ACCの申請方法(Making an ACC claim)
事故でけがをしたら、GPや理学療法士などを受診すれば、その医療機関がACCへの申請を代わりに行います。旅行者も対象です。仕事を休む場合の休業補償は自動では始まらず、MyACCか電話で別に申し込みます。ACCの決定に納得できないときは、3か月以内に審査を申し込めます。
詳細
ACC(Accident Compensation Corporation、事故補償公社)の制度全体はACC(事故補償制度)で説明しています。この記事では、申請から補償、審査までの流れをまとめます。
申請は医療機関が行う
けがをして医療機関を受診すると、その医療機関が書類を作り、本人の代わりにACCに申請します(ACCのページ)。受診できるのは、次のような医療機関です。
- GP(かかりつけ医)
- 理学療法士(physiotherapist)
- 時間外の診療所(after-hours clinic、夜間・休日の受診)
- 病院
補償の対象と認められると、通常1週間以内にテキストメッセージや手紙で知らせが届きます。
対象になるけがの種類
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 事故によるけが | 捻挫、切り傷、やけど、骨折、脱臼、歯のけが、脳しんとう |
| 仕事が原因で徐々に起きたけが | 使いすぎによる腱炎、職場の騒音による難聴 |
| 治療によるけが(treatment injury) | 登録された医療者の治療が直接の原因になったけが(通常の副作用は除く) |
| 心のけが | 対象のけがに伴うもの、職場で衝撃的な出来事を体験・目撃したことによるもの |
| 性的被害(sensitive claims) | 時期を問わず対象。旅行者も含む |
| 出産時のけが | 2022年10月1日以降の出産によるもの |
詳しくはACCのページで確認してください。病気は対象外です。
治療費の払い方
ACCは治療費の一部を払い、残りは自分で払うことがあります(ACCのページ)。
- 医療機関がACCに直接請求する場合と、自分で全額を払って後で払い戻しを受ける場合があります。
- 払い戻しは、処方薬ならACC249、それ以外はACC001の様式に領収書を付けて、メール・郵送・ACCの窓口で申し込みます。
- 治療の前にACCの承認が必要な場合があります。受診前に医療機関に確認してください。
旅行者の場合
旅行者も、NZでの事故によるけがは対象です。申請は住民と同じく医療機関が行います。ただし、病気、旅行の予定の乱れ、帰国のための移動、帰国後の治療は対象外です(ACCのページ)。旅行保険に入っておいてください(旅行保険)。
MyACC
MyACCは、ACCのオンラインサービスです。ACCの申請番号と、メールかテキストで届く登録コードで登録します。RealMeでも登録できます(ACCのページ)。
- 申請の情報や休業補償の支払いを見る
- 休業補償や交通費・器具などの支援を申し込む
- 診断書をアップロードする
16歳未満の人や、2007年より前の申請などは、MyACCを使えない場合があります。
休業補償(weekly compensation)
けがで普段の仕事ができない場合、けがをする前の収入の最大80%が支払われます(ACCのページ)。対象は、会社員(employee)、自営業者、株主従業員(shareholder-employee)です。
| 時期 | 内容(会社員の場合) |
|---|---|
| 最初の1週間 | 仕事中のけがは、雇用主が通常の給与の80%を払う。仕事以外のけがは、病気休暇や年次休暇を使えるか雇用主と相談する |
| 8日目から | ACCが休業補償を払う(申請が認められた場合) |
| 最初の4週間 | けがの直前4週間の収入をもとに計算 |
| 4週間以降 | より長い期間の収入をもとに計算 |
- 休業補償には上限額があります。金額はACCのページで確認してください。
- 休業補償にも所得税がかかり、学生ローンやKiwiSaverなどの天引きも続きます。
- 雇用主が仕事中のけがの手続きを管理している場合があります。まず雇用主に確認してください。
休暇の種類は休暇の種類、職場の安全は職場の安全衛生を見てください。
決定に納得できないとき(審査)
ACCの決定に納得できない場合は、独立した審査(independent review)を申し込めます(ACCのページ)。
- 決定から3か月以内に申し込みます。事情によっては、期限を過ぎても受け付けられることがあります。
- 申し込みはACC33の様式で行います。
- 審査の費用はACCが払います。
- 審査の結果にも納得できない場合は、地方裁判所(District Court)に上訴できます。費用がかかることがあります。
手順
- けがをしたら、GP・理学療法士・時間外の診療所・病院などを受診する。命に関わるときは111に電話する(救急(111)と電話の健康相談(Healthline))。
- 受診のときに、事故でけがをしたことを伝える。医療機関がACCに申請する。
- 自分の負担分があれば、医療機関に払う。
- ACCからテキストメッセージや手紙で、対象になったかどうかの知らせを受け取る。
- 仕事を休む必要があれば、医療機関で診断書(「一部の仕事ならできる」または「仕事ができない」)をもらう。
- MyACCか電話(0800 101 996、月〜金8:00〜18:00)で休業補償を申し込む。勤務時間、雇用主の連絡先、IRD番号、税コード、銀行口座などを用意する。
- 決定に納得できない場合は、3か月以内にACC33で審査を申し込む。
費用
- 申請の手数料はかかりません。
- 治療を受けるときの自己負担額は、医療機関によって違います。
- 審査の費用はACCが払います。
2026年10月時点の情報です。
日本との違い・注意点
- NZでは、事故のけがの申請は受診した医療機関が行います。自分でACCに申請書を出す必要は基本的にありません。
- 誰の責任で起きた事故かは関係なく補償されます。その代わり、けがの損害賠償を求めて相手を訴えることは原則できません(ACC(事故補償制度))。
- 休業補償は自動では始まりません。仕事を休む場合は、自分で申し込んでください。
- 自分が対象になるか、いくら補償されるかは、ACC(0800 101 996)に確認してください。審査や上訴については、弁護士などの専門家に相談することもできます。