānau)の伝統によって異なります。

体の動きと表情

Te Araは、ハカの心得として「Kia kōrero te katoa o te tinana(体全体で語れ)」という言葉を紹介しています。代表的な表情は次の2つです。

用語内容
プーカナ(pūkana)目を大きく見開く表情
フェーテロ(whētero)舌を突き出す表情

NZQAの基準では、このほかにウィリ(wiri)、タカヒ(takahi)、手の動き(mahi ā-ringa)なども、演技の動きとして挙げられています。

演目を導くリーダーは専門の技能を持つ人で、声と動きのタイミングでチーム全体の演技を導きます。

カ・マテ(Ka Mate)

カ・マテ(Ka Mate)は、最もよく知られたハカの一つです。

  • 1820年ごろ、ガーティ・トア・ランガティラ(Ngāti Toa Rangatira)の首長テ・ラウパラハ(Te Rauparaha)が作りました。
  • テ・ラウパラハは追っ手から逃れるため、ロトアイラ湖(Lake Rotoaira)の島で、首長テ・ファレランギ(Te Wharerangi)にかくまわれました。
  • クマラ(kūmara、サツマイモ)の貯蔵穴に隠れ、その上にテ・ファレランギの妻テ・ランギコアエア(Te Rangikoaea)が座って彼を守りました。
  • 追っ手が去ったあと、絶望から喜びへと変わる言葉がハカになったとされています。

冒頭の「Ka mate, ka mate! Ka ora, ka ora!」は、「死ぬ、死ぬ、生きる、生きる」という意味です(オールブラックスのカ・マテのページ)。

ラグビー代表は、1888〜89年のネイティブズ(Native team)の遠征のころから試合前にハカを行い、1905年のオールブラックスがテ・ラウパラハのハカを披露しました。ラグビーとハカについてはNZのラグビーを参照してください。

ハカ・カ・マテ帰属法(Haka Ka Mate Attribution Act 2014)

ハカ・カ・マテ帰属法は、ガーティ・トア・ランガティラと王室(政府)とのワイタンギ条約の和解(Treaty settlement)を実施するための法律です。ガーティ・トアが、カ・マテについて永久に譲渡できない「作者の表示を求める権利(right of attribution)」を持つことを認めています。条約和解の仕組みはワイタンギ条約の和解で説明しています。

作者の表示が必要な場面と、必要でない場面は次のとおりです(MBIEのガイドラインによる)。

区分場面
表示が必要商業目的でカ・マテを出版する場合
表示が必要カ・マテを一般に向けて発信する場合(放送・ネット配信など)
表示が必要カ・マテを含む映像作品を公開・頒布する場合
表示は不要カ・マテを演じること(カパ・ハカのグループによる演技を含む)
表示は不要教育目的での使用
表示は不要批評、評論、時事の報道のための使用

表示が必要な場合は、「テ・ラウパラハがカ・マテの作者であり、ガーティ・トア・ランガティラの首長であったこと」を、見る人・聞く人にわかるよう、はっきりと示します。

  • この法律は、使用料や許可料を定めるものではありません。演じることを禁止するものでもありません。
  • 表示がない場合、ガーティ・トアは裁判所に表示を求める宣言(declaration)を申し立てることができます。
  • 権利の代表は、テ・ルーナンガ・オ・トア・ランガティラ(Te Rūnanga o Toa Rangatira Incorporated)です。表示や、使い方がふさわしいかについての相談先として案内されています。

詳しくはMBIEのガイドライン(PDF)で確認してください。商業利用を考えている場合は、弁護士など専門家に相談してください。

日本との違い・注意点

  • ハカは見世物やパフォーマンスとしてだけでなく、歓迎や追悼など、儀式の一部として行われます。場面によって意味が違うことを知っておくとよいでしょう。
  • ハカには部族や家族ごとの伝統があり、正しい場面・場所・機会に行うことが重視されます。自分で行う場合は、指導する人や受け入れ側の指示に従ってください。
  • カ・マテを広告、商品、映像作品などで使う場合は、法律で作者の表示が求められます。表示とは別に、使い方がふさわしいかについては、テ・ルーナンガ・オ・トア・ランガティラが相談先として案内されています。

関連項目

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