プレデター・フリー2050(Predator Free 2050)
プレデター・フリー2050は、在来の鳥などを襲う外来の捕食動物(ネズミ、オコジョなどのイタチ類、ポッサム、野良猫)を、2050年までにNZ全土からなくすことを目指す国の取り組みです。住民は、自宅の庭でネズミのわなを仕掛けたり、地域のグループに参加したりして協力できます。
詳細
プレデター・フリー2050とは
自然保護省(DOC)のページによると、プレデター・フリー2050(Predator Free 2050、PF2050)は、最も害の大きい外来の捕食動物を国全体からなくすことを目指す目標です。
NZの在来の鳥の多くは飛べず、繁殖がゆっくりです(NZの動植物)。人が持ち込んだ捕食動物によって、多くの在来種が減っています。
対象の動物
2026年3月に政府が発表した戦略(Predator Free 2050 Strategy)では、対象を次のように定めています(DOCの戦略文書のページ)。
| 動物 | 内容 |
|---|---|
| ネズミ | クマネズミ(ship rat)、ドブネズミ(Norway rat)、ナンヨウネズミ(kiore) |
| イタチ類(mustelids) | オコジョ(stoat)、フェレット(ferret)、イイズナ(weasel) |
| ポッサム(possum) | フクロギツネ |
| 野良猫(feral cats) | この戦略で新しく対象に加わった |
野良猫の追加は、2025年11月21日に自然保護大臣が発表しました。大臣は、家で飼われているペットの猫は対象ではないと説明しています(DOCの発表)。
それぞれの動物の害
| 動物 | DOCの説明 |
|---|---|
| ポッサム | 1837年に毛皮をとるためオーストラリアから持ち込まれた。木の葉や花、果実を食べ、鳥やその卵も襲う。牛の結核(bovine tuberculosis)を広げる |
| オコジョ | 1879年ごろからウサギ対策で持ち込まれた。多くの絶滅危惧種にとって最大の天敵で、キーウィのひなも襲う |
| ネズミ | 鳥、卵、ひな、トカゲ、ウェタ(weta)などの昆虫、種や果実を食べる。クマネズミは木に登って巣を襲う |
詳しくはDOCのポッサム、オコジョ、ネズミのページで確認してください。
2030年までの目標
戦略の本文(PDF)では、2030年までの5つの目標を挙げています。
- NZの人の2人に1人がPF2050を知っている。
- 大規模なPF2050の事業は全て、地域のイウィ(iwi)・ハプー(hapū)の願いを支える。
- 捕食動物を減らすことで、絶滅危惧種の数を保ち、増やす。
- 捕食動物のいない地域に、再び入り込まれるのを防ぐ方法を、より速く安くする。
- NZの都市の1つから捕食動物をなくす。
DOCのページによると、取り組みは「行動を広げる」「成果を保つ」「根絶の技術を開発する」「全国規模に向けて準備する」の4つを柱にしています。
毒餌(1080)を使う駆除
DOCは、国の土地(public conservation land)での捕食動物の駆除に、1080という毒を使っています(DOCの1080のページ)。
DOCの1080と犬のページによると、犬は1080に非常に弱く、毒餌や、毒で死んだネズミ・オコジョ・ポッサムを食べるとたいてい死んでしまいます。
- 1080をまいた場所の入り口には、注意の看板が立ちます。
- 死骸が分解されるまで、ふつう4〜8か月かかります。看板は、毒の残りや死骸がなくなるまで立てられます。
- その場所を避けられないときは、犬に口輪をつけるか、短いリードで拾い食いを防ぎます。
- 犬が食べたかもしれないときは、すぐに動物病院へ連れて行きます。向かう前に電話で知らせます。
手順
自宅の庭でネズミのわなを仕掛ける方法です。DOCの庭でのわなのページとPredator Free NZ Trustのページをもとにまとめます。
- ネズミ用のわなと、わなを入れる箱(トンネル)を用意する。箱は買うことも、自分で作ることもできます。
- わなを箱の奥のほうに置く。子どもやペットの指をはさまないためです。
- ピーナッツバターなどのえさを付ける。
- 壁や土手のそば、コンポストや果物が落ちる木の近くなど、ネズミが通る場所に置く。開けた芝生の真ん中は避ける。
- 最初の2週間ほどは1〜2日おきに確認する。かからなくなってきたら、確認の間隔を空ける。えさは定期的に取り替える。
- わなや捕まえた動物に触るときは、必ず手袋をする。
ポッサム用のわなもあります。どのわなを選ぶかは、Predator Free NZ Trustのページで確認してください。
動物福祉法(Animal Welfare Act 1999)では、残酷な方法で動物を殺すことは違反です。DOCは、認められた方法で駆除するよう案内しています。
近くで活動しているグループは、Predator Free NZ Trustの地図で住所を入れて探せます。
日本との違い・注意点
- NZでは、ネズミやポッサムを駆除することが、在来の鳥を守る国の取り組みの一部になっています。住民が自宅の庭でわなを仕掛けることも、その一つです。
- 対象は野良猫で、飼い猫は対象ではありません。
- 山や森を犬と歩くときは、1080の注意の看板に気をつけてください。DOCの土地に犬を連れて入るには、そもそも許可が必要な場合があります(NZの動植物)。