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スポーツ・文化 / アート

マオリの芸術(Toi Māori)

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タウポ湖の岩壁に彫られたマオリの彫刻とヨット
Photo: Aaron Mickan / Unsplash
概要

マオリの伝統芸術には、彫刻(whakairo)、織物(raranga・whatu)、入れ墨(tā moko)、歌と踊り(kapa haka)などがあります。どれも祖先や部族とのつながりを表すものです。ウェリントンのテ・パパなどで見られ、マオリ文化に関心のある人向けです。

詳細

マオリの芸術はトイ・マオリ(toi Māori、ngā toi Māori)と呼ばれます。ここでは、ニュージーランド政府の百科事典テ・アラ(Te Ara)の解説をもとに、代表的な4つを紹介します。

彫刻(whakairo)

ファカイロ(whakairo)は、木、骨、石、ポウナム(pounamu、ヒスイ)を彫る芸術です(Te Araの彫刻のページ)。

  • 木は特にトータラ(tōtara)が使われました。
  • 彫像の目にはパウア(pāua)の貝殻がはめ込まれ、高い身分を表す赤い顔料(red ochre)で色を付けました。
  • 東海岸の伝説では、海の神タンガロア(Tangaroa)の孫ルアテププケ(Ruatepupuke)が、海の底の家から彫刻を持ち帰ったとされています。
  • 彫刻をほどこした集会所(whare whakairo)は、部族の誇り(mana)を示し、祖先の姿を表すものとされています。
  • 彫刻の作業には決まりがありました。たとえば、削りくずを吹き飛ばしたり、料理の燃料にしたりしてはいけませんでした。

1926年にはロトルア(Rotorua)にマオリ美術工芸学校(Rotorua School of Māori Arts and Crafts)ができ、多くの集会所を手がけ、彫刻家を育てました。

織物(raranga・whatu)

NZの気候では、マオリの祖先が布づくりに使っていた植物が育ちませんでした。そのため、主にハラケケ(harakeke、NZの亜麻)を使う織物の文化が発達しました(Te Araの織物のページ)。

技法・素材内容
ララガ(raranga)葉を編む技法。食べ物を入れるかご(rourou)、袋(kete)などをつくる
ファトゥ(whatu)マント(cloak)などの布をつくる技法
ムカ(muka)ハラケケの葉から手で取り出す繊維
トゥクトゥク(tukutuku)糸ではなく葦の格子で編む装飾。主に集会所(wharenui)の内側の壁を飾る

ハラケケの葉を切るときは、中心の新芽(te rito)を傷つけないようにしました。マオリのことわざでは、ハラケケの株は、弱いものを守って生き延びる人間の家族にたとえられています。

入れ墨(tā moko)

ター・モコ(tā moko)はマオリの入れ墨です(Te Araのター・モコのページ)。

  • 伝説では、マタオラ(Mataora)が地下の世界でこの技を学んだとされています。
  • 伝統的には、海鳥の骨でつくった「ウヒ(uhi)」というのみで皮膚に溝を刻みました。ほかのポリネシアの入れ墨とは違う、マオリ独自の方法です。渦巻きの模様もマオリ独自のものです。
  • 女性のあごの入れ墨はカウアエ(kauae)と呼ばれます。
  • モコは、その人の地位と誇り(mana)を表すものでした。
  • ヨーロッパ人の入植の時代に衰えましたが、1970年代以降、文化的なアイデンティティを表すものとして再び広まっています。

歌と踊り(kapa haka)

カパ・ハカ(kapa haka)は、列になって並び、歌や詠唱に合わせて踊る集団の芸能です。「カパ」は列に並ぶこと、「ハカ」は踊りを意味します(Te Araのカパ・ハカのページ)。

要素内容
ワイアタ・ア・リンガ(waiata-ā-ringa)手の動きをつけて歌う歌。20世紀初めに生まれた
ポイ(poi)ひもの先に玉をつけた道具を振って、演技を引き立てる
ハカ(haka)種類が多く、場面ごとに使い分ける。戦いの踊りだけではない
モーテアテア(mōteatea)伝統的な詠唱や歌
ファカエケ・ファカワーテア(whakaeke / whakawātea)入場と退場の演目

1972年にロトルアで全国大会が始まりました。2004年からはテ・マタティニ(Te Matatini)という名前になり、2年に1度開かれています。地域大会を勝ち抜いた約40チーム、約2,000人が出場し、3万人以上が観覧する、国内最大のマオリ芸能の祭典です。

作品を見られる場所

ウェリントンの国立博物館テ・パパ(Te Papa)には、マオリの文化を紹介する常設の展示があります(テ・パパの展示のページ)。

展示内容
マナ・フェヌア(Mana Whenua)マオリをこの国の先住民(tangata whenua)として紹介する
ヘ・トイ・ファカイロ(He Toi Whakairo)7世紀にわたる140点以上の彫刻。4階のマナ・フェヌアの中
ロンゴマラエロア(Rongomaraeroa)博物館の中にあるマラエ

He Toi Whakairoは2026年8月から2031年8月までの展示で、入館料のほかに料金はかかりません(2026年10月時点、テ・パパのページ)。テ・パパの入館料はNZの主な博物館・美術館を見てください。

芸術家への支援

芸術を支援する政府機関クリエイティブ・ニュージーランド(Creative New Zealand)は、優れたマオリの芸術家を表彰するテ・ワカ・トイ賞(Te Waka Toi Awards)を主催してきました。1986年から2020年までに291人の芸術家が表彰されました(Creative NZのページ)。

日本との違い・注意点

  • マオリの彫刻や織物、モコは、祖先や部族とのつながりを表すものです。見るときや写真を撮るときは、展示施設やマラエの案内に従ってください。
  • ハカは戦いの踊りだけではありません。歓迎や祖先をたたえる場面など、場面ごとに違うハカがあります。歓迎の儀式はポーフィリとホンギを見てください。
  • 作法は部族(iwi)やマラエごとに違います。マラエを訪ねるときはマラエ訪問のマナーを参考にしてください。

関連項目

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