家の暖房の種類と選び方(Home heating options)
NZの家の主な暖房は、ヒートポンプ、電気ヒーター、薪・ペレットストーブ、ガスヒーターです。EECAは、居間などの広い部屋にはヒートポンプが一般に最も安く、排出も少ないとしています。薪ストーブの設置には建築許可が必要で、カウンシルや地方議会の大気のルールもあります。暖房を選ぶ人、買い替える人向けです。
詳細
暖房の選び方の公式情報は、エネルギー効率保全庁(EECA、Energy Efficiency and Conservation Authority)が出しています。Gen Less(genless.govt.nz)の家庭向けページを開くと、現在はEECAの家庭向けページに移ります。使い方の節約は光熱費を抑えるを見てください。
暖房の種類の比較
EECAの案内をまとめると、次のとおりです(EECAのページ)。
| 種類 | 特徴 | 向いている場所 |
|---|---|---|
| ヒートポンプ(heat pump) | 一般に最も安く、排出が少ない | 居間など広い部屋 |
| 電気ヒーター | 持ち運べるものが多い | 寝室、書斎など小さい部屋 |
| 薪・ペレットストーブ | 再生可能な燃料。ガスより安く、ヒートポンプより高い | 設置には建築許可が必要 |
| 煙突のないガスヒーター(unflued) | 最も費用が高い種類になりやすい | EECAは避けるよう勧めている |
ヒートポンプ
ヒートポンプは、NZで「heat pump」と呼ばれるエアコンです。冷房にも使えます(EECAのページ)。
- 平均的なヒートポンプは、使う電気の約3倍の熱を出します。
- 購入と設置の費用は、合わせて約NZ$4,400です(2026年10月時点)。
- 寿命の目安は約15年です。
- 設置は、免許を持つ電気工事士(licensed electrician)が行います。
- 室内機は、外壁側の高い位置に付けます。室外機は、室内機から15m以内が目安です。
EECAによると、平均的な家庭では、ヒートポンプは都市ガスの暖房より年間NZ$122、ボンベのLPGの暖房より年間NZ$352安くなります(2026年10月時点)。
| 方式 | 内容 |
|---|---|
| シングルスプリット(single-split) | 室外機1台に室内機1台。設置しやすく費用を抑えやすい |
| マルチスプリット(multi-split) | 室外機1台に複数の部屋の室内機 |
| ダクト式(ducted) | ダクトで家全体に暖かい空気を送る。初期費用が高い |
部屋の広さ、窓の数、地域の気候で、合う大きさが変わります。業者に家を見てもらい、提案を受けてください。
電気ヒーター
EECAによると、電気ヒーターはどの種類も、電気をほぼ100%熱に変えます。電気代は、消費電力(W数)で決まります(EECAのページ)。
| 消費電力 | 1時間の電気代の目安 |
|---|---|
| 250W | 9セント |
| 1,000W | 35セント |
| 2,400W | 84セント |
電気代1kWhあたり35セントで計算した目安です。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| パネルヒーター | 出力が低く、暖まるのが遅い。浴室など小さな部屋向け |
| オイルヒーター、対流式(convection) | ゆっくり暖まる。サーモスタットつきは寝室向け |
| マイカサーミックヒーター | 早く暖まる。表面が熱くなるため子どもに注意 |
| 赤外線ヒーター | 人や物を直接暖める。天井の高い部屋向け。価格は高め |
| ファンヒーター | 小さな部屋をすぐ暖める。音が大きめ |
サーモスタット(温度調節)つきを選ぶと、電気の使用量を約9%減らせます。
薪ストーブ(wood burner)
薪ストーブを設置するときや交換するときは、建築許可(building consent)が必要です。大気汚染を防ぐため、多くのカウンシルに独自のルールがあります。
国の基準
2ヘクタール未満の土地では、2005年9月1日以降に設置する薪ストーブは、国の大気の基準(NES-AQ)を満たす必要があります(環境省のページ)。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 排出 | 乾いた薪1kgあたり粒子1.5g未満 |
