障害のある人への支援(Disability support)
NZで障害のある人への公費の支援は、社会開発省(MSD)のDisability Support Services(DSS)が担っています。対象は原則65歳未満で、6か月以上続く身体・知的・感覚の障害か自閉症があり、公的医療を受けられる人です。お金の面では、Work and IncomeのDisability Allowance(週NZ$82.85まで)やSupported Living Paymentがあります(2026年10月時点)。
詳細
支援を担う機関
| 機関 | 役割 |
|---|---|
| Disability Support Services(DSS) | 社会開発省(Ministry of Social Development、MSD)の一部門。障害のある人への支援サービスを調整し、費用を出す |
| Whaikaha(障害者省、Ministry of Disabled People) | 政府・企業・地域と協力して、就労やバリアフリーなどの改善に取り組む。本人や家族への直接の支援はしていない |
| NASC・EGL | 地域の窓口。対象かどうかの確認とニーズ評価を行う |
DSSは、年に約55,000人の障害のある人への支援、約100,000人への住宅改修などの支援、約26,000人の子どもへの発達支援(Child Development Services)に費用を出しています(DSSのページ)。Whaikahaは、支援を受けたい人はDSSのサイトを見るよう案内しています(Whaikahaのページ)。
2026年には、DSSの目的や判断の原則を定めるDisability Support Services Act 2026が成立しました。DSSによると、今の対象の条件や支援の内容は変わらず、これまで審査がなかった支援に新しく収入や資産の審査が加わることもありません(DSSのページ)。
DSSの支援の対象
DSSのページによると、次の条件を満たす必要があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 在留資格 | NZ市民、または公的なサービスを受けられる、NZに通常住んでいる人 |
| 障害 | 身体・知的・感覚の障害、または自閉症があり、6か月以上続き、継続的な支援が必要 |
| 年齢 | 原則65歳未満 |
公的医療の対象は公的医療を受けられる人を見てください。
DSS以外の支援
| 状況 | 支援する機関 |
|---|---|
| 心の健康の問題、加齢による障害 | 保健省(Ministry of Health)の予算による支援(メンタルヘルスの相談先、高齢者の介護) |
| 事故やけがによる障害(脊髄損傷、脳損傷など) | ACC(ACC(事故補償制度)) |
| 収入の支援、障害や病気に関する手当 | Work and Income |
Disability Allowance(障害手当)
障害のために続けてかかる費用(通院、薬、特別な衣類、交通費など)を補う週ごとの手当です。ほかの手当を受けていなくても申請できます(Work and Incomeのページ)。
- 6か月以上続く見込みの障害がある
- ほかで全額補われない、定期的な費用がある
- NZ市民か永住者(permanent resident)で、NZに普段住んでいて住み続けるつもりである
- 収入が上限より少ない
- 医療者が障害と対象の費用を証明する
収入の上限(週、税引き前)
| 状況 | 上限 |
|---|---|
| 単身、16〜17歳 | NZ$696.60 |
| 単身、18歳以上 | NZ$870.00 |
| 夫婦(子どもの有無を問わない) | NZ$1,295.11 |
| ひとり親(子ども1人) | NZ$971.51 |
| ひとり親(子ども2人以上) | NZ$1,023.59 |
Supported Living Payment(生活支援の手当)
障害や病気で働くことが大きく制限される人や、重い介護をしている人への手当です(Work and Incomeのページ)。
| 区分 | 主な条件 |
|---|---|
| 障害・病気 | 16歳以上。働く力が永続的に大きく制限されているか、全盲。普通の仕事で週15時間以上を続けて働けない。その状態が2年以上続くか、余命が2年未満 |
| 介護 | 配偶者以外の人を自宅で常時介護している(介護しなければ病院や施設での介護が必要な人)。扶養する子どもがいなければ18歳以上、いれば20歳以上 |
在留資格の条件は、NZ市民・永住者・居住ビザ(residence class visa)の保持者で、その資格を得てから2年以上続けてNZに住み、NZに普段住んでいることです。
手順
DSSの支援を受ける
- 地域のNASCかEGLの窓口に連絡する。本人か、本人が許可した人(GPなど)が連絡できます(窓口の一覧)。
- 電話で、対象になりそうかを話し合う。
- 対象なら、ニーズ評価の予約をする(順番待ちがあります)。家族や介護者も同席できます。
- 対象でない場合も、NASCがほかのサービスを紹介します。
Work and Incomeの手当を申請する
- Work and Incomeの各手当のページで条件を確認する。
- Disability Allowanceは、医療者に障害と費用を証明してもらう。
- Work and Incomeに申請する。
費用
2026年4月1日からの金額です(2026年10月時点)。
| 項目 | 金額(週) |
|---|---|
| Disability Allowance(上限、非課税) | NZ$82.85 |
| Supported Living Payment(単身、18歳以上、子どもなし) | 税引き後NZ$424.60(税引き前NZ$489.21) |
| Supported Living Payment(夫婦、子どもなし、1人あたり) | 税引き後NZ$360.72(税引き前NZ$411.78) |
| Supported Living Payment(ひとり親) | 税引き後NZ$581.96(税引き前NZ$679.95) |
税引き後の金額は税コード「M」の場合です。実際の金額は、収入や状況で変わります(2026年4月の支給額)。
日本との違い・注意点
- 障害者省(Whaikaha)は、本人や家族への直接の支援をしていません。支援の窓口はMSDのDSSと、地域のNASC・EGLです。
- DSSの支援は原則65歳未満が対象です。65歳以上で加齢による支援が必要な人は、高齢者の介護の仕組みを使います。
- 事故によるけがの障害はACCの対象で、DSSとは別の仕組みです。
- 一時的なビザの人は、原則としてDSSの支援や手当の対象外です。手当の在留資格の条件は、Disability AllowanceとSupported Living Paymentで違います。
- 自分が対象になるかは、NASC・EGLやWork and Incomeに確認してください。この記事は制度の説明です。