日本の年金と海外在住(Japanese pension while living in NZ)
NZに住む20歳以上65歳未満の日本人は、日本の国民年金に任意加入できます。日本とNZの間には社会保障協定がなく、協定による加入期間の通算の仕組みはありません。日本の年金はNZの口座でも受け取れますが、NZの公的年金(NZ Super)が減額される場合があります。
詳細
海外に住むと国民年金はどうなるか
日本国籍で外国に住んでいる20歳以上65歳未満の人は、日本の国民年金に任意加入できます。加入は義務ではありません(日本年金機構の任意加入制度のページ)。
日本年金機構は、任意加入のメリットとして次の点を挙げています。
- 受給の要件を満たせば、老齢基礎年金を受け取れます。
- 海外に住んでいる間に亡くなったときや、病気やけがで障害が残ったときに、遺族基礎年金や障害基礎年金が支給されます。
任意加入は、申し出た月からの加入です。さかのぼって加入することはできません。
任意加入の手続き
| 状況 | 申込先 |
|---|---|
| 日本を出る前 | 住んでいる市区町村の窓口 |
| 海外に住んでいて、日本に協力者(親族など)がいる | 日本で最後に住んでいた住所地の市区町村の窓口 |
| 海外に住んでいて、日本に協力者がいない | 日本で最後に住んでいた住所地を管轄する年金事務所、または千代田年金事務所 |
保険料は、日本にいる親族などの協力者が代わりに納める方法と、日本の預貯金口座から引き落とす方法があります(日本年金機構の海外居住者の任意加入のページ)。
加入しなかった期間の扱い(合算対象期間)
日本人が海外に住んでいた期間のうち、1961年(昭和36年)4月以降で20歳以上60歳未満の期間に任意加入しなかった期間は、「合算対象期間(カラ期間)」になります。
合算対象期間は、年金を受け取る資格の期間には数えられますが、年金額には反映されません(日本年金機構の合算対象期間のページ)。
老齢基礎年金を受け取る条件
- 保険料を納めた期間、免除された期間、合算対象期間などを合わせて10年以上あること
- 受け取りは原則65歳から。60〜65歳の間に減額して早く受け取る(繰上げ)ことや、66〜75歳の間に増額して遅く受け取る(繰下げ)こともできます
詳しくは日本年金機構の受給要件のページで確認してください。
日本とNZの社会保障協定
日本年金機構の社会保障協定の締結状況のページには、NZは載っていません(2026年10月時点)。
社会保障協定は、2つの国で保険料を二重に払うことを防ぎ、両国の加入期間を通算して年金を受け取る資格を満たしやすくするための取り決めです(日本年金機構の社会保障協定のページ)。NZとの間にはこの協定がないため、協定による通算の仕組みは使えません。
日本の年金をNZで受け取る
- NZの金融機関の口座で受け取る場合は、「外国居住年金受給権者 住所・受取金融機関 登録(変更)届」を出します。SWIFT(BIC)コードなどが必要です。
- 日本の銀行口座で受け取ることもできます。ただし、ゆうちょ銀行は振込先にできません。
- 海外への送金の通貨は国ごとに決まっていて、自分で選ぶことはできません。
- 受取先を変えてから最初の振込まで、3〜4週間かかることがあります。
詳しくは日本年金機構の海外口座のページで確認してください。
受け取り始めた後は、毎年の誕生月に現況届(生存の確認の書類)を出す必要があります。引っ越し、口座の変更、氏名の変更のときも届出が必要です(日本年金機構の海外在住の受給者向けのページ)。在留証明については大使館・総領事館の手続きを参照してください。
NZの公的年金(NZ Super)との関係
NZには、65歳以上の人に2週間ごとに支払われる公的年金、NZスーパーアニュエーション(NZ Superannuation、NZ Super)があります。主な条件は次のとおりです(Work and Incomeのページ)。
- 65歳以上であること
- NZ市民、NZの永住者、または居住クラスのビザを持っていること
- 申請時にNZ(またはクック諸島、ニウエ、トケラウ)に普段住んでいること
- 20歳以降にNZに一定の年数住んでいること(うち5年は50歳以降)
必要な年数は生年月日によって違います。
| 生年月日 | 必要な年数 |
|---|---|
| 1959年6月30日以前 | 10年 |
| 1959年7月1日〜1961年6月30日 | 11年 |
| 1961年7月1日〜1963年6月30日 | 12年 |
| 1963年7月1日〜1965年6月30日 | 13年 |
| 1965年7月1日〜1967年6月30日 | 14年 |
| 1967年7月1日〜1969年6月30日 | 15年 |
| 1969年7月1日〜1971年6月30日 | 16年 |
| 1971年7月1日〜1973年6月30日 | 17年 |
| 1973年7月1日〜1975年6月30日 | 18年 |
| 1975年7月1日〜1977年6月30日 | 19年 |
| 1977年7月1日以降 | 20年 |
海外の年金があるとNZ Superが減ることがある
Work and Incomeは、海外の年金について次のように案内しています(Work and Incomeの海外年金のページ)。
- 他の国の政府が運営する年金で、NZの給付と同じような場面で支払われるものは、受け取った額の分だけNZの給付が減額されます(1ドルにつき1ドル)。
- 本人が任意で拠出した分は、海外の年金に含めません。
- 海外の年金を受け取る資格がある場合は、その年金を申請しなければなりません。
日本の年金がどのように扱われるかは個人の状況によるため、Work and Incomeに確認してください。NZの積立制度はキウイセーバーを参照してください。
手順
任意加入する場合の流れです。
- 日本を出る前なら市区町村の窓口、出た後なら最後の住所地の市区町村か年金事務所に連絡する。
- 保険料を納める方法(日本の口座からの引き落とし、または日本の協力者による納付)を決める。
- 申し出た月から加入となり、保険料を納める。
- 将来、受給の年齢が近づいたら、受取口座(NZか日本)を決めて請求する。
費用
国民年金の保険料は、月額17,920円です(2026年度、日本年金機構の保険料のページ)。
日本との違い・注意点
- 海外に住む日本人の国民年金への加入は任意です。加入しなかった期間は合算対象期間として受給資格の期間に数えられますが、年金額には反映されません(日本年金機構の合算対象期間のページ)。
- 日本とNZの間には社会保障協定がありません。協定による加入期間の通算の仕組みは使えません。
- 日本の年金を受け取ると、NZ Superが減額される場合があります。
- 任意加入はさかのぼって加入できません。加入するかどうかは早めに検討してください。
- この記事は制度の説明です。加入や受け取りの判断は、日本年金機構、Work and Income、または専門家に相談してください。
関連項目
- キウイセーバー(KiwiSaver)
- 大使館・総領事館の手続き(Embassy of Japan / Consulate-General of Japan)
- マイナンバーカードと海外転出(My Number Card for overseas residents)
- NZ市民権の取得と日本国籍(Japanese nationality and NZ citizenship)
- 在留証明・署名証明などの証明書(Certificates issued by the Embassy / Consulate of Japan in NZ)
- 海外で出産したときの日本の給付(Japanese benefits after giving birth abroad)