中古車の買い方(Buying a used car)
NZで中古車を買うときは、ディーラー(登録業者)から買うか個人から買うかで、受けられる保護が大きく違います。購入前にPPSRで借金が残っていないかを調べ、WoFとレジストレーション(rego)を確認します。買ったら売主と買主の両方がNZTAに名義変更を届け出ます。
詳細
ディーラーと個人売買の違い
中古車は、ディーラー(登録された自動車販売業者、registered motor vehicle trader)から買う方法と、個人から買う方法があります。どちらから買うかで、法律による保護が大きく違います。
| ディーラー | 個人(private seller) | |
|---|---|---|
| 消費者保証法(Consumer Guarantees Act、CGA) | 適用される | 適用されない |
| CIN(下記)の表示 | 必要 | 不要 |
| トラブルの相談先 | 自動車紛争審判所(MVDT) | 紛争審判所(Disputes Tribunal) |
ディーラーから買う場合
ディーラーは消費者保証法と公正取引法(Fair Trading Act)を守る必要があります。消費者保証法により、車は次の条件を満たさなければなりません。
- 品質が許容できる(見た目・仕上がりが妥当で、丈夫で安全)
- 目的に合う
- 広告などの説明どおりである
「現状のまま(as is where is)」と書かれた契約でも、消費者保証法の保護はなくなりません。違反があれば、修理・交換・返金を求められることがあります。
ディーラーは登録が必要です。自動車販売業者の登録簿(Motor Vehicle Traders Register)で登録を確認できます。
CIN(Consumer Information Notice)
ディーラーが売る中古車には、CIN(消費者情報表示)が必要です。CINには主に次の情報が載っています。
- 年式・メーカー・車種、VIN(車両識別番号)・車台番号
- 走行距離(オドメーター)
- 借金(担保)が残っているかどうか
- ディーラーの登録情報
- 現金価格(GST、登録・ライセンス費用を含む)
- 消費者の権利についての情報
CINはディーラーが記入し、買主とディーラーの両方が署名します。
個人から買う場合
消費者保証法は事業者が売るものにだけ適用されるため、個人売買には適用されません。ただし、売主のうその説明を信じて買った場合や、売主に売る権利がなかった場合などは、対応を求められることがあります。
12か月間に7台以上を売るか、4台以上を輸入する人は、業者として登録する必要があります。個人を装った業者でないか、登録簿で確認できます。
PPSRで借金が残っていないか調べます
前の持ち主が車を担保にお金を借りていると、買った後に車を差し押さえられる(repossess)ことがあります。動産担保登録簿(Personal Property Securities Register、PPSR)で、担保が登録されていないかを調べます。
- ナンバー(registration number)、車台番号、VINで検索できます。ナンバーは変わることがあるため、17桁のVINでの検索が勧められています。
- 結果は検索した日時の時点のものです。
- 結果に担保が出なければ、差し押さえられる可能性は低いとされています。
ディーラーはCINで借金の有無を示す義務がありますが、自分でも検索しておくと安心です。
そのほかの確認点
- 有効なWoF(Warrant of Fitness、車検にあたる安全検査)があるか
- 有効なレジストレーション(vehicle licence、通称rego)があるか
- 事故で全損扱い(written-off)になった車や、水没の跡がないか
- 走行距離に不自然な点がないか、盗難車でないか
- 専門の業者による点検(pre-purchase inspection)で隠れた不具合を確認する
手順
- 予算を決める。車両価格だけでなく、保険・整備・WoFなどの維持費も含めて考える。
- 売主がディーラーか個人かを確認する。ディーラーなら登録簿とCINを確認する。
- PPSRで担保が登録されていないか検索する。
- WoFとregoが有効か、事故・水没・走行距離などを確認し、点検を受ける。
- 契約して代金を払う。
- 名義変更を届け出る(下記)。
名義変更(change of ownership)
車を売り買いしたら、売主と買主の両方がNZTA(NZ Transport Agency Waka Kotahi)に届け出ます。
- 買主:NZTAのオンライン手続き(Bought a vehicle)で届け出ます。NZの運転免許とナンバーが必要です。NZの免許がない人は、NZTAの窓口(agent)で手続きします。会社名義の場合も窓口で手続きします。
- 売主:NZTAのオンライン手続き(Sold or disposed of a vehicle)で、買主の氏名と住所を届け出ます。NZの免許がない場合は0800 108 809に電話します。
費用
た金額です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| PPSRの自動車検索 | NZ$2(GST別) |
| 名義変更の届出(買主、オンライン) | 支払い不要 |
| 自動車紛争審判所への申立て | NZ$89(返金・免除なし) |
窓口で名義変更をする場合の手数料は、NZTAの窓口で確認してください。売主の届出の際、未払いのライセンス料があれば登録者に請求書が送られます。
トラブルになったとき
ディーラーとのトラブル
まずディーラーに連絡して、解決を話し合います。ディーラーが自動車業者団体(Motor Trade Association、MTA)の会員なら、仲介を頼めることがあります。
解決しない場合は、自動車紛争審判所(Motor Vehicle Disputes Tribunal、MVDT)に申し立てられます。
- 対象:登録業者(または登録すべき業者)から買った車で、消費者保証法か公正取引法の違反があると考える場合
- 車両総重量3,500kg未満の車に限る
- 請求額は原則NZ$100,000まで(双方が書面で同意すれば超えることも可)
- 多くの申立ては3か月以内に解決しています
- 主張を証明する責任は申立てる側にあります。広告、やりとり、修理の請求書、写真などを保管しておきます
詳しくは法務省の自動車紛争審判所のページで確認してください。
個人売買のトラブル
個人から買った車のトラブルは、自動車紛争審判所ではなく紛争審判所(Disputes Tribunal)で扱います。
日本との違い・注意点
- 個人売買には消費者保証法が適用されません。個人から買う場合は、購入前の確認がより重要です。
- 前の持ち主の借金が車に付いたままになることがあります。PPSRの検索で確認してから買ってください。
- 名義変更は、売主と買主がそれぞれNZTAに届け出ます。NZの免許がないと、買主はオンラインで手続きできません。日本の免許で運転している人は日本の免許からの切替も確認してください。
- 契約や紛争について判断に迷うときは、Consumer Protectionのページや専門家に相談してください。