| 熱効率 | 65%以上 |
この基準は、暖炉(open fire)、複数の燃料を使うストーブ、ペレットストーブ、調理用の薪こんろには適用されません。
オークランドの例
オークランド・カウンシルの主なルールは次のとおりです(オークランド・カウンシルのページ)。
- 室内の暖炉やストーブの設置、交換、移設には建築許可が必要
- 2ヘクタール未満の土地では、国の基準とオークランドの計画(Auckland Unitary Plan)の両方を満たす
- 室内の暖炉の多くは排出の基準を満たさず、新しく設置できないことが多い
- ガスの暖炉は、オークランドのどこでも設置できる
- どの暖房も、近所に迷惑(nuisance)をかけてはいけない
カンタベリーの例
カンタベリー地方議会(Environment Canterbury)は、クライストチャーチなどを「クリーンエア地域(clean air zone)」に指定しています(Environment Canterburyのページ)。クライストチャーチの主なルールは次のとおりです。
- 2ヘクタール未満の市街地では、暖炉と古い型のストーブは使えない
- 新しく設置できるのは、超低排出のストーブ(ULEB)
- 低排出のストーブは新しく設置できない。設置済みのものは、設置から20年まで使える
クリーンエア地域は、ランギオラ、カイアポイ、クライストチャーチ、アシュバートン、ワシュダイク/ティマル、ジェラルディン、ワイマテです。
ほかの地域のルールは、地域のカウンシルや地方議会のページで確認してください。
ガスヒーター
WorkSafeは、ガスヒーターについて次のように案内しています(WorkSafeのページ)。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 煙突のある(flued)ヒーター | 燃えたあとのガスを屋外に出す。結露も減る |
| 煙突のない(unflued)ヒーター | 燃えたあとのガスがそのまま部屋に出る。窓を開けて換気する |
- 煙突のないヒーターは、寝室、浴室、狭い部屋で使いません。
- 燃えやすい物から1m以上離します。
- 設置と修理は、免許を持つガス工事士が行います。
- 冬の前に、毎年点検を受けることが勧められています。
- 炎が黄色い、すすが付く、排気ガスのようなにおいがするときは、使うのをやめて点検を頼みます。
ボンベのガスについてはLPGガスを見てください。
賃貸住宅の暖房
賃貸住宅では、居間を18℃以上に暖められる固定式の暖房を、家主が用意する決まりがあります。暖炉や、移動式のLPGヒーターなど煙突のない燃焼式のヒーターは、この基準の暖房として認められません(Tenancy Servicesのページ、ヘルシーホーム基準)。
手順
- 暖めたい部屋の広さと、断熱の状態を確認する。
- 広い部屋はヒートポンプ、小さい部屋は電気ヒーターなど、部屋に合う種類を考える。
- 薪ストーブを考える場合は、カウンシルの大気のルールと建築許可を確認する。
- 業者に家を見てもらい、見積もりと大きさの提案を受ける。
- 設置は、免許を持つ電気工事士やガス工事士に頼む。
費用
| 項目 | 目安(2026年10月時点) |
|---|---|
| ヒートポンプの購入と設置 | 約NZ$4,400 |
| ヒートポンプと都市ガスの差 | ヒートポンプが年間約NZ$122安い |
| ヒートポンプとボンベのLPGの差 | ヒートポンプが年間約NZ$352安い |
| 電気ヒーター(2,400W) | 1時間約84セント |
持ち家の人は、条件によってヒートポンプの補助金を使えることがあります(光熱費を抑える)。
日本との違い・注意点
- 薪ストーブは地域によってルールが大きく違います。設置できる型や、使える年数が決まっている地域があります。
- 薪ストーブの設置や交換には、建築許可が必要です。
- 移動式のLPGヒーターは煙突がなく、湿気と燃えたあとのガスが部屋に出ます。寝室や浴室では使いません。
- 暖房の効率や費用は、家の断熱で大きく変わります。具体的な選択は、業者や地域のカウンシルに相談してください。