給与明細の見方(Pay and payslips)
NZの給料は週ごと・2週ごと・月ごとなど職場で決まり、雇用契約に書かれます。給料からはPAYE(所得税とACC保険料)、キウイセーバー、学生ローンの返済などが差し引かれます。法律で決まったもの以外の天引きには、本人の書面の同意が必要です。
詳細
給料日と支払いの間隔
給料を払う間隔(週ごと、2週ごと、月ごとなど)は職場によって違います。法律は間隔や日付を決めていません。給料日は雇用契約か職場の規定に書くことになっています。
- 給料はお金で支払われます。雇用主は、給料の使い道を指示してはいけません。
- 時給で働く人は、多くの場合、対象期間(pay period)が終わった後に支払われます。
- 祝日や週末で給料日がずれるときは、雇用主が知らせることになっています。
給与明細(payslip)はもらえるか
給与明細の発行は、雇用契約に書かれていない限り法律上の義務ではありません。ただし雇用主は、賃金と勤務時間の記録をつける義務があり、従業員は記録を見せるよう求められます。計算方法の説明を求めることもできます。
給与明細に書かれる主な項目
Employment NZは、次のような項目を挙げています。
| 区分 | 主な項目 |
|---|---|
| 本人の情報 | 氏名や従業員番号、IRD番号、振込先の口座、支払いの間隔、休暇の残り日数 |
| 給料 | 時給(最低賃金以上)、手当・賞与・歩合、控除、総支給額(gross)と手取り額(net)。それぞれ今回分と年度累計 |
| 勤務時間 | 対象期間の合計時間、日ごとの通常勤務と残業、祝日に働いた時間、取った休暇 |
年次有給休暇の代わりに総支給額の8%を上乗せで受け取る場合(pay-as-you-go)は、その金額が記録の上で区別できる必要があります。
給料から差し引かれるもの
法律で決まっている主な控除は次のとおりです。
| 控除 | 内容 |
|---|---|
| PAYE | 所得税。ACC保険料(ACC earners’ levy)を含みます。額はタックスコードで決まります(所得税とPAYE) |
| キウイセーバー | 加入している人の拠出分(キウイセーバー) |
| 学生ローン | NZの学生ローンがある人の返済分 |
| 養育費(Child Support) | 支払いが必要な場合 |
最低賃金は控除の前の金額で判断します。キウイセーバーの雇用主の拠出は、最低賃金とは別に支払われます。2026年10月時点の成人の最低賃金は時給NZ$23.95です(最低賃金と労働者の権利)。
学生ローンの返済
NZの学生ローンがある人は、タックスコードに「SL」を付けます(例:M SL)。主な仕事では、返済の基準額(threshold)を超えた分の12%が差し引かれます。2つ目以降の仕事では、基準額を使わず、その仕事の収入すべての12%が差し引かれます。
2026年の税年度(2025年4月1日〜2026年3月31日)の基準額は年NZ$24,128でした。最新の金額はIRDのページで確認してください。
本人の同意が必要な天引き
法律で決まったもの以外は、原則として本人の書面の同意がないと差し引けません。主な例は次のとおりです。
- 労働組合の会費
- 住まい・食事の費用
- 雇用主や貸金業者からの借金の返済
- 雇用主から買った物やサービスの代金
同意した天引きは、いつでも書面で変更や停止を求められます。雇用主は、できるだけ早く、遅くとも受け取ってから2週間以内に対応する必要があります。
違法な天引き
次のようなことは認められていません。
- 仕事の出来が悪かったことを理由に給料を減らす
- 雇ったり雇い続けたりする見返りにお金を求める(premium)。給料から引く形や、第三者を通す形でも違法です
- 払った給料の一部を返させる
- 給料の使い道を指示する
店の損失や破損を給料から引く場合は、合理的で、実際の損失に見合う必要があります。客による盗難など、本人がどうにもできなかった損失を引くことは、合理的でないとされる可能性が高いです。
記録の保存
雇用主は、賃金と勤務時間の記録、休暇の記録を6年間保存します。辞めた後も同じです。記録には、各期間の給料と計算方法、毎日の勤務時間、控除などが含まれます。
手順
給与明細を受け取ったら、次の点を確認します。
- 時給と勤務時間が、雇用契約や自分の記録と合っているか確認する。
- タックスコードが正しいか確認する。合っていないと、年度末に追加の税金を請求されることがある。
- PAYE、キウイセーバー、学生ローン以外の天引きがあれば、書面で同意したものか確認する。
- わからない点は、雇用主に計算方法の説明を求める。給与明細がない場合は、記録を見せるよう求める。
- 解決しない場合は、Employment NZ(0800 20 90 20)に相談する。
日本との違い・注意点
- 給与明細の発行は、雇用契約に書かれていなければ法律上の義務ではありません。働き始めるときに、明細をもらえるか確認しておくと安心です。
- 給料日の間隔は職場ごとに違い、週払いや2週ごとの支払いも多くあります。
- ACCの保険料は、PAYEの中に含まれて差し引かれます。
- 雇ってもらう見返りにお金を払うよう求められた場合、それはNZでは違法です。
- この記事は制度の説明です。個別の状況はEmployment NZに相談してください。