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住まい / 賃貸

テナンシー審判所と調停(Tenancy Tribunal / Mediation)

概要

家主とテナントの話し合いで解決しないトラブルは、テナンシー審判所(Tenancy Tribunal)に申し立てます。申立はオンラインで行い、手数料は2026年7月1日からNZ$29です。多くの場合、まず電話の調停(mediation)で話し合い、合意できなければ審判所の審理で決定が出ます。賃貸に住む人と家主向けです。

詳細

テナンシー審判所(Tenancy Tribunal)は、家主とテナントのトラブルを解決する機関です。法務省(Ministry of Justice)の一部で、申立の受付や日程の調整はテナンシー・サービス(Tenancy Services)が行います。ユニットタイトル(unit title)の建物をめぐるトラブルも扱います(法務省のページ)。

申し立てる前に、まず相手と話し合い、14日間の是正通知(14-day notice to remedy)を出すのが一般的な流れです。入居中の権利と義務、是正通知についてはテナント法の基本を見てください。

解決の方法

方法内容
調停(mediation)中立の調停人(mediator)が話し合いを手伝う。調停人は何も決めない。多くは電話で行う
FastTrack Resolution家主とテナントがすでに合意している内容を、調停の日程を組まずに正式な命令にする
審判所の審理(hearing)審判官(adjudicator)が両方の話を聞き、法的な拘束力のある命令を出す

詳しくはTribunalのページと調停のページで確認してください。

調停(mediation)

  • 調停は、家主とテナントの両方が任意で参加します。
  • 調停人は賃貸の問題にくわしく、法律についての質問にも答えます。ただし、弁護士や裁判官ではなく、解決策を押しつけることはありません。
  • ほとんどの調停は電話で行われます。
  • 調停を録音することは、Tribunalの指示で禁止されています。

合意できた場合は、調停人が合意内容を命令書(mediator’s order)にまとめ、Tribunalに送ります。審判官が署名して封印(seal)すると、法的な拘束力のある命令になります。合意できなかった場合は、多くの場合、Tribunalの審理に進みます。詳しくは調停の流れのページと調停後のページで確認してください。

FastTrack Resolution

家主が申し立てる手続きで、すでに合意した内容を、調停人の命令として正式にするものです。

  • 主な対象は、家賃の滞納などのお金の問題、14日間の是正通知の期限が過ぎた滞納による契約の終了、ボンドや水道代の未払いの分割払いなどです。
  • 問題が3つ以上ある場合、テナントが複数いる場合、損傷の請求、通訳が必要な場合などには使えません。
  • 申立のあと、調停人が2営業日以内にテナントに連絡し、合意の内容を確認します。テナントに連絡がつかない場合は、通常の審理に進みます。

詳しくはFastTrack Resolutionのページで確認してください。

審理(hearing)

  • 審理は、裁判所、電話、オンラインのビデオ会議のいずれかで行われます。
  • 普通の裁判より形式ばっていません。申し立てた人が先に話し、そのあと相手が答えます。証人が話すこともでき、審判官が質問をすることもあります。
  • 審判官は、住宅賃貸法(Residential Tenancies Act 1986)が状況にどう当てはまるかに基づいて決定します。
  • 言いたいことは、事前に書き出してまとめておくとよいと案内されています。証人が出席できない場合は、陳述書などを用意します。
  • Tribunalの命令は公開情報で、法務省のウェブサイトに載り、審理が行われた地方裁判所(District Court)でも入手できます。

審理の日程は、緊急性、請求の数、相手からの反対の請求、場所などによって決まります。詳しくは審理のページと日程のページで確認してください。

命令の種類と守られないとき

命令内容
調停人の命令(封印なし)問題がすでに解決したときなどに、合意を記録する
封印された調停人の命令守らなかった場合の結果を含む約束を記録する
Tribunalの命令審理のあとに、決定とその理由を記録する
  • テナントが命令を守らないと、通常は契約が終わり、滞納分などをすぐに払う必要があります。
  • 家主が修理などの命令を守らないと、多くの場合、テナントは修理が終わるまで家賃を減らして払えます。定期契約(fixed-term)のテナントは契約を終えられることもあります。
  • 命令は、法務省の徴収部門(Collections Unit)を通じて強制されます。
  • Tribunalは、申立が認められた人の名前などを公開の記録から外す命令(suppression order)を出すこともあります。

詳しくは決定のページで確認してください。

決定に納得できないとき

手続き期限主な条件
再審理(rehearing)決定から5営業日以内決定が大きく間違っている、不当な結果になるおそれがある、新しい証拠が出た。申立の手数料はかからない
地方裁判所への上訴(appeal)決定から10営業日以内(期限後は不可)争う金額や工事の価値がNZ$1,000未満の場合、仮の命令の場合は上訴できない。地方裁判所に手数料を払う

詳しくはTenancy Servicesのページと法務省のページで確認してください。

手順

  1. 相手と話し合い、合意できたら書面に残す。必要なら14日間の是正通知を出す。
  2. RealMe®のログインを用意する(作成は数分で済みます)。
  3. 契約書、是正通知、やりとりの手紙などを電子データで用意する。ボンドの請求ならボンド番号も用意する。
  4. Tenancy Servicesのオンライン申立(4ステップ、約10分)で申し立て、手数料を払う。途中で保存して、30日以内に続きを入力できます。
  5. 調停の案内、FastTrackの確認、または審理の通知(notice of hearing)を待つ。通知には、争いの内容と日時・場所が書かれています。
  6. 調停や審理に参加し、決まった内容を守る。

申立書は、法律用語を使わずに分かりやすい言葉で書くよう案内されています。テナント側は契約書に名前のある全員を申立人にします。家賃の滞納なら家賃の支払い記録の一覧、損傷なら項目ごとの金額と見積書・請求書を添えます。書類はA4・片面で、原本や写真、銀行の明細は申立には付けず、調停や審理に持っていきます。紙の申立書もあります。詳しくは申立のページと申立書の書き方のページで確認してください。

費用

2026年10月時点の金額です。

項目金額
Tenancy Tribunalの申立手数料NZ$29(2026年7月1日以降の申立。それまではNZ$28)
再審理の申立手数料なし
地方裁判所への上訴地方裁判所への申立手数料と審理の手数料がかかる
  • 申立手数料は、申し立てた人が払います。オンラインではVisa、MasterCard、主な銀行のオンラインバンキングで払えます。
  • 申立が認められた場合、Tribunalが相手に手数料の負担を命じることがあります。
  • 二重に払った場合や申立を出していない場合を除き、手数料は返金されません。
  • 給付金を受けている人は、Work and Incomeの支援を受けられることがあります。

詳しくは手数料変更のお知らせと申立のページで確認してください。

日本との違い・注意点

  • 賃貸のトラブルは、通常の裁判所ではなく、専門のTribunalで扱います。手数料はNZ$29で、オンラインで申し立てられます。
  • 調停の多くは電話で行われます。英語での話し合いに不安がある場合は、事前に要点をメモにまとめておくと安心です。
  • Tribunalの命令は公開され、名前が載ることがあります。
  • 上訴の期限は決定から10営業日で、期限を過ぎると上訴できません。
  • 申立書には法律の条文を引用する必要はありません。審判官が法律を当てはめ、必要なら追加の情報を求めます。
  • 自分のケースで申し立てるべきかなど個別の判断は、Tenancy Services、市民相談所(Citizens Advice Bureau)、弁護士に相談してください。

関連項目

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