ファンガヌイ(Whanganui)とファンガヌイ川
ファンガヌイは北島の西海岸にある町で、NZで最も長く船で航行できるファンガヌイ川の河口にあります。川はカヌーで下るグレートウォーク「ファンガヌイ・ジャーニー」の舞台で、2017年の法律で「法人格」を持つ存在(テ・アワ・トゥプア)と認められました。町には再開館したサージェント美術館があります。
詳細
ファンガヌイ(Whanganui)は、北島の西海岸にある町です。政府観光局(Tourism New Zealand)は、NZで最も早くできた町の一つとして紹介しています(政府観光局のページ)。自治体はファンガヌイ地区カウンシル(Whanganui District Council)です。
日本語では「ファンガヌイ」と書きます。マオリ語の読み方は「マオリ語の地名」を読んでください。
政府観光局は、町の特徴として次のようなものを挙げています。
- 歴史的な建物、博物館、歴史のある庭園があります。
- 黒い砂の浜があり、タラナキ山(Taranaki Maunga)やルアペフ山(Mt Ruapehu)が見えます。
- 美術、グラフィックデザイン、写真、ガラス工芸、ファッションなど、芸術の町として知られています。
- クックス・ガーデンズ(Cooks Gardens)のウォード天文台(Ward Observatory)には、NZで最も大きい、改造されていない屈折望遠鏡があります。金曜の夜に一般向けの星空観察があります。
ファンガヌイ川
政府観光局のページによると、ファンガヌイ川は「NZで最も長く、船で航行できる川」です。かつては「NZのライン川」と呼ばれていました。川の上流から中流はファンガヌイ国立公園(Whanganui National Park)の中を流れます。
DOC(自然保護省)のページによると、川への主な入口はピピリキ(Pipiriki)、オヒネパネ(Ohinepane)、ファカホロ(Whakahoro)です。タウマルヌイ(Taumarunui)やファンガヌイへは定期バスがあり、送迎サービスもあります。国立公園に犬は連れて入れません。
テ・アワ・トゥプア(Te Awa Tupua):法人格を持つ川
ファンガヌイ川は、法律で「法人(legal person)」と認められた川です。根拠は「Te Awa Tupua (Whanganui River Claims Settlement) Act 2017」で、2017年3月20日に国王の裁可を受けました。主な内容は次のとおりです。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 12条 | テ・アワ・トゥプアは、山から海までのファンガヌイ川全体を、物理的な要素と精神的な要素を含めて一つの生きた存在とする |
| 13条 | 4つの基本的な価値(Tupua te Kawa)を定める。その一つが「Ko au te Awa, ko te Awa ko au(私は川であり、川は私である)」で、イウィ(iwi)やハプー(hapū)と川の切り離せないつながりを表す |
| 14条 | テ・アワ・トゥプアは法人であり、法人としての権利、権限、義務、責任を持つ |
| 18〜20条 | テ・ポウ・トゥプア(Te Pou Tupua)を「テ・アワ・トゥプアの人間の顔」として置く。2人で、1人は川に関わるイウィが、もう1人は国が指名する |
法律の名前のとおり、ファンガヌイ川をめぐる請求の解決(Claims Settlement)のための法律です。請求の解決の仕組みについては「条約に基づく和解」を読んでください。
ファンガヌイ・ジャーニー(Whanganui Journey)
ファンガヌイ・ジャーニーは、DOCのグレートウォーク(Great Walks)の一つで、歩くのではなくカヌーやカヤックで川を下ります。政府観光局は「NZで唯一の、水上のグレートウォーク」と紹介しています。
DOCの比較ページとファンガヌイ・ジャーニーのページによると、概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 距離 | 87kmまたは145km(ルートによる) |
| 日数 | 3〜5日 |
| 出発 | タウマルヌイまたはファカホロ |
| 到着 | ピピリキ |
| 近くの町 | ファンガヌイ、タウマルヌイ、オハクネ(Ohakune) |
| グレートウォーク・シーズン | 10月1日〜4月30日。この期間はハットとキャンプ場の事前予約が必要 |
| ハット | ファカホロ・バンクルーム(Whakahoro Bunkroom)、ジョン・クール・ハット(John Coull Hut)、ティエケ・カインガ(Tīeke Kāinga) |
| キャンプ場 | オヒネパネ、ポウカリア、マハラヌイ、ファカホロ、マンガパパ、オハウオラ、マンガワイイティ、マンガプルア、ンガポロ |
- カヌーなどの道具の貸し出し、食料、送迎は、川の入口に近い町で手配できます。ガイド付きやガイドなしのツアーを行う民間の会社もあります。
- 泳ぎに自信があり、カヌーの経験がある人向けです。ライフジャケットの着用が必要です。
- 冬(5月〜9月)は川の水位が高く、水がとても冷たく、日が短くなります。冬に下るのは経験のある人だけにするよう、DOCは案内しています。
予約の方法は「グレートウォーク」、ハットとキャンプ場は「DOCの山小屋とキャンプ場」を読んでください。
川の上での決まり
DOCは、ファンガヌイ・ジャーニーを旅する人に、テ・アワ・トゥプアについて知り、川を生きた存在として尊重するよう求めています。
- 川の上と、ティエケ・マラエ(Tīeke Marae)/カインガでは、文化への敬意から飲酒が禁止されています。
- マラエを訪れるときの作法は「マラエ訪問」を読んでください。
ブリッジ・トゥ・ノーウェア(Bridge to Nowhere)
国立公園の中にある、使われなくなった橋です。政府観光局によると、1936年に入植した農家のために作られ、1942年に放棄されました。DOCによると、第一次世界大戦後の帰還兵の入植計画でできたマンガプルア谷(Mangapurua Valley)の農場の名残です。
マンガプルア・ランディング(Mangapurua Landing)から往復3km、約1時間30分の道を歩いて行きます。政府観光局によると、ジェットボートでも行けます。
サージェント美術館(Te Whare o Rehua Sarjeant Gallery)
町のプケナム・クイーンズ・パーク(Pukenamu Queen’s Park)にある美術館です。美術館のページによると、次のとおりです。
- 1919年に開館した、NZで最も古い美術館の一つです。
- 約10年間の改修のあと、2024年11月に再開館しました。最初の12か月の来館者は13万人を超えました。
- 面積は4,500m²を超え、10の展示室、読書室と図書室、カフェ、ショップなどがあります。
開館時間と料金は美術館のページで確認してください。
日本との違い・注意点
- ファンガヌイ川は、法律で法人格を認められた存在です。DOCは訪れる人に、川を生きた存在として尊重するよう求めています。川の上での飲酒は禁止されています。
- ファンガヌイ・ジャーニーは、グレートウォーク・シーズン(10月1日〜4月30日)はハットやキャンプ場の事前予約が必要です。予約なしでは泊まれない前提で計画してください。
- 川は雨で増水し、冬は水がとても冷たくなります。水の事故の防ぎ方は「水の安全」を読んでください。
- ファンガヌイ国立公園には犬を連れて入れません。