家を売るときの流れ(Selling a home)
NZで家を売るときは、売り方と仲介業者を決め、仲介契約(agency agreement)を結び、売買契約と決済(settlement)へ進みます。仲介業者は不動産業者局(REA)の免許が必要で、手数料(commission)は交渉で決まります。取得から2年以内に売ると、ブライトライン・テストで売却益に税金がかかることがあります。
詳細
NZ政府の住宅売買ガイドsettled.govt.nzは、売却の流れを「検討」「売る準備」「売り出し」「オファーへの対応」「決済と退去」の段階に分けて説明しています。買うときの流れは不動産購入の流れを見てください。
売り方
主な売り方は次のとおりです(settled.govt.nzのページ)。
| 売り方 | しくみ |
|---|---|
| 交渉(price by negotiation) | 価格を示さず、買い手のオファーをもとに交渉する。価格の見込みを立てにくいときに使われる |
| 価格の提示(advertised price) | 価格を示して売り出す。期限はなく、条件付きのオファーも受けられる |
| 期限付き(deadline sale) | 決まった期間売り出し、締め切り日を示す |
| テンダー(tender) | 締め切りまでに書面でオファーを受ける。条件付きのオファーもある。売り手は通常5営業日以内に決める |
| オークション(auction) | 最低落札価格(reserve)を超えた最高額の入札者に売る。落札で契約が成立し、条件は付かない |
settled.govt.nzによると、NZで多いのは交渉、価格の提示、期限付きの3つです。仲介業者を使わず、自分で売る方法(private sale)もあります。
仲介業者(real estate agent)
- NZの不動産仲介業者は、不動産業者法(Real Estate Agents Act 2008)の免許が必要です。
- 免許は、不動産業者局(REA、Real Estate Authority/Te Mana Papawhenua)の公開登録簿で確認できます。認められた苦情の記録も見られます。
- 仲介業者は売り手のために働きます。一方で、雨漏りや境界の問題、許可のない改築など、物件の重要な情報を買い手に伝える必要があります。
- 売り手にも、重要な情報を買い手に伝える義務があります。知っている問題を隠すと、売買が取り消されたり、訴えられたりすることがあります。
複数の業者に会い、価格の見込みや広告の提案を比べるよう、settled.govt.nzのページは勧めています。免許のない業者には、REAの苦情の制度が使えません。
仲介契約(agency agreement)
| 項目 | 内容(2026年10月時点) |
|---|---|
| 契約の種類 | 1社だけに任せる専任(sole agency)と、複数社に任せる一般(general agency) |
| 手数料(commission) | 交渉で決まる。業者は、見込みの売却価格をもとにした手数料の見積もりを書面で出す。手数料にはGSTがかかる |
| 契約前の案内 | 業者は署名の前に、REAの手引き(New Zealand Residential Property Agency Agreement Guide)を渡す |
| 契約書の写し | 業者は署名から48時間以内に写しを渡す |
| 専任契約の取り消し | 写しを受け取った翌営業日の17時までに、書面で取り消せる |
| 90日を超える専任契約 | 住宅の場合、90日がたった後はどちらからでも解約できる |
専任契約の期間中にほかの業者とも契約すると、手数料を二重に払うことになるおそれがあります。署名の前に弁護士に見てもらうよう、settled.govt.nzは勧めています(REAのページ、settled.govt.nzのページ)。
売買契約(Sale and Purchase Agreement)
- 売買契約は、売り手と買い手の間の法的な拘束力のある契約です。署名の前に、弁護士かコンベヤンサー(conveyancer)に確認してもらいます。
- 契約には、価格、手付金、決済日、条件と期限、動産の一覧(chattels)などが入ります。
- 建物に固定されたもの(fixtures)は物件と一緒に移ります。それ以外で売るもの(コンロ、ブラインド、ヒートポンプなど)は一覧に書きます。
- 売り手は、決済まで保険を続けます。
- 条件が満たされたら、売り手は売却を完了させる義務があります。決済が遅れると、補償を求められることがあります。
- 買い手の手付金は、通常10営業日、信託口座で預かられてから売り手に渡ります。
詳しくはsettled.govt.nzのページで確認してください。
決済(settlement)
- 弁護士かコンベヤンサーが代金を受け取り、LINZ(土地情報局)のシステムで所有権の移転を登記します。
- 売り手は、窓の鍵、車庫のリモコン、警報装置の番号を含め、すべての鍵を買い手に渡します。
- 家はきれいにして、ごみや持ち物を残さないようにします。決済日より前に引っ越しておくよう勧められています。
詳しくはsettled.govt.nzのページで確認してください。
税金(ブライトライン・テスト)
2024年7月1日以降に売る住宅では、取得から2年以内に売ると、売却益に所得税がかかることがあります。期間は通常、所有権が移った日(決済日)から、売却の拘束力のある契約を結んだ日までです。自宅(main home)として使っていた場合などは、条件を満たせば対象外です。
海外に住む人など(offshore RLWT person)がこの対象になる売却をすると、売却時に住宅用地源泉税(RLWT)が差し引かれることがあります。期間を過ぎていても、転売目的で買った場合などは別の税のルールがかかることがあります。詳しくはInland Revenueのページで確認してください。賃貸に出していた物件は家賃収入の税金も見てください。
手順
- 住宅ローンの残り、売却にかかる費用、税金を確認する。
- 弁護士かコンベヤンサーを決める。
- 売り方と、仲介業者に頼むか自分で売るかを決める。業者に頼む場合は、REAの登録簿で免許を確認し、複数社を比べる。
- 仲介契約の内容(手数料、期間、広告費)を確認して署名する。
- 物件の重要な情報を整理し、売り出す。
- オファーを受け、売買契約を結ぶ(署名前に弁護士などが確認)。
- 条件が満たされたら、決済日までに引っ越し、決済日に鍵を渡す。
費用
主な費用は次のとおりです(2026年10月時点)。
| 費用 | 内容 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 交渉で決まる。GSTがかかる。通常は手付金から差し引かれる |
| 広告費 | 通常、仲介契約のときに前払いする |
| 弁護士・コンベヤンサーの費用 | 決済の代金から差し引かれることがある |
| 準備の費用 | LIMや建物検査の報告書、修繕など |
前払いしたレイツ(rates、固定資産税)や管理組合の費用は、決済のときに買い手との間で精算されます。住宅の売却には、通常GSTはかかりません(settled.govt.nzのページ)。
日本との違い・注意点
- 仲介手数料は交渉で決まります。契約前に、見積もりの計算方法とGSTの扱いを書面で確認してください。
- 専任の仲介契約は、写しを受け取った翌営業日の17時まで取り消せます。
- 許可のない改築など、知っている問題は買い手に伝える必要があります(建築確認とリフォーム)。
- オークションでは、落札した時点で契約が成立します。
- 取得から短い期間で売ると、ブライトライン・テストで税金がかかることがあります。自分が対象になるかは、Inland Revenueか税理士に確認してください。