数字で見るNZの羊と牧羊(Sheep farming in New Zealand)
ひとことで言うと…
NZの羊は2,278万頭(2026年6月30日、Beef + Lamb New Zealandの推計)で、人口1人あたり約4頭です。1982年の7,030万頭をピークに減り続けており、羊から肉用牛への切り替えも進んでいます。羊の数と牧羊の歴史を、統計局と業界団体の数字でまとめます。
目次
詳細
NZは羊の多い国として知られています。ここでは、統計局のStats NZ(Tatauranga Aotearoa)、羊と肉牛の農家の団体Beef + Lamb New Zealand(B+LNZ)、政府の歴史・文化サイトTe Ara(テ・アラ)の数字をまとめます。
今の羊の数
B+LNZは毎年、6月30日時点の家畜の数を推計しています(Stock Number Survey)。2026年8月の発表は次のとおりです。
| 項目 | 2025年6月30日 | 2026年6月30日 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 羊の総数 | 2,325万頭 | 2,278万頭 | 47万1,000頭(2.0%)減 |
| 繁殖用の雌羊(breeding ewes) | 1,442万頭 | 1,415万頭 | 約26万8,000頭(1.9%)減 |
| 肉用牛(beef cattle) | 383万頭 | 396万頭 | 約12万7,000頭(3.3%)増 |
島ごとの羊の数(2026年6月30日)は、北島が1,114万頭(3.0%減)、南島が1,164万頭(1.1%減)です。数字はB+LNZの2026年の調査報告(PDF)で確認できます。
Stats NZの人口推計では、2026年6月30日のNZの人口は535万7,300人(暫定値)です(Stats NZの人口推計)。同じ日付で比べると、羊は人口1人あたり約4頭になります。
Stats NZの数字
Stats NZの農業生産統計(Agricultural production statistics)では、羊は2024年6月時点で2,360万頭でした。10年前より620万頭(21%)減っています(Stats NZのお知らせ)。
B+LNZとStats NZは、調べ方や時点が違います。数字を引用するときは、どちらの数字か、いつの時点かを添えましょう。牛の数などは数字で見るNZにまとめています。
羊が減っている理由
B+LNZは、2026年に羊が減った主な理由として次の点を挙げています。
- 家畜の価格が高く、6月30日より前に羊を売った農家が多かった
- 肉牛の収益が続いていることと、人手が少なくて済むことから、羊より牛を増やす農家が続いた
- 2025年の春に生まれた子羊が少なかった
2025年8月の発表では、2017年以降に植林(afforestation)で失われた家畜の単位(stock units)は260万で、減少全体の78%にあたるとしています(B+LNZの2025年の発表)。
羊の数の移り変わり
Te Araによると、羊の数は1982年に7,030万頭でピークになりました。2021年には2,530万頭まで減っています。
| 年 | 羊の数 | 数字の出どころ |
|---|---|---|
| 1982年 | 7,030万頭(ピーク) | Te Ara |
| 2021年 | 2,530万頭 | Te Ara |
| 2024年6月 | 2,360万頭 | Stats NZ |
| 2026年6月30日 | 2,278万頭 | B+LNZ(推計) |
牧羊の歴史
Te Araの牧羊の解説から、主なできごとをまとめます。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1773年、1777年 | ジェームズ・クックが羊を連れてきたが、定着しなかった |
| 1814年 | サミュエル・マースデンが、オーストラリアのニューサウスウェールズからベイ・オブ・アイランズに羊を持ち込んだ |
| 1882年 | 船「ダニーデン号(Dunedin)」で、冷凍肉が初めてイギリスへ送られた |
| 1856〜1967年 | この112年のうち89年、羊毛がNZで最も価値の高い輸出品だった |
| 1992年以降 | 酪農の収益が牧羊を上回った |
冷凍の船ができたことで、羊毛だけでなく羊肉も遠いイギリスへ売れるようになりました。冷凍肉の輸出は、1895年に230万頭分、1910年に580万頭分になりました。
主な羊の品種
| 品種 | Te Araの説明 |
|---|---|
| メリノ(Merino) | スペイン原産。初期の牧羊の中心だった |
| ロムニー(Romney) | 2000年代初めに、国内の羊の約3分の2を占めていた |
| コリデール(Corriedale) | NZで最初に作られた品種。1868年からノース・オタゴで改良された |
| ペレンデール(Perendale) | 1960年に品種として登録された |
| クープワース(Coopworth) | 1960年代に作られた。2000年代初めに約700万頭いた |
羊肉と牛肉の輸出
B+LNZによると、羊肉と牛肉などの赤身肉(red meat)の輸出額は2024年にNZ$104億で、NZの輸出収入の20%近くを占めています。スーパーで買うラム肉や牛肉についてはラム肉と牛肉を読んでください。
日本との違い・注意点
ここが日本とちがうよ!
- 地方の道路では、羊の群れが道を横切ったり、道いっぱいに歩いたりすることがあります。速度を落として、群れが通り過ぎるのを待ちましょう。地方の道路の走り方は地方の道路の運転を読んでください。
- 牧場の多くは私有地です。羊の写真を撮りたいときも、許可なく柵の中に入ってはいけません。
- 「羊は人の何倍」という数字は、年によって変わります。羊は減り続けているため、古い数字をそのまま使わないようにします。