NZの医療制度の仕組み(New Zealand health system)
NZの公的医療は、政府機関のHealth NZ(Te Whatu Ora)が病院・GP・地域の医療を計画し、提供の手配をしています。病気のときはまずGP(かかりつけ医)を受診し、専門医や公立病院には紹介で進みます。公的医療の対象者は公立病院の治療がほぼ無料ですが、事故によるけがは旅行者も含めてACCが費用の多くを負担します。
詳細
制度を動かす組織
| 組織 | 役割 |
|---|---|
| 保健省(Ministry of Health/Manatū Hauora) | 医療制度全体の方針を決め、全体をまとめる |
| Health NZ(Health New Zealand/Te Whatu Ora) | 病院・一次医療(GPなど)・地域の医療サービスを計画し、提供を手配する(2022年7月1日から) |
| ACC(Accident Compensation Corporation) | 事故によるけがの治療費などを負担する(ACC(事故補償制度)) |
| Pharmac(Te Pātaka Whaioranga) | 公費で補助する薬を決める(薬局と処方薬) |
公的医療の対象かどうかで費用が変わる
公的医療は、NZ市民とほとんどの永住ビザ(Resident Visa)の保持者に、無料または安い費用で提供されます。観光・留学・就労などの一時的なビザの人は原則として対象外で、受診はできますが費用を自分で払います。詳しくは公的医療を受けられる人を見てください。
受診の流れ
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| GP(かかりつけ医) | 体調が悪いときに最初に受診する。診療所に登録すると、政府が費用の一部を負担するため診察料が安くなる |
| 時間外の診療所(after-hours) | GPが閉まっている時間に受診する。GPは主に月〜金の9:00〜17:00 |
| 専門医(specialist) | 通常はGPの紹介で受診する |
| 公立病院(public hospital) | 救急・手術・出産・内科などを担当。全国に40以上ある |
| 救急(111) | 命に関わるときに電話する(救急(111)とHealthline) |
GPの診察料は診療所ごとに決まっています。Health NZとPHO(Primary Health Organisation)が合意した範囲の中で、各診療所が設定します。登録の方法はGP(かかりつけ医)への登録を見てください。
公立病院
公的医療の対象者は、公立病院の治療のほとんどが無料です。対象外の人は費用を請求されることがあります。支払えない人でも、救急の治療を断られることはありません。救急車を呼んだ場合は、料金がかかることがあります。
専門医と待ち時間
公的医療の対象者は、ほとんどの専門医の診察を公費で受けられます。公的な制度での待ち時間は、病状と、同じ専門医を待っている人の数で変わります。待っている間はGPが診療を続けます。
私立の医療と民間の医療保険
私立の専門医や私立病院(private hospital)を選ぶこともできます。特定の専門医を選びたい場合は、私立の医療を使う必要があります。私立の医療は政府の補助がないため、費用は全額自己負担です。民間の医療保険に入っていれば、保険で支払える場合があります。
事故によるけがはACC
事故によるけがは、ACCが費用の多くを負担します。対象はNZにいるすべての人で、住民でない人や旅行者も含まれます。病気はACCの対象外です。
電話の相談窓口
| 番号 | 内容 |
|---|---|
| 111 | 救急・警察・消防 |
| 0800 611 116 | Healthline(電話の健康相談。無料・24時間) |
| 1737 | 心の健康の相談 |
歯科
18歳の誕生日を迎えるまでは、基本的な歯科治療が無料です(0800 TALK TEETH)。18歳以上は原則自己負担です。詳しくは歯科を見てください。
手順
- 住む場所が決まったら、近くのGPを探して登録する(Healthpointで探せます)。
- 体調が悪いときは、まずGPに連絡する。時間外ならafter-hoursの診療所を使うか、Healthline(0800 611 116)に相談する。
- 専門医が必要な場合は、GPに紹介してもらう。
- 命に関わるときは、すぐに111に電話する。
- 事故でけがをしたときは、受診した医療機関がACCに申請する。
費用
| 項目 | 公的医療の対象者 | 対象外の人 |
|---|---|---|
| GPの診察 | 登録すると安くなる(14歳未満は多くのサービスが無料) | 全額自己負担 |
| 公立病院の治療 | ほとんどが無料 | 請求されることがある |
| 公的な専門医 | ほとんどが公費 | 請求されることがある |
| 私立の専門医・病院 | 自己負担(保険で支払える場合あり) | 自己負担 |
| 事故によるけが | ACCが多くを負担 | ACCが多くを負担 |
2026年10月時点の情報です。
日本との違い・注意点
- NZでは、病院や専門医に直接行くのではなく、まずGPを受診して紹介してもらうのが基本です。
- 公的医療を受けられるかどうかは、住んでいるかではなく、市民権やビザの種類で決まります。
- ACCは事故によるけがだけが対象です。病気や旅行の予定変更、帰国の費用は対象外なので、一時的なビザの人は旅行保険が欠かせません(旅行保険)。
- 公的な専門医の診察は、待ち時間が長くなることがあります。
- 大人の歯科治療には公的な補助が原則ありません。
- 自分の体調や治療については、GPや医療者に相談してください。この記事は制度の説明です。