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マオリ文化 / ワイタンギ条約

ワイタンギ条約の和解(Treaty of Waitangi settlements)

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概要

条約和解(Treaty settlement)は、王室(政府)がワイタンギ条約に反した過去の行為について、マオリの部族などのグループと政府が交渉して結ぶ和解です。交渉の準備、交渉、実施の3段階で進み、最後は国会で法律として成立します。窓口は政府機関テ・タリ・ファカタウ(Te Tari Whakatau)です。NZの歴史と社会の仕組みを知りたい人向けです。

詳細

条約和解とは

条約和解(Treaty settlement)は、王室(政府)がワイタンギ条約に反した過去の行為についての申し立て(historical Treaty of Waitangi claims)を、政府と申し立て側のグループとの交渉で解決するものです。

和解の交渉を担当し、申し立て側のグループが交渉に入る準備を支援するのは、政府機関テ・タリ・ファカタウ(Te Tari Whakatau)です。以前はマオリ・王室関係局(Te Arawhiti)という名前でした。

条約そのものはワイタンギ条約、申し立てを調べる機関はワイタンギ審判所で説明しています。審判所は調査と勧告を行う機関で、和解の交渉は政府と申し立て側の間で行われます。

和解の3つの段階

Te Tari Whakatauは、和解の流れを3つの段階、8つの活動に分けて説明しています。

段階主な活動
1. 交渉の準備(Preparing for Negotiations)①大きなまとまりのグループ(Large Natural Group)をつくる ②交渉を任せる代表(mandate)について構成員が投票する ③政府と交渉条件(Terms of Negotiation)に署名する
2. 交渉(Negotiations)④補償(redress)の内容を話し合う ⑤補償の基本合意をする ⑥和解証書(Deed of Settlement)と管理団体について構成員が投票する
3. 実施(Implementation)⑦和解のための法律を国会で成立させる ⑧和解を実施する

主な文書と用語

用語内容
委任証書(Deed of Mandate)交渉で誰が代表するかを確認する文書
交渉条件(Terms of Negotiation)政府と、代表として認められた団体が合意して署名する文書
基本合意(Agreement in Principle)合意した補償の性質と範囲を示す、法的拘束力のない合意
和解証書(Deed of Settlement)提案された補償の内容を詳しく定める文書
和解後の管理団体(Post-Settlement Governance Entity、PSGE)和解で受け取る資産を受け取り、管理する代表団体

交渉の間、代表となった団体は、次のことにも取り組みます。

  • 他のグループと関心が重なる地域(overlapping interests)への対応
  • 集会(hui)やお知らせ(pānui)で、構成員からの信任を保つこと
  • 和解後の管理団体の準備

和解の内容の例

和解の内容はグループごとに違います。例として、ガーティ・ポロウ(Ngāti Porou)の和解証書の要約は、この和解を「過去の全ての申し立ての最終的な和解」と位置づけ、次の要素で構成されています。

要素内容
歴史の記述1840年の条約署名から20世紀までの、政府の行為についての歴史
和解のための補償政府による認定(acknowledgements)と謝罪(apology)
文化的な補償(cultural redress)手続きの取り決め、宝(taonga)の管理への関与など
関係づくり政府機関との協定や協力の枠組み
金銭・商業的な補償(financial and commercial redress)金銭や資産の移転

ガーティ・ポロウの和解証書は2010年12月22日に署名されました。金銭的な補償は合計NZ$1億1,000万で、そのうちNZ$9,000万が金銭・商業的な補償、NZ$2,000万が文化的な補償です。

和解の内容は、金銭だけとは限りません。ガーティ・トア・ランガティラ(Ngāti Toa Rangatira)の和解では、ハカ「カ・マテ」の作者の表示を求める権利が法律で認められました(ハカとカ・マテ)。

各グループの和解証書や要約はTe Tari Whakatauのページで読めます。

主な経緯

年出来事
1989年法務省(Department of Justice)の中に、条約政策の部署(Treaty of Waitangi Policy Unit)ができる
1992年商業漁業についての和解が結ばれる。NZ$1億7,000万がワイタンギ漁業委員会に託され、シーロード社(Sealord Products Ltd)の株式50%の取得に使われる
1995年条約政策の部署が、条約和解局(Office of Treaty Settlements)になる。タイヌイ(Tainui)との大規模な和解が結ばれる
1998年ガーイ・タフ(Ngāi Tahu)との大規模な和解が結ばれる

タイヌイとガーイ・タフの和解は、それぞれ推定総額NZ$1億7,000万とされています。経緯はNZHistoryのページで確認できます。

日本との違い・注意点

  • 和解は、裁判の判決ではなく、政府と申し立て側の交渉による合意です。合意した内容は、最終的に国会で法律として成立します。
  • 和解の当事者は、個人ではなく、部族(iwi)や準部族(hapū)などのグループです。代表となる団体は、構成員の投票で信任を得る必要があります。部族についてはイウィ(部族)を参照してください。
  • 和解には、謝罪や歴史の記述、文化的な取り決めなど、金銭以外の要素も含まれます。地名や土地の扱いなど、身近な場面に関わることもあります。
  • 個別の和解の内容や進み具合は、Te Tari Whakatauが公開している和解証書や要約で確認してください。

関連項目

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