マオリ文化 / ティカンガ(作法)
歓迎の儀式ポーフィリとホンギ(Pōwhiri and hongi)
概要
ポーフィリ(pōwhiri)は、受け入れ側が訪問者を迎え入れるマオリの歓迎の儀式です。呼びかけ(karanga)、演説(whaikōrero)、贈り物(koha)、ホンギ(hongi)、食事の順に進むのが代表的な流れです。マラエ訪問だけでなく、職場や学校の歓迎で体験する人向けです。
詳細
ポーフィリとは
ポーフィリ(pōwhiri)は、受け入れ側が訪問者をマラエ(marae)に迎え入れる儀式です。受け入れ側をタンガタ・フェヌア(tangata whenua)、訪問者をマヌヒリ(manuhiri)と呼びます。
近年は、マラエ以外でも使われています。たとえば、職場で新しく入った人を歓迎するときにも、ポーフィリの形式がとられることがあります。
細かい順番や作法は、部族(iwi)やマラエごとに異なります。マラエ全般の作法はマラエ訪問のマナーで説明しています。
主な役割
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| 呼びかけ役(kaikaranga) | 儀式の始まりに呼びかけを行う。受け入れ側と訪問者側の両方に置く |
| 話し手(kaikōrero) | 演説(whaikōrero)を行う。双方の代表が務める |
| 訪問者のグループ | 呼びかけ役と話し手を事前に決め、贈り物(koha)を集めておく |
広場(marae ātea)の意味
集会所の前の広場(marae ātea)は、戦いの神トゥーマタウエンガ(Tūmatauenga)の領域とされます。そのため、ここで行われる演説は力強いものでもよいとされています。
ホンギの由来
ホンギ(hongi)は、鼻を軽く押し合わせるあいさつです。その伝統は、最初の人間の女性ヒネアフオネ(Hineahuone)の創造の伝説にさかのぼります。神ターネ(Tāne)が粘土からヒネアフオネを形づくり、鼻から命の息を吹き込んだとされています。詳しくはTe Araのページで読めます。
手順
代表的な流れは次のとおりです。省略される部分や順番が入れ替わる部分もあります。
- 集合:訪問者が入口の外に集まります。受け入れ側は、訪問者がそろってから歓迎を始めます。
- ウェロ(wero、儀礼的な挑戦):特に重要な客を迎えるときに行われます。挑戦者が置いた木の枝や棒(rākau)を、主賓が拾い上げます。
- カランガ(karanga、呼びかけ):受け入れ側の呼びかけ役が呼びかけ、訪問者側の呼びかけ役が応えます。呼びかけが続く中、訪問者はマラエに入ります。
- ハカ・ポーフィリ(haka pōwhiri):受け入れ側が、歓迎のハカで迎えることがあります。
- ファイコーレロ(whaikōrero、演説):双方の代表が演説します。方式は主に2つです。
- パーエケ(pāeke):受け入れ側の話し手が先に全員話し、その後に訪問者側が話す
- タウ・ウトゥウトゥ(tau utuutu):双方が交互に話し、受け入れ側が最後に話す
- ワイアタ(waiata、歌):演説が一つ終わるたびに、話し手と仲間が歌を歌います。
- コハ(koha、贈り物):訪問者から受け入れ側への贈り物です。通常、訪問者側の最後の話し手が地面に置きます。
- ホンギとハリルー(harirū、握手):正式な部分が終わると、訪問者は受け入れ側とホンギと握手を交わします。
- ハーカリ(hākari、食事):最後に食事をします。食事によって、儀式の神聖さ(tapu)が解かれます。
日本との違い・注意点
- 儀式の流れはマラエや部族によって違います。参加するときは、主催者や受け入れ側に事前に確認し、その場の指示に従ってください。
- 訪問者側でも役割があります。呼びかけ役、話し手、贈り物の準備を、グループで事前に決めておきます。
- ホンギは、日本のおじぎや握手とは違い、相手と顔を近づけるあいさつです。戸惑ったときは、周りの人の動きに合わせるとよいでしょう。
- 職場や学校の歓迎でも、正式な儀式として行われます。マラエで基本とされる作法(携帯電話の電源を切る、儀式中は飲食しないなど)はマラエ訪問のマナーを参考にしてください。
- 儀式の詳しい解説はTe Araの「Te kawa o te marae」で読めます。
関連項目
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