退去の手続きとボンドの返金(Ending a tenancy)
賃貸を出るときは、書面で通知し、家賃と料金を清算し、物件を片付けて鍵を返します。家主と最終点検をしたあと、家主がボンド(保証金)の返金を申請し、テナントが同意すると返金されます。NZで部屋や家を借りている人向けです。
詳細
賃貸を出るときの流れは、テナンシー・サービス(Tenancy Services)が案内しています。通知、清算、片付け、最終点検、ボンド(bond、保証金)の返金の順に進みます。入居中の決まりはテナント法の基本、ボンドの仕組みはボンドを見てください。
退去の通知
2026年10月時点の主な決まりです。
| 契約の種類 | テナントが出るとき |
|---|---|
| 期間の定めのない契約(periodic) | 21日以上前に書面で通知 |
| 定期契約(fixed-term)を満了で終える | 満了日の90日前から21日前までに通知 |
| 定期契約を途中で終える | 原則として一方的には終えられない(下を参照) |
通知期間の全体はテナント法の基本とTenancy Servicesのページで確認してください。
通知が届いたとみなされる日
通知期間は、通知が届いた日の翌日から数えます。届け方によって、届いたとみなされる日が違います。
| 届け方 | 届いたとみなされる日 |
|---|---|
| 手渡し | その日 |
| 郵便受けに入れる・ドアに貼る | 2営業日後 |
| 郵送 | 投函から4営業日目 |
| メール(契約書にあるアドレス)17時より前 | その日 |
| メール 17時以降 | 翌営業日 |
詳しくはTenancy Servicesのページで確認してください。
定期契約を途中で終えたいとき
定期契約は、家主もテナントも一方的に途中で終えることはできません。主な方法は次のとおりです。
- 家主と書面で合意する。家主が費用を求める場合、広告費など実際にかかった合理的な費用に限られます。
- 契約を別の人に引き継ぐ(assignment)よう家主に申し込む。家主は不当に断れません。
- 予想できなかった事情で続けると大きな困難がある場合などに、テナンシー審判所(Tenancy Tribunal)に終了を申し立てる。
家庭内暴力(family violence)を受けている場合は、証拠を添えて2日前の書面通知で契約から抜けられます。詳しくはTenancy Servicesのページで確認してください。
片付けと掃除
Tenancy Servicesの案内は次のとおりです。
- 物件を清潔で整った状態にして出る。
- 自分の持ち物とごみはすべて持ち出す。
- カーペットのプロのクリーニングは、清潔な状態にするために必要な場合を除き、必ずしも必要ではない。
- 家主から借りた物と鍵はすべて返す。
- 小さな改装(minor changes)をした場合は、ほぼ元の状態に戻す。
詳しくはTenancy Servicesのページで確認してください。
残した物の扱い
テナントが物を残して出た場合、家主は食品などの傷む物をすぐに捨てることができます。それ以外の物は、価値に応じて処分するか、35日以上保管してから売るなどの扱いになります。個人の書類は35日以上、安全に保管する決まりです。詳しくはTenancy Servicesのページで確認してください。
最終点検(final inspection)
退去と掃除が終わったら、家主と日時を決めて一緒に最終点検をします。多くの家主は、ボンドの返金に同意する前に最終点検をします。入居時の検査報告書(property inspection report)や写真と比べられるよう、写真を撮っておくと安心です。
ボンドの返金
2026年10月時点の流れです。
- 家主がボンド・ハブ(Bond Hub)か管理ソフトで返金を申請する。テナントは家主に申請を頼むのが一番早い方法です。
- テナントにメールが届く。迷惑メールのフォルダも確認する。
- テナントは12営業日以内に、金額と口座を確認して返事をする。
- テナントが同意すると、翌日に返金される。完全な申請を受け取ってからの処理は最大10営業日です。
家主が申請してくれない場合は、Tenancy Services(0800 836 262)に相談できます。返金されないまま6年たつと、ボンドは国(Crown)のものになります。詳しくはTenancy Servicesのページで確認してください。
返金の金額でもめたとき
金額に合意できない場合は、どちらもTenancy Tribunalに申し立てられます。テナントが申し立てた場合、家主もボンドの一部を受け取りたいなら、家主も申し立てる必要があります。申立はオンラインで行います。詳しくは申立のページで確認してください。
手順
- 契約の種類を確認し、必要な日数を数えて書面で通知する(届いたとみなされる日に注意)。
- 最終日までの家賃を払い、電気・ガス・インターネットを解約する。最後のメーターの数字を記録する。
- 持ち物とごみを片付け、掃除をして、鍵と借りた物を返す。
- 家主と最終点検をし、写真を撮る。
- 新しい連絡先を家主に伝え、Tenancy Servicesに登録している連絡先も更新する。
- 家主がBond Hubで返金を申請したら、金額と口座を確認して12営業日以内に返事をする。
- 合意できなければ、Tenancy Tribunalへの申立を検討する。
費用
2026年10月時点の金額です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| Tenancy Tribunalの申立手数料 | NZ$29 |
| 定期契約を合意で途中で終える場合の費用 | 実際にかかった合理的な費用まで |
申立手数料はTenancy Servicesのページで確認してください。
日本との違い・注意点
- ボンドは家主ではなくTenancy Servicesが預かっています。返金はテナントの同意がないと進みません。金額に納得できないまま同意しないでください。
- 返金は銀行口座への振込です。帰国する場合は、NZの口座を閉じる前に返金を受け取れるよう、日程に余裕を持ってください。
- 定期契約は、途中で出たくても一方的には終えられません。早めに家主と話し合ってください。
- 掃除の基準は「清潔で整った状態」です。普通に使っていて傷んだもの(fair wear and tear)は、テナントの責任ではありません。
- 個別の判断が必要な場合は、Tenancy Services(0800 836 262)や市民相談所(Citizens Advice Bureau)などに相談してください。