妊娠・出産の費用(Maternity care costs and eligibility)
公的な出産ケアの対象者は、LMC(担当の出産ケア提供者)による妊娠・出産・産後のケアのほとんどが無料です。本人が対象でなくても、パートナーが市民や永住者などの場合は対象になります。対象外の人は全額自己負担で、公立病院での出産だけでもNZ$1万を超えることがあります。
詳細
公的な出産ケアの対象になる人
Health NZ(Te Whatu Ora)は、次のどれかに当てはまる妊婦を、公的な出産ケア(publicly funded maternity services)の対象としています(Health NZのページ)。
- 本人が公的医療の対象である(公的医療を受けられる人)
- 配偶者・パートナーが次のどれかに当てはまる
- おなかの子どもが、出生によってNZ市民になると認められる
2のパートナーの条件は次のとおりです。
| パートナーの立場 | 補足 |
|---|---|
| NZ市民 | |
| 永住ビザ(Resident Visa/Permanent Resident Visa)の保持者 | |
| オーストラリアの市民・永住者 | NZに2年以上住んでいる場合 |
| 難民・保護対象者 | 申請中・不服申立て中を含む |
| 就労ビザの保持者 | 連続24か月以上滞在できるビザ。それまでの合法的なNZ滞在期間も数える |
| Interim Visaの保持者 | 以前は対象だった人 |
| NZ政府の援助プログラムの奨学生 |
3は、親の一方がNZ市民などで、子どもが生まれると同時に市民になる場合です。市民権のルールは出生登録と出生証明書を見てください。
無料になるケア
対象者は、出産ケアのほとんどが無料です。
- LMC(Lead Maternity Carer)による地域での妊娠・出産・産後のケア(出産とLMC)
- 妊娠に影響する母体や胎児の病気についての、病院での専門的なケア
- 子宮外妊娠、流産、妊娠高血圧腎症(pre-eclampsia)、子癇などのケア
対象者でも費用がかかるもの
Health NZは、次のものには費用がかかることがあると案内しています。
- 出産準備のクラス(antenatal / childbirth education classes)
- 民間の検査機関での一部の検査
- 超音波検査(ultrasound scans)
- 私立の産科医(private obstetrician)
- 私立の産院(private maternity hospital)
govt.nzのページも、NZ市民と永住者のケアは、私立の産科医や超音波検査技師を選ばない限り無料としています。
相互協定による限られたケア
英国やオーストラリアとの相互医療協定(Reciprocal Health Agreements)の対象者は、すぐに必要な出産ケア(陣痛・出産、出産直後のケアを含む)だけを受けられます。
対象外の人の費用
観光・留学・一時的な就労ビザなどで、本人もパートナーも条件に当てはまらない人は、出産ケアの費用を自分で払います(govt.nzのページ)。
料金は病院ごとに決まっています。Health NZ Canterbury(カンタベリー地方)の例です(料金表、2025年2月1日から、GST込み)。
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 妊娠初期の助産師の診察 | NZ$517.50 |
| 専門医の診察(初回) | NZ$816.00 |
| 専門医の診察(2回目以降) | NZ$747.50 |
| 超音波・放射線検査 | NZ$416.44 |
| 産後の外来 | NZ$506.00 |
| 合併症のない経膣分娩 | NZ$10,580.00 |
| 合併症のある経膣分娩 | NZ$18,768.00 |
| 硬膜外麻酔(epidural) | NZ$2,254.00 |
| 帝王切開 | NZ$27,933.50 |
| 妊娠中の入院(3時間超) | 1日 NZ$1,678.13 |
- 救急車の料金や事務手数料は別に請求されます。
- 料金は目安で、変わることがあります。すべての治療が載っているわけではありません。
- 外来の費用は前払いです。入院した場合は、退院前に請求書が渡されます。
- 受診した後で対象になっても、さかのぼって無料にはなりません。
以上はHealth NZ Canterburyのページの案内です。地域によって料金や手続きが違うため、出産する病院に確認してください。
対象であることの証明
病院では、対象であることを示す書類を求められます。Health NZ Waitematā(オークランド北部・西部)は、パスポート、出生証明書、市民権証明書などを挙げています。対象と証明できないと請求書が送られますが、後で証明できれば請求は取り消されると案内しています(Waitematāのページ)。
妊娠中にビザを申請する人
公的医療の対象外の人が、妊娠中に観光・留学・就労などの一時的なビザを申請する場合、出産ケアの費用として最低NZ$9,000を用意していることを示す必要があります。宿泊費、生活費、出国の費用も別に必要です。Limited Visaの人は、公的な出産ケアを受けられません(Immigration NZのページ)。
手順
- 自分とパートナーのビザや市民権から、公的な出産ケアの対象かどうかをHealth NZのページで確認する。
- 対象なら、LMCを探して申し込む(出産とLMC)。
- 対象外なら、出産する予定の病院に料金と支払い方法を問い合わせる。加入している保険で出産が補償されるかも確認する。
- 病院では、対象であることを示す書類(パスポートなど)を見せる。
費用
| 立場 | 費用 |
|---|---|
| 公的な出産ケアの対象者 | ほとんど無料(私立の産科医・産院、一部の検査や超音波検査、クラスは有料のことがある) |
| 相互協定の対象者 | すぐに必要な出産ケアのみ公費 |
| 対象外の人 | 全額自己負担。Canterburyの例で、合併症のない経膣分娩NZ$10,580、帝王切開NZ$27,933.50 |
| 妊娠中に一時的なビザを申請する対象外の人 | ビザ申請時に最低NZ$9,000の準備を示す |
2026年10月時点の情報です。
日本との違い・注意点
- 在ニュージーランド日本国大使館は、NZには日本のような国民保険制度がないと案内しています(大使館のページ)。NZでは、ビザや市民権、パートナーの立場で公的な出産ケアの対象かどうかが決まります。
- 本人が一時的なビザでも、パートナーが市民や永住者などなら対象になることがあります。
- 対象外の人は、加入している保険で妊娠・出産が補償されるかを、保険会社に事前に確認してください。
- 自分が対象かどうかの判断は、Health NZや出産する病院に確認してください。この記事は制度の説明です。