自然・防災 / 気候
NZの気候変動(Climate change in New Zealand)
概要
NZの年平均気温は1909年から2022年までに約1.26℃上がりました。NZの温室効果ガスの排出は農業が約半分を占めます。法律で2050年までの削減目標を定め、排出量取引制度(NZ ETS)などで削減を進めています。
詳細
観測されている変化
環境省(MfE、Ministry for the Environment)の報告書「Our atmosphere and climate 2023」では、次の変化が報告されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 気温 | 年平均気温は1909年から2022年までに1.26℃(±0.27℃)上昇 |
| 暑い年 | 記録上最も暑い10年のうち8年が、直近の10年間 |
| 最も暑い日 | 人が多く住む地域で、1年で最も暑い日の気温が過去20年で0.5℃以上上昇 |
| 雨 | 1960〜2022年に、30地点のうち15地点で年間雨量が増え、8地点で減った。南は雨が多くなり、北と東は乾燥する傾向 |
| 大雨 | 2007〜2017年の被害が大きかった洪水10件のうち9件が、大気の川(atmospheric river)によるもの |
NZの温室効果ガスの排出
MfEの温室効果ガス・インベントリ(1990〜2024年)によると、2024年の排出量は次のとおりです。
| 項目 | 2024年 |
|---|---|
| 総排出量(gross) | 7,580万トン(CO2換算)。2023年より0.1%減 |
| 純排出量(net、森林の吸収などを差し引いた量) | 5,480万トン(CO2換算)。2023年より2%減 |
総排出量は2006年が最も多く、2019年以降はおおむね減っています。
部門別・ガス別の割合は次のとおりです。
| 部門 | 割合 | ガス | 割合 |
|---|---|---|---|
| 農業 | 53% | メタン | 48% |
| エネルギー | 38% | 二酸化炭素 | 41% |
| 一酸化二窒素 | 9% |
農業の割合が大きく、家畜から出るメタンが多いのがNZの特徴です。
2050年の削減目標
NZは、気候変動対応法(Climate Change Response Act 2002)で2050年の目標を定めています。気候変動委員会(Climate Change Commission)のページによると、目標は次のとおりです。
| 対象 | 目標 |
|---|---|
| 生物由来のメタン以外の温室効果ガス | 2050年までに実質ゼロ(net zero)以下にし、その後も維持 |
| 生物由来のメタン(biogenic methane) | 2030年までに2017年比で10%以上削減 |
| 生物由来のメタン | 2050年までに2017年比で14〜24%削減し、その後も維持 |
生物由来のメタンは大気中での性質がほかのガスと違うため、別の目標になっています。2050年のメタンの目標は、2025年12月の法改正(Climate Change Response (2050 Target and Other Matters) Amendment Act 2025)で、それまでの「24〜47%削減」から変わりました(2026年10月時点)。
排出量取引制度(NZ ETS)
排出量取引制度(NZ ETS、New Zealand Emissions Trading Scheme)は、排出を減らすための政府の仕組みの1つです。気候変動委員会のページによると、仕組みは次のとおりです。
- NZユニット(NZU)1単位は、二酸化炭素1トン、またはほかの温室効果ガスの同じ量にあたります。
- 対象の部門の事業者は、排出1トンごとに1 NZUを政府に納めます。
- 森林は二酸化炭素を吸収するため、森林の所有者はユニットを得られます。
- 政府はユニットの供給量を決め、時間とともに減らします。価格は需要と供給で決まります。
- 農業以外の全ての部門が、この制度を通じて排出の費用を負担しています。
日本との違い・注意点
関連項目
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