求人詐欺に注意(Job scams)
NZの雇用主は、仕事と引き換えにお金を取ることも、採用の費用を働く人に払わせることもできません。SNSやメッセージアプリでの偽の求人も増えています。仕事を探している人と、ビザで働く人に向けて、見分け方と相談・報告の窓口をまとめます。
詳細
求人詐欺には、大きく分けて2つの種類があります。
- 仕事やビザと引き換えにお金を求めるもの(雇用主や仲介者による)
- 偽の求人で、お金や個人情報をだまし取るもの(オンラインの詐欺)
仕事のためにお金を払わせるのは違法
Immigration NZ(移民局)は、NZの雇用主は仕事の対価として料金を取ったり、採用にかかる費用を払わせたりできないと案内しています。このような支払いは「premium(プレミアム)」と呼ばれます。
政府の雇用情報サイトEmployment NZによると、雇用主がpremiumを取ることは賃金保護法(Wages Protection Act 1983)で禁じられています。2026年には、移民労働者から仕事の対価としてお金を取った雇用主に、罰金と返金が命じられた例が公表されています。
Immigration NZは、次のような場合に注意するよう呼びかけています。
| 注意すること | 内容 |
|---|---|
| 手数料の請求 | 仲介者から、手続き料や紹介料を求められる |
| 高額な料金 | 人材紹介会社から、高い料金を求められる |
| 仕事・ビザ・住まいのセット | NZでは仕事に住まいが付くことは一般的ではありません。セットにして、高い家賃を取る例があります |
| うその説明 | 「移民にはNZの人と同じ権利(有給休暇、病気休暇、安全に働く権利)はない」と言われる |
働く人は、ビザの種類に関係なく、最低限の雇用の権利で守られています。詳しくは働く人の権利を読んでください。
移民労働者の搾取(migrant exploitation)
Employment NZのページでは、次のような例を移民労働者の搾取として挙げています。
- 書面の雇用契約がない
- 仕事の紹介料を求められる、給料から差し引かれる
- 給料が少なく払われる、または払われない
- 労働時間の記録をごまかされる
- 休憩なしで長時間働かされる
- 祝日や年次有給休暇の分が払われない
- 自由に移動できない、パスポートを取り上げられる
- 望まない性的な行為を受ける
- ビザや家族への危害をちらつかせて脅される
搾取を報告した人は、移民労働者保護ビザ(Migrant Exploitation Protection Visa)で、調査の間、最長6か月NZに合法的にとどまれる場合があります。ビザの状況にかかわらず、申し立ては公平に扱われると案内されています。
オンラインの偽の求人
政府のサイバーセキュリティ情報サイト「Own Your Online」は、次のような手口を紹介しています。
- 求人サイトやSNSに偽の求人を出す。頼んでいないのに仕事のオファーを送ってくる。
- WhatsAppやTelegramなどのメッセージアプリに、すぐに会話を移そうとする。
- 本物の採用よりかなり早い段階で、個人情報や銀行口座の情報を求める。
- 面接のための航空券や宿泊費を立て替えさせ、「後で払い戻す」と言う。
- 最初に少額を払って信用させ、後で大きな金額の送金を求める。
- 応募の手続きとして、リンクからアプリをダウンロードさせる。
Own Your Onlineが挙げる見分けるポイントは、次のとおりです。
| 見分けるポイント | 内容 |
|---|---|
| 会社が確認できない | NZの会社登記(Companies Register)に載っていない、電話がつながらない、住所が確認できない |
| 給料が高すぎる | 経験がいらない仕事なのに、給料が高すぎる |
| メールの宛先がおかしい | 採用担当者のメールアドレスが、会社のドメインと違う |
| 急がせる | すぐに決めるよう迫る |
| 海外の人への誘い | 認定雇用主(Accredited Employer)ではない会社が、海外の人に仕事をオファーする |
手順
応募する前に
- 会社の公式サイトを自分で探し、求人が本当にあるかを確かめる。
- ビザのスポンサーになる雇用主なら、Immigration NZの認定雇用主の一覧で確認する。一覧は毎日更新されます。載せないことを選んだ雇用主もいるので、載っていない場合は雇用主に直接確認します。
- 雇用主と直接話し、面接を受けてから決める。
- 住まいが付く場合は、写真を見せてもらい、政府の賃貸情報サイトTenancy Servicesで家賃の相場と比べる。
- 仕事のためにお金を払うよう求められたら、払う前に相談する。
被害にあった・怪しいと思ったとき
- 相手との連絡をやめる。
- お金を送ってしまったら、すぐに銀行に連絡する。
- パスワードを変え、端末のセキュリティを確認する。
- 下の窓口に報告・相談する。
| 内容 | 窓口 |
|---|---|
| オンラインの詐欺 | NCSC(国家サイバーセキュリティセンター)の報告ページ |
| 警察への届け出(緊急でないもの) | 105 |
| 身の危険がある | 111 |
| 移民労働者の搾取・premiumの請求 | Employment NZ:0800 200 088(平日8:00〜17:30、祝日を除く)、またはEmployment NZのページの報告フォーム |
| 雇用全般の相談 | Employment NZ:0800 20 90 20(海外から +64 9 969 2950) |
| ビザに関する詐欺 | Immigration NZ:0508 558 855(NZ国内から無料)、+64 9 914 4100 |
Employment NZでは、180以上の言語で無料の電話通訳を使えます。日本語で相談したいときは、電話で「Japanese」と伝えてください。
ほかの詐欺の種類と対処法は詐欺への注意を読んでください。
費用
雇用主が、仕事の対価や採用の費用を働く人に払わせることはできません。Immigration NZは、人材紹介会社の高い料金にも注意するよう呼びかけています。
日本との違い・注意点
- NZでは、仕事と引き換えに雇用主にお金を払う必要はありません。求められたら違法の可能性があります。
- ビザのスポンサーを約束して、お金を求める例があります。ビザの手続きは認定雇用主の就労ビザ(AEWV)も読み、個別の判断はImmigration NZか登録移民アドバイザーに確認してください。
- 一時的なビザで働く人も、NZの人と同じ最低限の雇用の権利があります。「ビザがあるから権利がない」という説明はうそです。
- 求人の連絡がメッセージアプリに移ったら、注意しましょう。