留学生保護の行動規範(Education (Pastoral Care of Tertiary and International Learners) Code of Practice)
留学生保護の行動規範(Code of Practice 2021)は、NZの教育機関が学生の安全と生活を守るために従う法的なルールです。留学生を受け入れる学校は署名校(signatory)として承認を受ける必要があり、18歳未満の住まいの確認などの義務があります。学校の対応に不満があるときはNZQA、返金などのお金の問題は無料の「Study Complaints」に相談できます。
詳細
行動規範とは
「留学生保護の行動規範」(Education (Pastoral Care of Tertiary and International Learners) Code of Practice 2021、以下「行動規範」)は、教育訓練法(Education and Training Act 2020)に基づくルールです。教育機関が、学生の心身の安全と生活(wellbeing)を守るために果たすべき義務を定めています。2022年1月1日から施行されています。
管理者(Code Administrator)はNZQA(ニュージーランド資格庁)です。NZQAは、教育機関が行動規範を守っているかを確認し、苦情を受け付けます。
誰が対象か
- 高等教育機関(大学、ポリテクニック、私立訓練機関など)で学ぶ学生。国内の学生も含みます。
- NZの教育機関で学ぶ留学生(小・中・高校、語学学校、高等教育機関)。
教育機関が留学生を受け入れるには、NZQAから署名校(signatory)として承認される必要があります。署名校の探し方は留学の学校選びを参照してください。
学生が期待できること
NZQAは、行動規範のもとで教育機関が学生を次のように支えるべきだと説明しています。
- 心身ともに安全でいられる
- ありのままの自分が尊重され、受け入れられる
- 学びと生活の両方で支援を受けられる
- 社会や文化のつながりを保てる
- サービスに関する決定に意見を言える
行動規範の構成
行動規範は、成果(Outcome)ごとに教育機関の義務を定めています。
| 部(Part) | 対象 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Part 3〜4(Outcome 1〜4) | すべての高等教育機関 | 学生の安全と生活を守る仕組み、学生の意見、安全な学習環境 |
| Part 5(Outcome 5〜7) | 高等教育機関の学生寮 | 寮の環境、契約、設備とサービス |
| Part 6(Outcome 8〜12) | 留学生を受け入れる高等教育機関 | 留学生への情報提供、入学と契約、保険とビザ、オリエンテーション、安全と見守り |
| Part 7(Outcome 13〜22) | 留学生を受け入れる学校(小・中・高校) | 広告、エージェントの管理、入学と契約、保険、ビザ、オリエンテーション、安全と生活、支援、退学や閉校時の対応、苦情への対応 |
| Part 8 | 管理者(NZQA) | 報告、調査、監視 |
留学生に関する主な義務
署名校は、留学生について主に次のことを行う義務があります。
- 入学前の情報提供:教育の質の評価結果、教育の内容、返金の条件、職員や設備、支援、保険とビザの条件、費用の全体を、契約の前に知らせる。
- エージェントの管理:留学エージェントの身元照会を行い記録する。虚偽の行為や行動規範違反の証拠があれば、契約を打ち切る。
- 保険:2週間以上在籍する留学生に、渡航、医療、本国への送還、死亡に関わる費用などを補う保険に加入させる(留学生保険)。
- ビザの確認:留学生が必要な在留資格を持っていることを確かめる。ビザの条件違反が分かった、または疑われる場合は、Immigration NZに報告する。
- オリエンテーション:学校の方針、サービス、支援、担当職員の連絡先などを説明する。
- 安全と生活:安全な学習環境を用意し、留学生の生活を十分に支援する。緊急時の連絡先を用意する。
18歳未満の留学生
18歳未満の留学生には、追加の義務があります。
- 10歳未満の留学生は、親または法定後見人と住む必要があります。
- 10歳以上18歳未満で親と住まない場合は、居住保護者(residential caregiver、ホームステイ先など)のもとで暮らすか、3か月以内の管理された団体留学であることが条件です。
- 学校は、居住保護者の安全確認を行います。本人確認、照会、警察の照会(police vet)、面談が含まれます。
- 親が親族や知人を指定保護者(designated caregiver)にする場合は、その人が学校の承認を受けることに、親が書面で同意する必要があります。
- 学校は、親や法定後見人と連絡をとり、面談や家庭訪問で住まいの状況を確認します。
ホームステイの詳しいルールはホームステイを参照してください。
苦情の申し立て先
| 困っていること | 相談先 |
|---|---|
| 教育機関、エージェント、住まいについての不満 | まず教育機関の苦情手続き |
| 教育機関が行動規範を守っていない(住まい、安全、生活、学校の管理など) | NZQA |
| 返金などのお金の問題、入学契約の問題 | Study Complaints(Ngā Amuamu Tauira) |
| 命や安全に関わる緊急事態 | 111(救急車・警察を呼ぶとき) |
**Study Complaints(Ngā Amuamu Tauira)**は、国内の高等教育の学生と留学生が無料で使える紛争解決の制度です。NZの中等学校(高校)に通う留学生も使えます。まず教育機関の苦情手続きを終えてから利用します。以前の留学生向けの制度(iStudent Complaints)などは、2023年12月31日までに、この制度に置き換えられました。
NZQAの連絡先
| 方法 | 連絡先 |
|---|---|
| 電話(NZ国内・無料) | 0800 697 296 |
| 電話(海外から) | +64 4 463 3000 |
| 受付時間 | 月・火・木・金 8:00〜17:00、水 9:00〜17:00 |
| 郵送 | PO Box 160, Wellington 6140, New Zealand |
NZQAは、10営業日以内に回答するとしています。オンラインの問い合わせ方法はNZQAの連絡先のページで確認してください。
手順
- 入学前に、学校が行動規範の署名校であることをNZQAの検索ページで確認する(留学の学校選び)。
- 入学前に受け取る情報(返金の条件、保険、費用)と、オリエンテーションで説明される担当職員の連絡先を確認しておく。
- 困ったことがあれば、まず学校の担当職員に相談し、学校の苦情手続きを使う。
- 学校の対応に納得できない場合、行動規範に関わる問題はNZQAの苦情のページから申し立てる。
- 返金や契約の問題はStudy Complaintsに申し立てる。
費用
- Study Complaintsの利用は無料です(教育省のページ)。
日本との違い・注意点
- NZでは、留学生を受け入れる学校に、法令に基づく保護の義務があります。署名校でない学校は留学生を受け入れられません。
- 苦情は、まず学校の苦情手続きを使います。NZQAやStudy Complaintsは、その後の相談先です。
- お金や契約の問題(Study Complaints)と、安全や生活の問題(NZQA)で相談先が違います。
- 日本人が海外に住所や滞在先を定めて3か月以上滞在する場合は、在留届を出すことが旅券法で義務付けられています(外務省のORRネットのページ)。
- 個別のケースの判断は、学校、NZQA、Study Complaintsに相談してください。